2/1 VSC88Mの話

 ローランドのソフトウェアシンセVSC88M(定価12,800円)を買ってきた。

 言わずと知れたソフトウェアシンセサイザのベストセラー「VSC55W」のニューバージョン。 今回のバージョンからMMX搭載ペンティアムに対応している点が注目されている。

 一応MMXペンティアムマシン以外のユーザーも使用することはできるが、 使ってみた感じではペンティアム133MHz以下では22kHzの再生が実用ぎりぎり といったところ。22kHz以上のクオリティのサウンドを得るにはMMXなしでは166MHz以上 は必須のようだ。

 表立った機能強化点はなんといっても、音色の増加。VSC55Wの226音色+9ドラムセットから VSC88Mでは546音色+15ドラムセットになりいっそう表現力が高まった。 「SC88」の称号を持ちながら演奏パート数が最大16というのはDTMフリーク達の目から見れば 納得のいかないところだが、まぁ、これも次期バージョンには解決されるだろう。 しかし、この音色数の増加はVSC55Wからの大いなるバージョンアップという意味合いも さることながら、ヤマハのソフトウェアシンセサイザ、SYG20を大きく突き放した結果と なったわけで、そうなると今度はヤマハの反撃にも期待が高まる。

 また、結構地味な扱いを受けているが、今回のSC88MにはTVFの機能が実装された点も結構すごいこと。 GS音源がもつフィルター系のパラメータをもソフトウェア・エミュレートするというのだ。 DTM上級者が制作するデータの中には、TVFを巧みに使って、個性的なサウンドを 作りだしているものもあり、そういったデータをかなり実機に近いクオリティで再生できる ということになる。ソフトウェアシンセサイザは音色加工部分がちゃんと処理されないと 「シンセサイザ」の名を語るには少々厚かましい、という印象があったのだが、 今回のバージョンではその弱点さえも克服してしまったというわけで、実機との性能差がいっそう 縮まったといえよう。。

 さて、きわめて個人的なことなのだが、VSC88MをLET'S NOTEにインストールしてみたところ、 なんとうまく動作してしまった。11月〜12月の日記でも触れているが、LET'S NOTEのサウンドチップは モノラル16ビット(あるいは8ビットステレオ)サウンドチップなので、世間のソフトウェア・シンセサイザ は軒並み動作しなかったのだが、なぜかVSC88Mは正常に動作してしまった。パッケージに記載されている 動作条件に「ステレオ16ビットサウンド機能を持つパソコン」とあるのに...。もしかしたら、 非公式な対応なのかも。実はVSC88Mを買って、今のところ最もうれしかったのはこのことかも知れない。

2/5 さよならレッツノートの話

 パナソニックの1.47kgのサブノートPC「レッツノート(AL-N1T513J5)」だが、去年の11月29日に購入して 以来、なんだかんだといいながらも、いろいろと酷使してきた。電池ケースがはずれやすいとか、 サウンドチップがモノラル仕様でソフトシンセが動かないとか、タッチパッドが使いにくいだとか、 液晶のドット落ちが4ドットもあってむかつくとか、いろんな文句をたれてきたが、PCというものは 使えば使うほど愛着がわくものだ。もう、コイツなしでは生きられないという感じ。

 そんな、レッツノート君との愛にあふれる生活を営んでいたある日のこと。レッツノートの ヘッドフォン端子にヘッドフォンを差し込んで、サウンドを聴くという気まぐれな行為を やってみた。すると、音が聞こえない。外部スピーカからは音が鳴るのにヘッドフォンから 音がでないのだ。ヘッドフォンを変えてみても同じ、音がでない。で、何気なく ヘッドフォンのコネクタをたたいてみたところ、音が鳴ったり鳴らなかったりする。 鳴っても、左だけから。本体のヘッドフォン端子の横にはステレオ・ヘッドフォンの絵が 印刷されているが、どうも出力はモノラルらしく、ステレオヘッドフォンの左だけから鳴る というのはおかしくないのかも知れない。だったらステレオヘッドフォンの絵なんかプリントしないで、 イヤホンの絵を描いておけばいいのに。なんかこのへんも詐欺臭いのだが、うちのレッツノートは、 その左からも音が鳴ったり鳴らなかったりするのだから、お話にならない。ガーン。 初期不良品だ...。96年に購入した電気製品はことごとく失敗している...。NECのファックス、 東芝ダイナブック、PDドライブ、いずれも、初期不良か1年以内の故障だ。うちの初代X68000は ほとんど毎日つけっぱなしだが、まだ修理に出したことがないぞ...。最近、日本の電化製品て ちょっと品質落ちているんじゃないの?

