8/1 パソコンGPSの話

 インクリメントP社製「MapFanII The GPS KIT」とI・Oデータ機器製10倍速コンパクトCDROMドライブ「CDPS-PX10」を借り受け、レッツノートと組み合わせてパソコンGPS、すなわちパソコンカーナビ(?)に挑戦してみた。

 3つ以上の衛星からの電波を受けて自分の所在位置を地図上に示すものだが、市販されているカーナビとは違い

1.トンネルなどに入ると自分を見失う

2.道路の上にいてもその道路とはまったく違う場所(誤差範囲10m〜500m)に入ると表示されたりする。

3.「どこそこをどっちへまがってください」みたいな音声ガイドはない。

4.一応進行方向はやじるし表示されるが、それはこれまでの移動経緯から割り出されるものであるため、2.の欠点との兼ね合いからとんでもなく見当違いの方口を矢印が向いているときが有る。

5.進行方向とは無関係に常に地図上で「上が北」になってしまう。

といった欠点が有る。

 とはいうものの、現在自分がどこにいるかというのが分かるだけでも相当便利なものだ。これが実売価格4万円以下で手に入るシステムならば結構欲しくなってしまうと思う。

 実際にどの程度使えるのかを試してみた。(この体験記は9月号以降の(DOS/V magazineのTESTER'S GO ONというコーナーにも執筆するつもり)

 ただ、実際に使ってみて、新たな欠点が見つかった。

 まず、ノートパソコンのバッテリーがもたない。PCカード経由でGPSアンテナやら、CDROMドライブを動かしているせいも有るとは思うが実質2時間も動かない。途中でバッテリーが切れると、それまで完全にこれに頼ってきただけにショックは大きい。ノートパソコン用カーアダプタのようなものが出ていればいいのだが、なかなかメーカー製純正はないし、むずかしいところだ。

 次に見づらいという点。冒頭で挙げた欠点項目5.とは違い、夏の太陽が降り注ぐ昼間では、液晶画面が暗くてPCの画面がぼんやりとしてしまってよく見えないのだ。輝度を最高に引き上げれば何とかなるが、そうなるとバッテリーの寿命はさらに短くなってしまう。また、車載カーナビはクルマのコクピットのフロントパネルに備え付けられているからいいものの、ノートPCだとそうはいかない。助手席に置いておかなければならず、置き方によっては車の発進、停止のときのショックで、席から落ちそうになってしまったり、液晶パネルが閉じてしまったりする(ノートPCは液晶パネルが立つ分、重心が結構高い)。そうなると、交通事故から我が子を守る親御さんドライバーのような心境で、運転中ノートPCをかばうような行動に出てしまうため、この時運転がおろそかになり、非常に危険な状態に陥ってしまう。

 パソコンGPSは本格的な利用にはまだまだ抱えている問題が多そうだ。

(DOS/V magazineの記事はこういう論旨にはならないかもしれないなぁ。不本意ながら、オトナの事情ってやつでさ。)

8/2 NETWORKERS JAPAN'97の話

 パシフィコ横浜で8/1〜8/3に開催されたNETWORKERS JAPAN'97(以下NJ97)に行った。ここ数年毎年開催されているらしいが実際に行くのは今回が初めて。

 会場であるパシフィコ横浜は「山下公園」「みなとみらい」「ランドマークタワー」といった横浜の観光名所に隣接しているためそこそこの混雑を予想していたのだが意外とすいていた。駐車場はパシフィコ横浜敷地内地下のものを利用。当然のごとく有料、それも駐車時間に対する従量制。パシフィコ横浜の利用者には無料もしくは割引優遇などの処置が欲しいもんである。

 さて入り口にはいると入場券売り場が。入場料は700円。安いのか高いのかよくわかんない金額だが、ここでこれを渋ってもなんだかよくわかんない1日になってしまうのでとにかくチケットを購入。

 会場内はスペースは広くとっているものの各ブースの規模はどれも小さい。ド派手な電飾を展開し、コンパニオンのお姉さん達をはべらせた豪華絢爛なブースは少なく、どこも印象としては高校/大学の学園際の出店といった感じだ。それもそのはず、NETWORKERS JAPANというイベントは企業の新製品発表の場というよりは、日本全国のパソコン通信ネットワークの主催者達が一堂に会する場という位置付けなのだ。だからどのブースも「手作り」という雰囲気が漂っている。

