ウィーゼル製作所物語をリクエストに答えて本ページにも転載したので読んでみたい人はどうぞ。
1/8 エミュレータソフトの市販化の話
アップルのマッキントッシュでWindows98とそのソフトが動いてしまうエミュレータを開発販売しているコネクティクスが、今度はなんとマックでプレイステーションのゲームがプレイできるエミュレータを販売するらしい。価格は米$49とのこと。製品名は「バーチャル・ゲームステーション(Virtual Game Station)」。
こうした汎用性を持ったゲーム・エミュレータが比較的メジャーなメーカーからリリースされるのは極めて異例なことだ。こうしたエミュレータ系のゲームソフトというとナムコからリリースされている「ナムコ・ヒストリー」シリーズが有名だが、あれは各ゲーム基板のハードウェアをソフトウェアでエミュレートして再現したものであり、あとから別のソフトデータ(ROMイメージ?)を入れ換えて別のゲームをプレイしたりすることはできない。「見かけ上」は純粋な「移植ソフト」という位置付けになっている。
バーチャル・ゲームステーションではマックのCDROMドライブにプレイステーションのゲームソフトCDROMを入れればそのままゲームが動いてしまうというものなので、かなり汎用性が高く、プレイステーションというハードウェアの地位を揺るがしかねない。
コネクティクス側は「ソニー、プレイステーションのテクノロジーの応用は一切おこなっていない。純粋なオリジナル商品」とのコメントを発表しているものの、ソニーは法的措置を視野に入れた反撃に出る模様。多分、秋葉原などでは問題が激化する前に早々と輸入販売がなされることだろう。
一方、コネクティクス側は「反響によってはDOS/Vパソコン版の開発もありうる」としており、このタイプの製品をどんどん投入してくるようなニュアンスを漂わせている。
なお、関連情報は以下のサイトにもあるので興味のある人はどうぞ
http://cnet.sphere.ne.jp/News/1999/Item/990107-2.html?mn
http://www.zdnet.co.jp/gamespot/news/9901/07/news01.html
話は少し変わって。
巷では、ネオジオCDのソフトがそのままDOS/Vパソコンで動いてしまう「ネオジオ・エミュレータ」なるものが正式に製品化されるという噂がある。現在ネオジオのソフトはNEORAGEやMAMEのNEOGEO版などのアンダーグラウンドなエミュレータソフトを使うとDOS/Vパソコンでもプレイできるが、この製品はそれらとは別のものらしく、SNKのバックアップで某アマチュア団体で開発されているとか。
まったくの未確認情報だが、たしかに、新世代ネオジオである「HYPERネオジオ64」がどうひいきめに見てもコケている現在、SNKが売れるものといったら既存のソフトウェア資産だけだ。再版コストが安いCDメディアのネオジオCDのソフトが再び売れるようになればSNK側は害どころか恩恵にあずかれる。アンダーグラウンドのエミュレータはソフトも違法に無料コピーされてユーザー間でやりとりされてしまうが、この場合は「ソフトが買ってもらえる」のでSNKのメリットも大きい。
今後どうなるか、ちょっと楽しみだ。
なお、アンダーグラウンドなエミュレータソフトの入手方法などの質問には一切お答えできないので、あしからず。
1/20 ポピュラス・ザ・ビギニング攻略本執筆中の話
ちょっと最近スケジュールがオーバーラップしすぎている。もはや1人の人間のスケジュールではなくなっているぞ…。多分誰かに多大な迷惑がかかるだろうな。Oh!X2号の原稿は一文字も書いてないので落ちるかもしれないし、DOS/V magazineの特集原稿は一体どうなっちゃうんだろう…。
原因は楽に終わるだろうと思っていた「ポピュラス・ザ・ビギニング」の攻略本の監修の仕事。ほとんど書き下ろし状態なのだ。DOS/V magazineのページ数でいうとおそらく150〜200ページ分くらいになりそう。それでいて原稿料はその半分だから(重版されればおいしくもなるのだが…)、ちょっとヤバイ感じもする。
もともと、この攻略本は、アメリカの攻略本の和訳の監修だったのだが、翻訳者が渡してくる和訳文が高校受験レベルの品質なのと、書いてある内容がしょうもなくて、とてもじゃないが私の名前なんか載せたくない内容なのだった。でも、ひきうけた以上は「監修:西川善司」とでてしまうし、こちらにもメンツってモンがあるのでしかたなしにほぼ90%書き下ろしで書いている。
