今年もCEDEC2014でパネルディスカッションをやります

 今年もCEDEC2014でパネルディスカッションをやります。

 9月4日(木)の16:30から、メインホールで行われます。

西川善司のゲーム開発マニアックス「グラフィックス編」2014
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http://cedec.cesa.or.jp/2014/session/ENG/2084.html

 当日のセッションで用いるスライドは完成しだい下記のリンクをアクティブに致します。

http://z-z-z.jp/zenji/gp2014.zip
https://dl.dropboxusercontent.com/u/42507872/gp2014.zip

 今年のトークテーマは、パネリストの方達と相談した結果、以下の3つになりました。

スライド3.JPG

 「物理ベースレンダリング」は昨年のアンケート結果で取り扱って欲しいテーマとしてトップにあったものです。

 「仮想現実(と拡張現実)」「レイトレーシング」は未来の話題に思えて、意外に直近の未来っぽいテーマっぽいよ…ということで決定しました。

 「仮想現実(と拡張現実)」はHMDに強く関連したテーマですが、HMD向けのレンダリングテクニックが3D立体視でのテクニックが使えないね、どうしようか…という話題を取り扱います。

 「レイトレーシング」はUnity5がレイトレーシングに対応しちゃったので、見ておかないとまずいよね…という感じでテーマとして決定しました。

 パネリストは以下の方々です。

スライド2.JPG

 高橋さんは、バンダイナムコスタジオのトップエンジニアで、世界の技術動向を広く深く見ていらっしゃる方です。なんでもかんでもオールマイティに詳しい方で、聞けば何でもわかる人(笑)。ボクにとっての先生みたいな人です。

 横川さんは、SCEのエンジニアです。「Gravity Daze」を手がけたことで有名な方ですが、PS4 CAMERA対応ARアプリ「THE PLAY ROOM」を手がけ、最近ではVR型HMDの「Project Morpheus」関連の研究もされているようです。

 川瀬さんは、日本のプログラマブルシェーダ技術の夜明けを作り出したエンジニアとして知られ、ボクは「CG界の坂本龍馬」と勝手に呼ばせてもらっていますが(笑)、今回は物理ベースレンダリングのご意見番としておよびしました。

 竹重さんは、NVIDIAのエンジニアですが、実はバックグラウンドはバリバリのゲームプログラマで、ハードウェア(GPU)アーキテクチャとゲームグラフィックスの双方に詳しく、現在は日本のNVIDIAの技術的な窓口を務めてらっしゃいます。

 原田さんは、AMDのエンジニアです。元々HAVOKのエンジニアで、CGも物理的な視点で捉えている方です。最近はレイトレーシングの研究をされていて、この夏、SIGGRAPH2014で新レイトレーシングエンジンを発表されました。

 今回は、パネリストの人数が多いので、例年よりもテーマを絞ってみました。

 このセッションは生中継も行われるので興味がある方は是非ご覧下さい。
講演 | comments (3) | trackbacks (0)

Comments

スガノ | 2014/09/10 12:43
表現手法の1つとして捉えるということですね。

ありがとうございました。
西川善司 | 2014/09/08 08:48
ありがとうございます。
物理ベースレンダリングやレイトレーシングは、表現を狭めるというよりは使える絵筆やキャンバスの選択肢が増えることなのかな、というふうに考えています。

ドット画全盛時代に3D化の波が押し寄せてきたときにも似たような事は言われました。音楽の世界で言えばリズムマシンやサンプリングマシンが出てきた1980年代後期、「音楽は死んだ」とも言われましたが、結果、ダンス系、エレクトリック系はこのタイプの技術がなければここまで進化できなかったですし、デジタル技術がアナログ音楽の世界にもフィードバックされていますし。

まあ、必要なことは、技術の適度な理解(完璧じゃなくてOK)と、使いこなす技量とアイディアなのではないかな、と。結局。

 ただ、パラダイムシフトが起こることに恐怖を覚えるというのは理解できます。

 ゲームも音楽も映画もお客さんありきの世界なので、お客さんのニーズが結局は一番大事なので、そこにも気を配りつつって感じですかね。
スガノ | 2014/09/07 15:02
ニコニコのタイムシフトでみました。
リアルで見たかった・・・

今のリアルタイム、リアルレンダリングのフェイクレンダリングのその先にレイトレがあると思うんですが、ゲームって、アーティスティックな表現、フェイクな表現と言うより、誇張した表現だからこそであって、レイトレでリアルを表現することで得られるものって、そんなに多くはないように思います。
アーティストがプレイヤーに見せたいもの、感じさせたいものが重要だと思います。

VRは早く実現して欲しいですね。

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