 勢力的にいうとやはりNIFTY-SERVEのフォーラム系ブースが一番の占有面積を誇っていた。またここが最も多くの人を集めていたようだ。ブースによっては、集まっている人がお互い顔見知り、あるいはネットワーク上での顔見知りの仲間なのか、和気あいあいを通り越してどんちゃん騒ぎをやっているとこもあった。このあたりは他のコンピュータ系ショーとはかなり違った独特の「味」が感じられて面白い。まぁ行きすぎると「部害者お断り」の「内輪ウケ」パーティになってしまうので、そのあたりは気をつけて欲しいとは思うが。

 もちろん、NJ97には企業系ブースも存在する。しかし、どの企業もその力の入れかたが生ぬるい。ただ、客層が客層だけに、通信メディア系の企業はどことなく気合が入っていた。入り口近くでがんばっていたのはNIFTY-SERVEやNTT InfoSphere、富士通アプリコWebといったプロバイダ系のブース。電飾とお姉ちゃんという、他の素人系ブースではおよそ扱えない、金に物言わせたウェポンを駆使し客を狙い打ち。こういったブースでは「説明のあと素敵な商品が当たります」といってアンケートシートを配りまくって人を集め、客がそのアンケートを書いている間に説明が終わり、待ちに待った抽選会で外れ、結局帰りにサービス・アクセスタイム付きの体験版CDROMを貰うという「どっかのショーでもこんなことあったっけなぁ」というデジャブーな感覚が味わえた。

 左下の写真は会場内のステージで開催された、若手芸人によるお笑いバトル「笑天」の模様。審査員が雑談に夢中でコントをろくに聞いておらず、審査員特別賞が司会に送られ、結局なんだかわけわかんない状態で幕を閉じた。この「笑天」の主催者はA-SYNC(http://www.async.co.jp/)というインターネット放送局。ここのイメージキャラクター「モバイルガール」なる謎のコスプレ女が会場内を徘徊していた。略して「もが」というそうな。ヘッドマウントディスプレイをかぶり、バーチャルリアリティかなんかで使うグローブみたいなものを装着し、東芝リブレットでなにやらカチカチと打ち込んでいる。目立つカッコの割には無口な女である(http://www.async.co.jp/moga/)。

 フラフラとしていると「システムサコム」のブースを発見。このブースではもはや店頭からは姿を消しているレアものの同社製ゲームソフトを500円で販売していた。PC8801mkII SR,MSX,X1,FM-TOWNS,X68000,PC98用の懐かしのパソコン用ゲームタイトルがズラリ。思わず私もX1版「ユーフォリー」、PC98版「パワーシンガー」、FM-TOWNS版「EVOLUTION」などを買ってしまった。X680x0用の拡張ボードなんかも売っていたぞ。

 この後、昼飯を食べにいったん外に出てパシフィコ横浜向かいのマクドナルドに入ったのだが、ここでショックなことが。なんと店内レジの近くにNJ97の無料招待券が山積みになっており「ご自由にお取りください」とあるのだ。ズガーン。しかも、このマクドナルドの裏にある「みなとみらい32番館駐車場」はここで食事をすると、例えジュース1杯でも2時間まで駐車料金が無料になるというではないか。

 来年、このフェアに行きたいと思っている人はまず、このマクドナルドに入ることをおすすめする。なお、NJ97の詳細情報はNJのWebページ(http://www.nwj.or.jp/index.html)で入手できる。(今年のはもう終わっているけどね)

8/17 シンクタップの話

 X680x0の背面にはサービス電源が付いているが、パソコン側の前面電源スイッチがOFFになっていても常時通電している。つまり、ここに周辺機器をつないでも周辺機器側の電源は個別にON/OFFする必要が有るわけで、これを使うことにより得られるメリットは少ない。それどころかあまりここに機器をつなぎすぎると過剰通電になる危険性も有る。まあ、普通のX68ユーザーはここにはX680x0専用ディスプレイTVくらいしか接続していないと思う。

 そんなわけでX680x0にハードディスクやらMOドライブやらをつないでいる人は本体の電源を入れるたびにこれら周辺機器の電源もいちいち入れているんじゃないだろうか。ほとんどのハードディスクドライブは電源スイッチが後ろ向きなので、私なんて電源のON/OFFがやりやすいように後ろ前逆に、電源スイッチ側を自分向きに設置していた。しかし、次第に機器が増えてきて、しかもねリムーバルメディア系の後ろ前逆に設置すると著しく操作性が下がってしまうデバイスも増えてきたので、ついにシンクタップを導入することに踏み切った。

