西川善司のGDC2010レポート集(1)

 今年のGDCは「会場が狭い」という印象がありましたが、規模縮小ではなくて、単に、広いカンファレンスホールが他のカンファレンスにとられてしまったため…だとのこと。

 会場となったサンフランシスコのMOSCONE CENTERは西ホールが一番大きくて、GDCは狭い方の北ホールと南ホールの2つを使って行われました。

 ちなみに、大きい西ホールでは、どんなカンファレンスが行われているのかな…と覗いてみたら「WOMAN'S CANCER CONFERENCE」でした。

 「女性のガン」のカンファレンス!! 医学学会でしょうかね。

 同じカンファレンスセンターで、ゲーム開発者会議と女性のガン会議が行われている様はちょっとシュールでした。

 余談はさておき、自分の執筆したGDC2010レポートリンク集のパート1を挙げておきます


 

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西川善司の3DゲームファンのためのDirectX 11テッセレーション活用講座
「テッセレーションステージはこう使え」
ゲームエンジンにテッセレーションを組み込むための基本技をNVIDIAが伝授。ハイパー頂点とは何か!?
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http://game.watch.impress.co.jp/docs/series/3dcg/20100310_353969.html

 初日は、恒例「Advanced Visual Effects with Direct3D」を聴講しました。

 WinHEC、SIGGRAPHと並んで、NVIDIAとATI(AMD)が仲良くプレゼンする貴重な機会ですね

 色々なセッションがあった中、とても興味深かったのは、NVIDIAがプレゼンしたDirectX11のテッセレーションステージの積極的かつ具体的な活用事例の紹介です。

 ゲームエンジン向けの適応型テッセレーションの活用指南からはじまり、ピクセルシェーダのタスクをドメインシェーダに払い下げして行うユニークな最適化手法などについても言及されていました。




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SCEAプレスカンファレンス
「PlayStation Moveはモーションセンシング型コントローラの完成形である」と自信を見せる
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http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20100311_354095.html

 今年のGDCでは、ソニー、マイクロソフト、任天堂といったプラットフォームホルダーの基調講演はなかったのですが、辛うじてソニーがプレスカンファレンスをGDC会場とは別の場所で行いました。

 新しいPSPの発表か…と思いきや、メインテーマはPS3向けの新ゲームインターフェース「PlayStation Move」でした。

 PlayStation Moveは3軸のジャイロセンサー、3軸の加速度センサー、地磁気センサーを内蔵していますが、これらはアクションのセンシング使用します。

 コントローラそのものの奥行き情報はコントローラの先端に付けられた発光ボールをCCDカメラで捉えることで行います。具体的には、CCDで捉えた映像の中の発光ボールの大小で奥行きを判断するのです。また、複数のプレイヤーは発光ボールの色で判別します。

 どことなくハイテクでなんとくローテクな風情ですが、「基本的にEYE TOYの延長線技術である」ということを踏まえれば「なるほど」と納得です。




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西川善司の3Dゲームファンのための「OpenGL4.0+WebGL」講座
OpenGL4.0とWebGLが発表。Windows XP環境、MacOS、LinuxでDirectX 11世代テクノロジーを使う方法
HTMLでシェーダーグラフィックスを書く方法
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http://game.watch.impress.co.jp/docs/series/3dcg/20100312_354533.html

 OpenGL4.0が発表になり、いつも動きの遅い、OpenGLが比較的早くDirectXに追いつきました。

 これで、OpenGLでもDirectX11相当のグラフィックスレンダリングパイプラインが利用できます。

 OpenGLはどちらかと言えば非Windowsプラットフォーム向けという印象が強いし、事実、その通りなのですが、ただ、DirectX11はWindows XP未サポートなのに対し、OpenGL4.0はWindows XPにも対応しますから、DirectX11世代GPUのフルスペックをWindows XPで活用するためにもOpenGL4.0は有効と言うことになり、今回に限っては、ちょっとだけWindowsユーザーにも関係があるということができるかも知れません。

 この他、KHRONOS関連としてはHTML5に採用されるWebGLについての発表もありました。

 WebGLとは、FlashやSilverLightのようなプラグインを用いずとも、高度な2D/3Dグラフィックス表現をHTML上で行うための仕組みです。

 これが実用化されると、Web上のJAVAベースでプログラマブルシェーダ3.0世代の3Dグラフィックスが動かせるようになります。
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