ゴールデンウィークは3Dプラズマを試した

 ゴールデンウィーク期間中、パナソニックの3DプラズマのVIERA、TH-P50VT2を借りていました。

 何か評価用に3Dブルーレイの映画でも付いてくるのかな、とおもったら、本当にパナソニックの立体視素材しか付いてきませんでした。

 本当に、外に出せるように立体視の映画コンテンツはまだなにもないようです。まぁ、「先にハードが出て、ソフトを待つ」…というのは繰り返されてきた歴史なので、「まあ、仕方ない」としかいいようがないわけですが。

 パナソニックの3D対応のブルーレイレコーダーDMR-BWT3000に付属していた立体視サンプルも、かなり急いで作ったという感じで、その内容に過度な期待をしてはいけません(笑)

 まだ、立体視コンテンツが出揃っていないこともあって、立体視のインプレッションは"おさわり"程度。今回の大画面☆マニアは2D画質の方を中心に紹介しています。

 ちなみに、本格的な立体視コンテンツが出てくるのは夏休み以降になりそうです。

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西川善司の大画面☆マニア第132回:完熟の2D画質で登場した「3D VIERA」
~プラズマ新時代。パナソニック「TH-P50VT2」~
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http://av.watch.impress.co.jp/docs/series/dg/20100513_366000.html

 さて、この新VIERA、VT2は立体視向けにサブフィールド駆動を見直したと言うだけあって階調表現力はさらに良くなりました。2005年前後のプラズマは、液晶勢の進化の加速度を考えると相対的に画質面でかなり劣っていましたが、ここ数年はプラズマ勢の技術力の結束力も高まったのか、液晶に見劣りしません。

 発色も驚くほどよくなりました。記事でも書いていますが2D画質面では完熟の域に達したといえます。

 今期のパナソニックの上位モデルのプラズマ製品にはパイオニアのKUROの遺伝子が盛り込まれていますから、納得もできますね。

 階調性能、発色性能では文句ないレベルですが、やはり明るさについては液晶に及びません。今回、照度計で計測してみたら同一映像を表示してもプラズマは液晶の半分の明るさしかありませんでした。

 以前はプラズマならではの強みだった「自発光」が、今では足かせになってしまっているんですね。

 それと、立体視時の画質チューニングに難があります。

 2D画質は完熟の域に達しているのに、3D画質は色が変になるんです。
 具体的にいうと、立体視で見ると、色の彩度が落ちて渋くなって暗部の階調が死滅して見えます。

dg10.jpg

 たぶん、今は、映像が立体に見えることでお客さん達に「ワー、飛び出て見える~」と素直にそこだけで喜んでもらえますが、映像そのものの画質に目を向けられたときに「あれ?」と思われてしまうかも知れません。

 それと、3Dプラズマにとって強力なライバルが出現します。

 いうまでもなく、3D液晶です。

 こちらは逆にその高輝度性能を武器にしてきますからね。

 立体視時の明るさは表示面の明るさの理論値1/4になってしまうことはここで解説したことがありますが、元の明るさがプラズマの2倍ある液晶は、立体視時の明るさも2倍に出来ます。

 店頭で立体視テレビを見るときは、立体感ではなく、明るさと発色の伸び、階調表現も意識して見てみてください。

 かなりメーカーごとに違っていますので。



オンライン仕事 > AV WATCH | comments (1) | trackbacks (0)

Comments

  | 2010/05/22 00:51
VT2は、店頭で見た印象ではダイナミックが液晶のスタンダードと同じぐらい明るさでした。その状態で、見た感じだとVT2の方がレグザよりも黒が綺麗に出ている気がしましたね。それと、VT2でも近距離で見た場合、ざわざわノイズと動いた時の崩れがやはりプラズマ特有の現象として見えました。KUROはその辺の処理が巧みだとあちらこちらで聞いていますが、今は比較してみる事ができないのが残念です。さて、3Dに関しては正直いまいちの感想でした。めがねを通して、さらにテレビが飛び出しているのを見ても
衝撃が少ないです。SDかHDよりもインパクトはありましたけど。めがねディスプレイじゃないと3Dは没入できないのではとの感想でした。

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