 シンクタップとはふつうの「タコ足」タップとは違い、あるトリガをもとに各コンセントへの電気供給をON/OFFする高機能タップだ。現在シンクタップには以下のような2タイプが発売されている。写真は両方ともオーディオテクニカ製のもので、それぞれ左からATC-NF50R、ATC-NF55Rという型番の製品。

 向かって左はDOS/Vパソコンなどのサービスコンセントへの電気供給を察知して、実際の電気は安定した別口の電源から取るタイプ。「サービスコンセントがあるならばそこから『タコ足』すればいいじゃんか」、と思う人もいるかもしれないが、このタイプのコンセントの意義はやはり冒頭でも述べた、ある1つのコンセントからの過剰供給を防止することにある。サービスコンセントが付いたパソコンに対して安全に「タコ足」できるタップ、というイメージの製品だ。もちろん、このタイプのタップはサービスコンセントがないパソコンに対して使っても意味がない。

 右側のものは、トリガコンセントに接続された機器の電源を入れると、その他のコンセントへの電源供給が始まるというよりインテリジェントなタイプだ。具体的な使い方はこう。まずパソコンの電源プラグをトリガコンセントに差込み、周辺機器のプラグをその他のコンセントに差しておく。周辺機器の電源スイッチはあらかじめすべてONにしておけば、パソコン側の電源スイッチを入れると同時に周辺機器も動き出す、というシステムが構築できるというわけだ。もちろん、こちらのタイプはパソコン側にサービスコンセントがなくても使える。

 今まで導入をしなかったのは(その値段が高い、というのもあるが)これがX680x0に使えるのかという疑問があったから。X680x0は電源OFF時にも、一部のスタンバイ時の機能を有効にするために電気を消費しているので、たとえ前面スイッチをOFFにしても完全に電気の消費を止めるわけではない。X680x0の電源を落としていても「待機中」の証である赤いLEDは光っているし、テレビコントロールが可能なのは、X680x0が電源OFF時にも電気を使っている証拠だ。つまり、トリガコンセントにX680x0をつないでも、タップはいつもX680x0が電源ONと判断してしまうのではないか、という心配があったのだ。

 さて、実際にトリガコンセントにX680x0をつなぎ、タップ上のサービスコンセントにMOドライブ、ハードディスクドライブ、CDROMドライブをつないでみたが、うまく連動することを確認した。ハードディスクドライブの後ろ前逆設置とも今日でおさらばだ。数年ぶりにこのHDDのアクセスランプを見た気がするなぁ。

 というわけで、ATC-NF55RはX680x0でも使用可能ということがわかったのだが、一つ問題が見つかった。

 どうも、ATC-NF55Rのタップ内のセンサーがトリガをONにするかOFFにするかの判断基準が微妙なようで、、X680x0の背面サービスコンセントに何かを接続していると常時トリガONとされてしまうようなのだ。接続している機器がたとえ電源OFFであっても!! 機器の種類にもよるのだろうが、いずれにせよ、X680x0側のサービスコンセントに接続した機器(たとえばディスプレイTVとか?)を使ってしまえばタップ側のトリガコンセントは通電してしまうためトリガはONになってしまう。まぁ、問題というほどの問題ではない。このタップを使う場合はX680x0側のサービスコンセントは使わないほうがいいということだ。

 しかし、電源ONも楽だが電源OFFも楽。こりゃあお勧めだよ。もちろんDOS/Vパソコンユーザーにもお勧め(ってもともとそっち向けにつくらたようなもんなのだが)

8/23 THE LOST WORLDの話

「ストーリー性がないよ。」

「特撮だけだね。」

などといわれたジュラシックパークの続編だったが想像してたよりよっぽど面白かった。

 原作とはぜんぜん違うらしいが、「ジョーズ」や「13日の金曜日」なんかと同じ、恐怖/パニック映画としてみればストーリーはむしろ面白いほうなんじゃないか。

 あれだけ恐い目にあってるのにREXの子供助けたりとか 髭オヤジがヘッドフォンしてたりとか、ラプターへの新体操キック炸裂とか、ラプターから逃れたサラが間髪入れずにマルカムと合流したりとか、島を脱出したその日に社長さん新アトラクションの紹介記者会見開いちゃったりとか、細かいところで「展開がやや強引」という印象もあったが娯楽映画としては文句無しの出来だと思う。恐いとこ恐いし、そう快なところはすごくそう快だし。

