テクスチャマッピングに変革をもたらす「Ptex法」とは? 無駄なメモリ消費を減らす技術の正体に迫る

 最近、ブログ更新が滞っています。すみません。

 いまだにCEDEC2014の記事のフォローをしていますからね。

 今回は、NVIDIAの竹重雅也氏が講演した「リアルタイムレンダリングにおけるPtex手法について」セッションのレポートのフォローです。

 今では「リアルタイム向けではない」と言われる技術も時間が経つと当たり前のように、実用化されているのがグラフィックスの世界です。

 GPUに盛り込まれるホットトピックな機能としては、DirectX11世代から提供されたテッセレーションステージとかGPGPU(GPGPUそのものはDirectX9世代からありますが、現実的な実用化はDirectX11世代から)が最後で、以降、革新的な機能は出てきていません。

 次世代DirectXと呼び声の高いDirectX12も、実際の所はAPI構造リファインでしかありませんし、新境地開拓…的な機能は今のところ発表はされていません。

 とはいえ、先端研究分野では、色々進められているようで、筆頭の1つがプログラマブルレイトレーシングアーキテクチャーで、もう一つは、新しいテクスチャマッピング技術の「PTEX」です。

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テクスチャマッピングに変革をもたらす「Ptex法」とは? 無駄なメモリ消費を減らす技術の正体に迫る
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http://www.4gamer.net/games/999/G999902/20140915003/

 CEDEC2014では、NVIDIAの竹重雅也氏(Developer Technology Engineer,NVIDIA)が、CEDEC2012ではAMDの原田隆宏氏(Senior Member of Technical Staff,AMD)が、「PTEX」のリアルタイム実装についての講演をしています。

 詳細については記事の方を見てもらうとして、簡単に言うと、PTEXはCG映画スタジオのWalt Disney Animation Studiosが2008年に発表したUVマップ展開いらずのテクスチャマッピング実装システムです。PTEXは「Per-Face Texturing」の略で、小さな四辺形の単位テクスチャを3Dモデルを構成しているポリゴンに対して貼りつけていくような考え方です。

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 現在はGPUのハードウェアサポートがないため、AMDの実装法もNVIDIAの実装法も「デモのためのデモ」っぽい感じはぬぐえませんが、ただ「PTEXのメモリ効率のよさ」は実証できていました。

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 テクスチャメモリの無駄な未使用領域を5分の1以下に減らせられるのは、ゲーム機やスマートフォンのような、メモリリサイズに明確な上限がある組み込み機器向けにはありがたい技術と言えます。上の画像は、原田氏の講演時のものですが、「PTEXでは、テクスチャメモリの未使用領域を7%にまで削減できている」ということを表した図版です。

 逆に現行のテクスチャマッピングシステムでは約30%~40%のメモリ領域が無駄になっていることに驚かされますよね。

 オフラインCG技術がリアルタイムに降りてくるのは、たびたびこれまでも起きていることなので、近い将来、「PTEX」がGPUの新機能に実装される事があるかも知れませんね。
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