CEDEC2006のピラミッド社、田村氏の講演を元にしたPRT技術についての解説は今回が最後になります。
最終回は、動的PRTのパフォーマンス向上に貢献する球面調和関数の指数計算SH EXPを近似して計算する話題を取り上げています。
西川善司の3Dグラフィックス・マニアックス第76回
3Dモデルの変形までが可能な動的PRT(5)~SH Exp演算の大胆な近似による高速化
http://journal.mycom.co.jp/column/graphics/076/index.html
ここまでをまとめると、
・まず固定シーンPRTを考え
・自分自身へのPRTと他社へのPRTを実現することで形状の変化しない動的PRTへと発展させ
・動的に形状が変わる動的キャラクタに対しては「形状の変化しない球体へのPRTを基本単位」として処理する応用を行う
…という流れとなります。
球面調和関数を使った環境光ライティングは、現世代のゲームタイトルで普通に使われていますし、いずれ、本稿で紹介した動的PRTも、次世代機くらいでは当たり前のように利用できるようになっているかも知りません。
2008年から始まったこの連載も、今回をもって、「ひとまずの区切り」を打つことになりました。
しばらく、充電期間をおいたあと、その後はGPGPU、DirectX11、プロシージャル技術などを取り上げていく予定です
ちなみに、先日アナウンスした書籍には、今回の分までがちゃんと入っています
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