西川善司の大画面☆マニア第105回 EPSON「EH-TW4000」

 最近はテレビ製品紹介や技術詳解が続いた大画面☆マニアですが、久々にプロジェクタ製品紹介シリーズに戻ります。

 秋冬はプロジェクタ製品の新製品ラッシュでもあるんですよね

 大画面☆マニア原点回帰の第一回目は、毎年、プロジェクタ画質のベンチマーク的存在になるEPSONの新製品から。

 長らく使ってきた型番EMPを捨て、EH型番に改めて新シリーズ展開を試みるEH-TW4000です。

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西川善司の大画面☆マニア第105回
透過液晶のコントラストも遂にここまで
~ 生まれ変わった“dreamio” エプソン「EH-TW4000」 ~

http://av.watch.impress.co.jp/docs/20081218/dg105.htm

 EH-TW4000の液晶パネルはD7/C2FINEパネルのリファイン版になっており、これによるホットトピックとしては「倍速駆動」と「極まったコントラスト性能」の二つが挙げられています。

 その倍速駆動ですが、ロジックはHQV Reon-VXとなっており、他社製です。
 倍速駆動の根幹となる補間フレーム生成アルゴリズムは日本のテレビメーカーだと独自に開発しているところが大半で、しかも今はロジックとしても二世代目以降に進化してきたこともあって、だいぶ、補間フレームにおけるエラーの低減がうまくなっているのですが、EH-TW4000は、この部分の品質があまり高くなかったですね。

 記事でも紹介しているような補間フレームアルゴリズムをいじめるテスト(笑)をやると、最近の製品にしては珍しい、こんな感じの糸引きノイズが強く出てしまいます。

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 まぁ、でも、倍速駆動は"ギミック"みたいなもんなのでオフにして使えばいいんです。

 HQV Reon-VXは24fpsの映画を2-3プルダウンせずにネイティブ24fps表示する4-4プルダウン(96Hz)モードを持っているので、こちらを利用すればOKでしょう。

 さて。むしろEH-TW4000の最大の魅力は「倍速駆動」よりも、透過型液晶とは思えない圧倒的なハイコントラスト感にあると思いますね。

 ピーク輝度は1600ルーメンという高輝度ぶりでありながら、暗部はかなり沈んでおり、LCOSやDLPに負けていないネイティブ・コントラストを実現しちゃっているのです。

 なにしろ、EPSON自らがダイナミックコントラスト機構の動的アイリスをデフォルトでオフにしちゃってるくらいですから相当な自信なんでしょう(デフォルト・オンはダイナミック画調モード時のみ)。

 LCOSやDLPにはまだ高開口率という武器がありますが、100インチ程度の画面サイズだと投射映像にあまり大きく影響しないので、透過型液晶でも実質的にはデメリットはありません。

 つまり、LCOSやDLPもこの部分において追いつかれつつあるのでうかうかしてられないというわけです。

 ちなみに一斉を風靡したDLPは、ホームシアター機の分野ではコストパフォーマンス的な弱さからマニア向けとなってきてしまったため、絶滅危惧種になってしまっています。

 LCOSの方は今年、ビクターとソニーが2機種ずつ出すという強気の攻勢に出てきているので、これからのホームシアタープロジェクタの主戦場は透過型 対 LCOSという図式になっていくことでしょうね...



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