「
実例で学ぶゲーム3D数学」が出版されました。
キャッチコピーは「美しい数学」ではなくて「
逞しい数学」!
全米のゲーム開発者の間でヒットした書籍の邦訳版で、内容が読み物として面白いのが特徴です。
例えば、実数の章では...
しかしながら実数は礼儀正しい虚構に過ぎません。信頼できるどの物理学者も言うように、実数は比較的害のない妄想なのです。宇宙は離散的であるだけでなく、有限でもあるらしいのです。もし、今問題になっているように、宇宙に離散的なものが有限な量あるとすると、私たちは特定の定数までしか数えられないのです。
という感じで、なんだか、ダグラス・アダムスの「銀河ヒッチハイクガイド」を読んでいるみたいで、クスリとさせられます。
内容は至ってまじめですが、文章の操り方と言い回しが巧みで思わず引き込まれてしまいます。読み物としてもけっこういけるクチです(笑)。
数学が苦手なボクも思わず読み込んでしまいました。
四元数の話から四分木の話といった基礎的なことから、衝突判定などに関係の深い幾何テストのような応用編の話題まで広く取り扱われています。こうした専門技術書の訳本のわりには3400円(税別)というリーズナブルな価格設定も嬉しいですね。
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