 などと、日本の製品品質管理体制に対して人知れず警鐘を打ちならしている場合ではない。 自腹を割いて30万円も出して買ったものが、またしても初期不良とは、もう文句を言わなければ。

 幸い、購入先のソフマップは新品購入後3ヶ月以内の故障は初期交換が認められているので 早速そのシステムを利用すべくソフマップに問い合わせた。回答はもちろんOK。ローテク部分の 初期不良なので「交換じゃなくて修理します」なんて言われたらどうしようかとも思っていたが、 心配は無用だった。

 早速、秋葉原のソフマップ、コンピュータ・クリニック館に持っていったところ、予想もしない 事態が私を待ちうけていた。

 なんと、 レッツノートの在庫がソフマップにない というのだ。よわった...。一瞬落胆してしまった私だが、そのあとの店員の言葉に目を輝かせた。

「修理または返金も可能です。」

なぬ!!

 かくして、レッツノートは永遠の旅に旅立っていき、私の手元には30万円の現金が舞い戻ってきた。

ちなみに、その30万円は、レッツノート購入後に作った借金の返済に充ててしまっため、1日でなくなって しまった。

 さてさて、私は得したのだろうか。まぁ、いずれにせよ、今、突然30万円が空から降ってきたとして、 それがノートパソコンを買うことにしか使えない特殊な30万円だったとしても、再びレッツノートを 買うことはないだろう。さよなら、レッツノート、薄情な私を許しておくれ、アーメン。

2/7 NEWレッツノートの話

 音源スペックが現在の標準的なスペックから、明らかに劣っているLET'S NOTE(AL-N1)。 高性能な音源チップは確かに消費電力が大きいしコスト的な問題もでてくるので 簡単には決定できなかったのだろうが、あの新リブレット(Libretto50)でさえ、SoundBlaster Pro互換の ものを採用しているのだから...。ユーザはこの点についての改良は切望しているはず。

 私の日記をこれまで読んでいる人は知っての通り、現在、巷で流行しているソフトウェア・シンセサイザ というものは、ステレオ16BIT PCM音源(SoundBlaster Pro相当)のハードスペックを要求しており、 私の愛機(だった)LET'S NOTEは去年10月に登場したばかりにもかかわらずモノラル16BIT PCM音源 (SoundBlaster相当)であるため、それらを動作させることができないのだ。

 まぁ、LET'S NOTEを選んで買ってしまったのは、だれのせいでもない、私のせいだし、それはそれでいい。 ちゃんとカタログには「サウンド機能:SoundBlaster互換」と書いてあって「Pro」の文字はなかったんだから。 大抵のノートパソコンがすでにステレオ16ビットPCM音源を搭載しているので、きっとLET'S NOTEも...と 勝手に想像してしまったのは、私の勝手なミスだし、ソフトウェア・シンセサイザなんて必要のない 人なんて大勢いるだろうし。

 ところで今日、LET'S NOTEの新製品が発表になった。CPUがPentium150MHzになってメモリの増設上限が あがってHDDの容量が増えただけのマイナーモデルチェンジだ。なんとなしにそのカタログスペックを掲載した ホームページ

http://media.mei.co.jp:8005/letsnote/faq/prodinfo/004.html

を訪れてみて...唖然とした。

 なんと、音源スペックの項目が記載されていないのだ...。うぐぐぐ。まさか音源機能を削除したと いうことではあるまい。逆に前モデルより上スペックのものを搭載したら、偉そうに強化点として 訴えるはず....。

まさか、 隠した?

