西川善司の大画面☆マニア第127回:International CES特別編~韓国勢の最新映像技術動向

 毎年、International CESはアメリカで開催されているため、北米地区で最もシェアが大きいサムスンやLG電子といった韓国勢のブースは凄く派手で人入りが凄いです。

 サムスンもLG電子も、日本市場ではPC周辺機器としてはそれなりの知名度がありますが、テレビ製品では事実上の撤退状態です。

 しかし、北米ではサムスンもLG電子も一般消費者には人気ブランドなんですよね。

 前回のエントリーで紹介したLG電子の3Dプロジェクタなどのような、日本のテクノロジーを応用した、思いも寄らないオリジナル商品なんかも最近は開発してくるようになってきたりしているので、キムチパワーはもはやかなり手強い存在です。

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西川善司の大画面☆マニア第127回:International CES特別編
~韓国勢の最新映像パネル技術動向~
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http://av.watch.impress.co.jp/docs/series/dg/20100112_341773.html

 今年のサムスンは、LEDバックライトの液晶テレビを「LED TV」と命名して、広くアピールしていました。理解レベルの低いブース内の雇われスタッフなどに「これはLCDか」なんて聞くと凄い剣幕で「NO! LEDだ」と訂正されるほど(笑)

 そしてサムスンはそのLED TVに立体視機能を搭載し、比較的低価格モデルから「3D TV」ラインナップを展開し、3D対応へ攻勢を掛けるようです。

 LG電子もLEDバックライトの液晶テレビをメインに据えますが、サムスンが額縁部分にLEDを配したエッジLEDバックライトをメインにするのに対し、LG電子は直下型LEDバックライトを採用しつつ、薄型を実現したデザインを訴求していました。

 韓国勢同士で微妙に異なるアプローチになっているんですね。

 3D(立体視)に対する姿勢なんかも、LG電子とサムスンとでは微妙に対応に対する意気込みが違っていて、LG電子の方は、一部のハイエンドモデルに採用するのみで、やや消極的といった風情です。

 プラズマはサムスンもLG電子も「日本がまだやっているからうちもまだやる」って言う感じで、技術革新のアピールは少なく、ラインナップもそろそろ寂しくなってきましたね。

 有機ELはどうかというと、ソニーは2007年末に世界初の有機ELテレビの「XEL-1」を発売して以降、業界全体として有機ELに対してのアップデートが昨今少なめな感じです。

 日本の映し鏡とも言える韓国勢も同様で、サムスン、LG電子、共々、有機ELの展示は行っていたものの存在感としては地味な感じでした。

 韓国勢にはぜひとも有機ELの世界最大インチサイズ競争は展開して、日本メーカー勢に活を入れて欲しいところなんですが、やっぱり、有機ELの大型パネル製造はまだまだ難しいようです。

 技術的には大型パネル製造の要であるレーザー蒸着による有機物の画素形成は可能になっていますが、コスト的に難しいといわれています。

 今やテレビは「画質がよいことよりも安いことが正義」ですからね。

 今後しばらくは、大型サイズディスプレイパネルの分野において、液晶やプラズマに有機ELが置き換わることはなさそうですねぇ。
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