西川善司の大画面☆マニア第100回「TH-42PZ800」

「プラズマ」という言葉の響きもSFチックで格好よく、名前そのものに次世代感が溢れていた割には意外にもフルHD化の技術的ブレークスルーに手間取り、気づいて見れば、かなり、シェア的に厳しい状況になってきています。(約2年出遅れました)
いまやプラズマTVのシェアは風前の灯火。液晶TVの7分の1以下なのです

世界で初めて民生向けプラズマTVを発売したあのパイオニアもついに力尽きて今年一杯でプラズマから撤退します。
プラズマALISパネルで一世を風靡した日立も、いまやメインは超薄型液晶TVにシフトさせてきた感じもあり、プラズマでがんばっている日本メーカーはパナソニックだけになってしまいました。

パナソニックは人気の高い42インチ画面サイズのフルHD解像度のプラズマTVを唯一、市場投入に成功しているメーカーで、他のプラズマ陣営が試作機止まりなのに対し、パナソニックは早くも3代目の42V型フルHDプラズマを投入してきたのです。

それが今回取り上げたTH-42PZ800です

dg_01.jpg
西川善司の大画面☆マニア第100回
新VIERAに見るプラズマの進化
~ カラーリマスター搭載。「松下電器 TH-42PZ800」 ~

http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20080620/dg100.htm

画質的にはやはり輝度は暗めですが、暗部の表現能力と黒の沈み込みは優秀なのでコントラスト感がすさまじいです。
発色も大分よくなっていて色ダイナミックレンジが先代よりも拡大しています。
プラズマ画質はここ数年で劇的によくなりましたね。
ただ、気になったのは色割れでした。
ゲームなどをプレイした際、ボクには100%の確率で白く動く物体に黄色の残像が知覚されました。
これはプラズマの時間積分式のフルカラーの原理に起因するものと思われますが、最近の機種では珍しいですね。

ただ、このTH-42PZ800。同サイズの他社フルHD液晶よりも安いんです。
その意味では、コストパフォーマンスは高くてお勧めです。先述の残像の件があるのでゲームモニタには向かないけど、通常のテレビとしては文句ない出来ですしね.



オンライン仕事 > AV WATCH | comments (3) | trackbacks (0)

Comments

| 2014/03/16 21:23
なるほど~。そういう事情があったのですね。こんな昔の記事に対するツッコミに丁寧なご説明をしていたただきありがとうございました(^^。
評価機と量産製品ではこんなにも違う事があるのですね。勉強になりました。
これからも西川様の記事を楽しみに拝読させていただきます!この度は大変失礼いたしました。
西川善司 | 2014/03/14 23:10
我々が評価するのは量産前のものだったりすることがあります。

発売の何週間も前にものが送られてきたりします。
ただ、記事の掲載時期は発売直前/直後になったりします。

送られてくる量産前評価機は箱も他機種の流用で、取説も付いてこない場合も多いです。

その場合、自分で色んな機材を抜き差しして映したりしてデバッグみたいな評価をします。ボクの場合、実際に自宅に設置して3-4日、長いときには1週間かけてずっと使い続けます(笑)。こんな時間掛けていては原稿料に見合わないですが、まぁ、好きなのでやってる感じですね。

もう、忘れてしまいましたが、たぶん、この時も自分で評価した時にそういう結果になったからそう書いただけのことです。

レビュー掲載後に、メーカーは、量産モデルでは、ロットによって仕様を変えたりします。

あるいは量産モデルは既にファームウェア等が変わっていたり、評価機とは違うリビジョンの基板にしていたりするので、細部の仕様が異なっている場合が往々にしてあります。

最近の事例ではソニーのヘッドマウントディスプレイが評価機と量産機でけっこう仕様が異なっていて、西川善司のレビューと違うと言われたことがありました。

天気予報やニュースと同じで、読者の皆さんは、他のレビュー記事も参照して、総合的に情報を判断してくださいませ。

自分としては、ただ画質を見て「綺麗だった」と述べるのでは他のレビューと同じになってしまうので、マニアックなポイントを評価をするのを信条としています。

ですから、評価機と量産機で仕様が異なるというポイントに辿り着くことはこれからもあるかも知れません。ご了承ください。
| 2014/03/14 13:48
はじめまして。
相当前ですが件の記事をAV Watchの方で拝読し、その下位機種であるTH-42PZ80Aを購入しました。
今までは前面HDMI端子を使わずに足りていたのですが、周辺機器が増えてしまい
前面HDMIを使わなければならなくなりました。
しかし記事の中では前面HDMIは「前面は1080iまでの入力にしか対応していない。」という記述があり
「1080pに対応していないのかな?」と疑問に思っていたのですが、きちんと表示できた為
どれが正しい情報なのか判らなくなりました。
そこでパナソニックに問い合わせを行い、以下の様な回答を頂きました。

━━━━━問い合わせメール引用━━━━━
パナソニックお客様ご相談センターの○○と申します。
平素は弊社商品をご愛顧賜りまして、誠にありがとうございます。
また、このたびはTH-42PZ80Aに関してお問い合わせを賜り、
重ねて御礼申し上げます。

お問い合わせをいただいております件につきましては、弊社担当
部門に確認をおこないました。

お申し出の、PZ800シリーズおよびTH-42PZ80Aの前面に搭載のある
HDMI端子は1080p入力/表示に対応しております。
━━━━━問い合わせメール引用ここまで━━━━━

というわけでパナソニックからは「対応している」と回答を頂きました。
西川様も何らかの情報があったので記事に書かれていたと思うのですが
何か背面と前面のHDMI端子に違いがあるのでしょうか?

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