三菱「RDT231WM-X」。西川善司がその実力を検証!

 三菱のマルチメディア対応ディスプレイの「RDT231WM-X」を評価しました。

rdt231wm-x.jpg
MITSUBISHI Diamondcrysta WIDE RDT231WM-X 西川善司がその実力を検証!このエントリーを含むはてなブックマーク
http://ad.impress.co.jp/special/mitsubishi0911/



 基本的に、ボクは記名原稿のタイアップ企画の場合、画質的に満足行かない製品には参加しないようにしています。

 三菱のRDT231シリーズは色々出ていますが、過去にTN型液晶タイプの価格重視のモデルのタイアップ企画を提案いただいたときには、お断りしたことがあります。

 今回、RDT231WM-Xは記名原稿として了承したことからも分かるように、結論からいうと、画質的に納得のいく製品だったということです。

 RDT231WM-Xは、23インチサイズの1920×1080ドット、フルHD解像度のIPS液晶パネルを採用したマルチメディア対応ディスプレイ製品になります。

img_photo15.jpg

 DVI-D端子、Dsub15ピン端子を備えたPCディスプレイとしての基本ポテンシャルを備えつつ、2系統のHDMI端子も備え、デジタルビデオディスプレイとしての能力も兼ね備えています。

 D端子は単体として実装されていませんが、Dsub15ピン端子を付属のアダプタケーブルを用いて変換してやることでD端子入力として利用できます。

 小径ながらスピーカーを内蔵しているため、HDMI経由の音声、あるいは別系統で入力させたアナログ音声を再生することにも対応していて、いわゆる本体のみでAVモニター、あるいはゲームモニター的な活用ができます。

 ホットトピックは超解像技術を採用しているところですが、超解像処理を、フレームバッファではなく、数十ライン分のラインバッファ内の探索に限定させることで、超解像技術を入れても、表示遅延時間を数十ライン分以内に抑えています。

img_photo01.jpg

 逆にいうとRDT231WM-Xには、表示遅延低減モード(いわゆるスルーモード)はありません。

 なくても、表示遅延時間が1フレーム未満であるため、あえて搭載していないというわけです。

 超解像処理の複雑度で言えばフレームバッファをもつ東芝レグザなんかのほうが上ですが、RDT231WM-Xでは、パフォーマンスとレスポンスの方を重視したと言うことなんでしょう。

 超解像については、ボク個人的な感想としてはSD映像に良く効くと感じました。

 SD映像では強めに、HD映像には軽く掛ける程度がよいと思います。リモコンで超解像レベルは上げ下げできるので、好み合わせて調整するというのもアリでしょう。

 一応参考までに、超解像処理をOFFにした時と、超解像処理を最大設定にしたときの比較映像を下に示します。

img_photo08.jpg
 ちなみに、映像はXbox360版の「ベヨネッタ」です。


x_img_photo03.jpg
超解像処理OFF設定


x_img_photo08.jpg
超解像処理最大設定


 また、残像低減技術として倍速駆動技術は搭載していませんが、その代わりに、「オーバードライブチェンジャー」と命名されたコンフィギュラブルなオーバードライブ回路が搭載されています。これには、一般的なオーバードライブ回路の、さらに1.5倍まで液晶応答速度を引き上げた特殊モードが備わっているのが特徴的です。

 倍速駆動技術による残像低減は、とても映像がなめらかには見えますが、ゲーム映像に対して適用すると滑らかすぎて何となく不自然です。

 また、補間フレームを挿入するために表示遅延が避けられないですし、さらに、補間フレームに含まれるエラー画素がピクセル振動などを引き起こし、ゲームプレイには不都合が出る場合があります。

 しかし、RDT231WM-Xの応答速度最優先の「3.8ms・OD2」モードでは、ドット単位にスクロールするレトロゲームの背景などが、ホントにドット単位に移動して見えるため、いうなれば、とてもブラウン管チックな見え方をします。

 このRDT231WM-Xの「3.8ms・OD2」モードは音楽ゲームや格闘ゲームなどにも適していると思いますね。

 液晶パネルは前述したようにIPSパネルなので、視野角については申し分無し、発色も良好でした。

 RDT231WM-Xは、ここまでの要素を詰め込んで、発売直後の実勢価格はなんと5万円を割り込んだ4万6000円台。

 同系デザインでTN型液晶パネルを採用した超解像なしのRDT231シリーズ最下位モデルのRDT231WLMは2万2000円ですので、メインディスプレイをRDT231WM-Xにして、左右のサブディスプレイをRDT231WLMでまとめる…というのもいいかもしれません。

 レッツ、多画面!



一般 | comments (6) | trackbacks (0)

Comments

Sohma | 2011/05/16 10:06
そういえば、今度RDT233WX-3Dが出ますね。これとPS3とTorneで「ブルーレイ3D対応地デジ録再機」が10万円以内で実現できそうです。

231とたいした違いはなかった232でしたがRDT233MX-3Dはだいぶ変わった様子。こちらの評価もお願いしたいところです。
Aki | 2010/06/29 23:04
商品の動向など興味深く拝見しました。全部入りへの道のりは遠そうですね。

個人的には小型テレビへの注文は二点あります。
・1980→1366のスケーリングは正直厳しい
・sRGB(CRT)色域の映像を広色域パネルに映したような色転びが散見される
(白い雲だけ赤転びする等の症状)

後者は小型機にも良いパネルが来ているということなのでしょうが難しいものですね。
西川善司 | 2010/06/29 15:52
K3シリーズというのがあったんですね
たしかに22インチでフルHDですね
Sohma | 2010/06/29 15:18
>>昔シャープが22/26インチとかのフルHDアクオスを出していましたけど、ああいうのがリバイバルして欲しいですね

今KシリーズだったかKEシリーズで出してたような。TNパネルなので論外ですが。
西川善司 | 2010/06/27 19:12
フルHD×IPSの20インチ前後のレグザは、東芝に要望として出しているのですが、なかなか難しいようですね

そろそろ、「20インチ前後はフルHD不要論
」は古いと思うんですよね。

昔シャープが22/26インチとかのフルHDアクオスを出していましたけど、ああいうのがリバイバルして欲しいですね
Aki | 2010/06/27 02:58
いつも楽しく記事を読ませて頂いております。
さて、こちらのレビューやユーザーの口コミなどを参考に、RDT232WX-Sとレグザチューナーでテレビを組んでみました!モニタについてはレビューの通り、フルHD+IPS+応答速度改善(+グレアetc.)の全部入りが凄かった。特に精細感には驚きました。このコンセプトのテレビが出てくるといいのですけれど。

Comment Form

icons:

Trackbacks