西川善司の大画面☆マニア第236回 ソニーVPL-VW745編

 ついに、疑似4Kでないリアル4Kプロジェクタの本命が登場しました。
 4K、HDR、広色域、18Gbps HDMI、そしてレーザー光源という新技術キーワード全部入りで実勢価格148万円で出てきたのがソニーのVPL-VW745です。



 これまで、この技術キーワードを全てを満たすホームシアター向けプロジェクタ製品としては、ソニーからはVPL-VW5000(800万円)、VPL-VZ1000(220万円)がでていましたが、かなり高価でした。



競合のJVCはDLA-Z1(350万円)を出していましたが、同様に高価です。



 その意味で、今回のVPL-VW745は価格的にもスペック的にも「良い位置に設定してきた」感があります。

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西川善司の大画面☆マニア第236回
170万円のソニー4Kプロジェクタ「VPL-VW745」を(たぶん)買う。レーザーとHDRと善司

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https://av.watch.impress.co.jp/docs/series/dg/1091302.html

 VPL-VW745の発売は12月で、普段は発売前でも貸し出しがなされるものなのですが、今回の評価は、開発陣が説明したいということもあってソニーの評価室での評価を行っています。

 この記事では、取扱説明書には載っていない、VPL-VW745に新搭載となった「VPL-VW745ならでは」の機能の設計方針と活用術を綴っていますので、VPL-VW745を欲しいと思っている人だけでなく、購入したユーザーにも参考になると思っています。というか、自分もこのモデル欲しいので、この後、万が一購入したときに「この機能どう使うの?」という一ユーザー目線で話を聞いてしまっています(笑)

 ただ、ボクとしては、2017年の今期モデルでは、リアル4Kプロジェクタでありながら破格の55万円のプライスタグを引っさげて登場した「VPL-VW245」も、相当な注目製品だと思っていて、こちらが18Gbps HDMIに対応していればこちらが欲しかったと思っています。

 「なんで、このタイミングでVPL-VW245を18Gbps HDMIに対応しなかったのか」は、開発陣に直接聞いてみたかったので、今回、ソニーの開発陣と引き合わせてもらえたのはラッキーでした。



 「その理由」を端的にまとめると「VPL-VW245の映像エンジンは、開発負荷やコストを考えると従来のVPL-VW500系の流用をせざるを得なかった」「VPL-VW245は『フルHD機からの買い換え』『他社製の疑似4Kモデルからの乗り換え』をテーマに開発していたので、18Gbps HDMIを採用していなくても問題ないと考えた」「モデルクラス・ヒエラルキーを考えると、上位機のVPL-VW500系のスペックを大きく上回ることは避けたかった」と言った感じですかね。

 逆に言うと、だったら「VPL-VW535の次」モデルとして「VPL-VW555」みたいなモデル名で18Gbps HDMI対応モデルを今年、もう一つ出してくれても良かったのに…と思うのですが、これについては「そうするとVPL-VW745の存在がぼけてくる」とのことで、「まあ、そうか」という感じです(笑)

 まあ、今年は、この製品ラインナップ構成のおかげで、結果的にはVPL-VW745の方が魅力的に見せることには成功しているので「ソニーのやり方」は一応、「うまいことやってるな」という感じはしますね。

 あと、補足ですが、時々「レーザー光源は色が凄い」という人がいますが、現在のプロジェクタ用のレーザー光源は青色レーザーを発光体として、これの波長変換で白色光を作っていますから、液晶テレビのバックライトの白色LEDと原理的には近いものです。
 なので、表現色域についていえば、現在の熟成した水銀ランプとそれほど変わらないです。

 記事中に示した光スペクトルを見てもらえれば納得でしょう。

 むしろ、利点は「光源として応答性が高速」「暗く光らせてもまともな色が出る」「長寿命」といったところの方にあります。
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