したがって載っているテクニックや戦略の数々は全部オリジナル(「シャーマンを速く歩かせる」裏ワザとか「シャーマンを転生の地に閉じ込めてしまう」極悪ワザなんかも発見したんで載せてます!)。ポピュラスやっている人はぜひ読んでね。
ゲームの方は、相当おもしろいので、やってない人はすぐ買ってはじめるように。すでに待望の日本語版が発売されている(下はパッケージ写真)。
一人プレイはパズル的なゲーム要素が強いので、普段ゲームをやっていないような人にもお勧め。人との対戦はストラテジーゲーム的な側面が色濃く出てくるので、これまた別の面白さが楽しめる。ポピュラス・ザ・ビギニングはいちおうポピュラスシリーズの3作目だが、ゲームはほとんど別物になっているので1&2をしらなくても大丈夫。面白さは私が保証する。
しかし、このゲーム、もうちょっとヒットしてもよさそうなもんなんだがなぁ。
対戦サイトhttp://www.populous.netには執筆内容の確認も含めて私もよく出没しているのでみかけたら声をかけてください。
23日にドクターパソコン宮永好道氏が心筋梗塞でお亡くなりになったそうである。
MZ-2000を持ってもいないのに、宮永さんの顔が粘土細工で描いてある活用本を買って持っていたのだが、見つからなかった。この表紙の粘土細工の宮永さんの顔が特徴を捉えていておもしろかったのでぜひ紹介したかったのだが残念。そういうわけで、古いマイコンBasicマガジンに掲載されていたMZ-1500の広告から。
ソフトバンクの某編集部にももときどき来ておられたようだったので、一度挨拶がしたかったなぁ。
心よりご冥福をお祈りいたします。
1/29 メジャーでマイナーな規格の話
DOS/V magazineのDVD関連の特集に参加した。ポピュラスの攻略本を中断しての参加。
PCでDVD再生する環境について徒然なるままに書きまくる。
さて、「PCでDVD再生してなんか楽しいことあるの?」という質問はごもっとも。実はおおありなのだ。詳細は特集記事を参照して欲しいが、魅力の一つはやはり海外DVDソフトが再生できるという点。
DVD-Videoソフトにはリージョンコード(リージョナルコード)と呼ばれるプロテクコードが書き込まれていて、プレイヤー側のリージョンコードとソフト側のリージョンコードが一致しないと再生できないのだ。たとえば日本国内で販売されているDVDプレイヤーには「リージョンコード=2」が設定されており、日本国内で販売されているDVDソフトには同じく「リージョンコード=2」が書きこまれている。リージョンコードがどういうふうに割り振れているか示した世界地図はここを参照して欲しい。
これには海賊版の広範囲の流出の防止、それと各国の劇場の興行を保護する目的がある。
たとえば台湾(RC=3)で作られた海賊版は日本(RC=2)や中国(RC=6)では再生できない。隣接した国を見事に別コードに割り当てているあたりが絶妙だ。
そしてアメリカでDVDがすでに出てしまっている映画が日本で半年遅れで公開されたりするが、このアメリカ(RC=1)のDVDが日本国内に入って来てしまってもリージョンコードがプレイヤーと不一致になるので再生はできない。映画館は助かる…というわけだ。
今、日本で公開中の「ロスト・イン・スペース」や「アルマゲドン」もすでにアメリカではDVDがとっくに出ていたりする。
「へぇ。海外のDVDソフトなんてどこに手にはいるの?」という話になるわけだが、秋葉原と渋谷に取扱店があるので普通はこうしたお店から買って来ることになる(ちなみにロスト・イン・スペースもアルマゲドンもすでに販売中だった。こうしたお店の詳しい問い合わせ先なんかは今度のVmagを見ていただきたい)。インターネット通販を利用する手もあるだろう。
で、PCでDVDを再生する場合、このリージョンコードをある程度自由に設定できるのだ。具体的にはソフトのインストール時に「リージョンコードを設定してください」みたいなダイアログが出てくるので、見たい区域のリージョンコードを入力すればOK。国内向けのDVDプレイヤーをもっているならば、PCを海外ソフト再生専用マシンにしてしまえばいいわけだ。
