【連載】西川善司の「NISSAN GT-R」ライフ第22回:元日産GT-R開発責任者、水野和敏氏に聞く「日産GT-Rの真実」(後編)

 久々にGT-R連載を再開したので、こちらを挟み込んでおきましょう。

 元日産GT-R開発責任者の水野和敏さんのインタビューの後編です。

 インタビューというか、個人講演会みたいな内容でしたから、記事としてまとめるのは大変でしたし、GT-Rから離れた自動車開発哲学のような話題にまでお話が発展したので、前後編にわたってもまとめ切れていない部分もありますが、GT-R開発に掛けた情熱やこだわりの部分だけは抽出できたのではないかな、と思っています。

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【連載】西川善司の「NISSAN GT-R」ライフ
第22回:元日産GT-R開発責任者、水野和敏氏に聞く「日産GT-Rの真実」(後編)
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http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20131107_622261.html

 GT-Rは「でかい」「重い」と言われますが、水野氏がいうには「低速時から550馬力を使い切るには、物理的にこの設計が必然だった」とのことです。

 これまでのスーパーカーの設計では、とにかく軽くすることに努め、重量物を車体の中央に集めることが「良識」とされました。

 世界の名だたるミッドシップのスーパーカー達が、低速時にホイールを空転させがちで、限界領域付近の挙動がピーキーに陥りがちなのは、むしろ重量物を車体中央に集めていて、低速時にタイヤに荷重がかかりきらないためかもしれません。

 もちろん速度が上がれば空力によってその不足分は補えるわけですが、GT-Rの場合は停止時、中低速時から空力の力を借りずにダウンフォースが得られている…というイメージでしょう。また、コーナリング時にも、前輪上と後輪上の重量物の荷重は的確に旋回外輪に移動するため、安定した旋回トラクションをも与えられます。

 こうして考えると、古くさいと言われるポルシェ911系のRRレイアウトも、あるゆる局面でリアタイヤに荷重を乗せ続けられるという意味においては水野氏の思想に近いと言えるのかもしれません。

 ただ、背高なGT-Rは、高速域では空力的には不利です。



 上の米Motor Trendのスーパーカー0-400テストでは名だたる名車達を抑えてGT-Rが1位になってはいるものの、音声解説でも言っているように、もう少し距離があればGT-Rは抜かれていたでしょう。

 GT-Rは、自動車としての万能性、ユーティリティ性を重視したこともあって、この部分は競合達に譲っている部分でもありますが、逆に言うと特徴ということもできますよね。

 さて、東京モーターショウの直前に2014年モデルのGT-RとVersion nismoのGT-Rが発表されるようで、ボクのところにも情報が入ってきました。

 仕様や価格情報も含めて大体の概要は、自分も掴みましたがどうなるか、未知なる部分も多く、とても楽しみにしています。

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