 そうそう、8/23の朝日新聞朝刊にこの映画の批評が掲載されていた。

 とほけている評論が2つ。1つはジュラシックパークはB級映画だという評論。この海原純子ってひと、B級映画って「内容がない映画のこと」だと思っているらしい。B級映画とは低予算映画という意味だ。一般に「ターミネーター」はB級映画といわれている(2は違うが)。THE LOST WORLDは制作規模から見てどう考えてもB級ではない(たとえ海原純子の「内容がない」という意見が正しかったとしても)。

 さらに脳みそバーンな批評を藤田恵子なる人物が行っている。

「恐竜の子供を助けたのに、その親が襲ってくるのは解せない。親恐竜は何もしないで帰って欲しかった」

とストーリーに文句をつけている。もし、これ、本気で思っているんだとしたらかなりへぽいヤツである。恐竜は恐竜の思考で勝手に行動しているので、人間の都合なんて考えちゃいない。CGやメカトロニクスのFXだけでなくほんとに猛獣として描かれているからこの映画はリアルなのだ。

 だいたい、もし、この藤田恵子のいうとおり、ティラノサウルスが「このたびは我が子を助けていただきまことにありがとうございました」とかいって人間に感謝して頭さげてスゴスゴと帰っていったら、ちょっと違う映画になっちまうだろう。

 ちなみに、この二人以外(冨田幸光、ヒサクニヒコ)の評論はまともだ。

8/24 勇者ヘラクレスの話

 日曜洋画劇場でやってたアニメじゃない「ヘラクレス」をみて思ったこと。

 新の勇者は、トロイの町へ聖なるコンパスを待たずに単身たどり着いた去勢された奴隷オヤジだ。

8/25 原稿料の話

 毎月25日には原稿料が振り込まれるのだが、今月は散々だった。

 満開製作所からは(手違いで?)600円少ない額が振り込まれ、PC Fanの毎日コミュニケーションズは二ヶ月連続で振り込みを忘れられ、ソフトバンクの広告局からも振り込みを忘れられた。

 とくに毎日コミュニケーションズは今までこちらから催促しないと振り込まれたことがないのは残念である。毎月25日振り込みということで契約したんだからちゃんと約束は守って欲しいものだ。満開も昔そうだったが最近は改善された。

 合計で114,100円も振り込まれなかった。私のような個人でやっているものとしてはたかだかこれくらいの金額でも振り込まれないと日々生活がヤバイのである。(ボーナスもないからな)

 もしかしてライターみたいな仕事をやりたいと思っている人がいるかもしれないので、そういう人にちょっとアドバイス。仕事請け負う前に必ず書面で契約をしておこう。たとえ、どんな小口でも。

8/26 原稿料の話 #2

 PC Fanから謝罪メールをもらった。そこには「大変申しわけございませんでした。今月25日には必ずお振り込みいたします。」という記述。

 もう今日は26日。私がPC Fan編集部へ問い合わせたのが25日午後。

 今まで、一度も期日に振り込まれなかったワケがちょっとだけ分かったような気がしてクラクラした。

8/28 原稿料の話 #3

 PC Fanから連絡がない。

 小額とはいえ、仕事は仕事だし、こういう小額の積み重ねで収入が成り立っているので決して軽視できないのだ。逆に小額なだけに時間をおくとこちらが忘れてしまう可能性もある。面倒だがまた問い合わせなければ。

 PC Fan編集部に電話。担当のA氏が出て、問い合わせたところ「ええと、すでにメールで申し上げたように今月の25日には振り込むように手配しておりまして、それ以上のことは分かりかねます。」という。

 まだ今月が25日を過ぎていることを知らないようだ。

 もしかしてPC Fan編集部は光の速度を超える速さで移動してるのか...?

 なんだか得体の知れないSFチックな空気に飲まれつつ受話器を置いた。

8/29 原稿料の話 #4

 担当のA氏はどうも私のことを面倒くさがっているようなので、PC Fan編集部の経理のものを直接呼び出して問い合わせてみた。すると、初めてこの件に気づいたような口調で応対。

 うーむ...。結構オイラってなめられてんのかもなぁ。

 経理担当G氏はしきりに謝ってくれたが、結局振り込みは来月になるらしい。でも、私は悪くないし、今まで一度も契約どおりの期日に振り込まれていないので、来月は来月でも早いうちにお願いするよ、と頼んで電話を切る。

 果たして、約束は守られるのか....。


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Music : "Along the Seashore/SC88" By Z.Nishikawa