で、問題はその再生方法。通常はDVD-ROMドライブとDVDデコーダーカード(MPEG2デコーダーカード)があればいいわけだが、問題はDVDカードの方。
どのカードもPCのディスプレイへ映した場合の画質がいまいちなのだ。S端子出力でテレビに映す場合はどのカードの画質も似たり寄ったりのそこそこの画質なのだが、せっかくのDVDのデジタル・ノンインターレースの映像をアナログのインターレースでみるのはなんとももったいない。せっかくうちにはプロジェクタもあるわけだし、ぜひともPCベースで最高の画質をえられないものか、と去年はだいぶリサーチをかけたのだがどのDVDカードの映像も満足できず。
やはりアナログオーバーレイ方式のDVDカードだと、もうそれだけでPCの映像が汚れるのでダメ。
デジタルオーバーレイのHARDWARE CINEMASTERは画質は最高だったのだが、ドライバソフトがリージョンコード固定仕様なので、やっぱりダメ。
今回のVmagの特集で集めたカードでも、「これはいい」と思わせてくれたカードはかなしいことに皆無だった。
結局、私は秋葉原の輸入ショップで色差出力端子(コンポーネント端子ともいう。映像を色差表現で伝送する端子。輝度YとB-Y,R-Yの信号で表現する。パソコンのアナログRGB出力に極めて近い品質の映像が出せる)のあるパイオニア製米国仕様のDVDプレイヤー「DV-414」を選択してしまった。色差出力自体はインターレースだが、プロジェクタ側でプログレッシブに戻してくれるので問題ない。結局、ロスト・イン・スペースもアルマゲドンもこれで見てしまったのだった。
「最近流行してるソフトウェアDVDプレイヤーはどうなの?」というアドバイスもあるだろう。たしかにこれは基本的な原理はデジタルオーバーレイのようなもんだから、画質はかなりいい。ソフトDVDプレイヤー「SoftDVD」、「PowerDVD」は画質はそこそこってとこだったがSOFTWARE CINEMASTERは最高の画質だった。映像に関してはこれで文句はないのだが、問題はサウンド。せっかくのDVDの6(5.1)チャンネルのデジタルサラウンド音声が2チャンネルのアナログサウンドにミックスダウンされてしまうのだ。ちなみに、現時点ではソフトウェアDVDプレイヤーでDolby Digitalをデジタル出力してくれるものはない。結局、画質がよくても音がダメだったわけ。
やたら前置きが長い話になった。本題はこれから。今回の特集で取り上げDVDカードの中でPCMCIAカードタイプのDVDカード「DVD-to-GO」(バーテックスリンク)があったのだが、これが動かせる現行のノートPCというのが非常に少ないことが判明したのだ。結局、Vmag編集部にもこのカードが要求するハードウェア仕様を満足したノートPCがなく、時間的な問題もあってテストを断念。
さて、その「要求」とはなにか。
実はなんてことはない「ZVポート」だ。「PCMCIAカードスロットが『ZVポート』に対応していること」というのがDVD-to-GOの動作必要条件だったのだが、このZVポート対応のノートPCがあまりないのである。
対応機種はDVD-to-GOのサポートページに載っているのだが、とにかく最近発売されているノートPCにZVポートに対応している機種があまりないのだ。「そんなばかな!!」と思うのもごもっとも。「PCカードの高速バスとして鳴り物入りで登場したこの規格がなぜ?」という感じだろう。
DVD-ROMドライブを搭載しているようなマシンはZVポートを持っている場合が多いが、最近の一般的なノートPCのPCMCIAカードスロットは「CardBus」対応ではあるが「ZVポートは未サポート」という機種がほとんどなのであった。これはびっくり仰天。
クリエイティヴが提唱した、PCIサウンドカードでISAサウンドカードとの互換性をとる「SB-Link」という規格も大々的に発表されたものの、今一活用されておらず、「メジャーでマイナーな規格」の代表格という感じだったが、この「ZVポート」もなかなかの「忘れられがられやさん」である。。
こういう「有名だけど今一活用されていない規格」ってPCの世界って探すといろいろあるかもしれない。
うーん。とりあえず予備軍はIEEE1394とUltra 2 Wide SCSIってところか。はたして…?
(他にもなにかおもしろいのがあったら掲示板にでも書きこんでください)