 そりゃあ、やっちゃーまずいっすよ、旦那ぁ。

2/11 ピピン・アットマークの未来の話

 日経ビジネスに低価格インターネット端末機、ピピンの話が書いてあった。

当初10万台の売れ行き見込みが大幅に下回り、なんと実際は3万台程度だったらしい。

 ゲゲ、そんなに売れたのか、というのが正直な感想だったりして...。わはは。

 ところがメーカー側のバンダイは長期戦を覚悟して今後も撤退はしない構えという。 今年の10月でセガとの合併を明らかにしたバンダイだけど、ほんとに「長期戦」やるつもりなのかね。 やるんだとしたらセガ・サターンのインターネット接続機能と競合しないようにやらないとだよね。

 しかし、ピピンて、あれ、売り込む層が不明瞭だよな。お金ない若い層は絶対ゲーム機(サターンや プレイステーション)買うし、お金ある層はパソコン買うでしょ。「お金ある」っていったって Pentium133MHzマシンなんか10万円前半台で買えちゃうし。ピピンの49,800円っていう価格設定が、 実に的を外してるというか、まるっきり魚のいない池に釣り糸垂らしているっていうか、そんな感じ。 最近は、ほら、インターネット接続テレビとかケーブルテレビのインターネット接続サービスとか でてるでしょ。ああなると、インターネット機能が付属物って感じになって価値観がぼやけるから いいんだけど、ピピンみたいなインターネット接続機能オンリー(一部のMACソフトも動くが認知度は 低いので世間はこう思っている)の装置が5万円もしたら割高感ありまくりだよね。あと、インターネットは 接続料と電話料がかかって「高い」っていうのがパソコン圏外人の認識だしねぇ。

 あのさ、だったらさ、最近のバンダイのメガヒット商品「たまごっち」にインターネット接続機能 つけたらどうかな? 今すぐ出せば、絶対売れるよ、多少高くても。電子手帳とかポケベルの機能まで 埋め込んだりして。あー、俺、すごい、良いアイディア言っちゃったかなぁ。けっへっへ。 実機できたらモニタやらせてちょうだい、バンダイさん。

2/13 「Z-MUSIC Ver.3.0ムック」祝・週間ベストセラー第1位達成の話

 元Oh!Xライターで、現在も牛のキャラクターをトレードマークにPC FAN他各紙で活躍している(で)氏 より、Z-MUSIC Ver.3.0のムックが「パソコン関連書籍宅配便」調べで週間ベストセラーを記録した という情報をいただいた。

 詳細はここ。

http://www.bookmall.co.jp/best/best20.html

http://www.watch.impress.co.jp/pc/docs/article/backno/r_bokao.htm(通販部門2月に注目)

 なにはともあれ、うれしいものですね。売れたことがうれしいのもあるけどX680x0ユーザーがまだ「生きてる」ってことが特に。

2/14 山積みの話

 上の補足。秋葉原のラオックス・ザ・コンピュータ館の書籍月刊ベストセラーでは17位だった。 しかし、ここではもの自体はもう売り切れていた。

 一方、秋葉原(岩本町)の書泉ブックタワー2階は山積み状態。その量の多さといったら ものすごいのひとこと。わきに同じくX680x0用ムック「EXシステム」まで置いてあったりして、 なんだか、店内のこの一角だけ完全にX68フェア状態だった。

2/23 ペンティアムUの話

 MMX搭載のペンティアム・プロ、これまでコードネームKlamathで呼ばれていたCPUが 「ペンティアムU」という名前に決定したとか。ペンティアム・プロでは2次キャッシュを 内蔵していたためにCPUと同期した高速なキャッシングが行えたのだが、Uでは外に出してしまったようだ。 コスト的な問題からだろうか、いずれにせよ、ちょっと残念。Uでは駆動クロック233MHzオーバーの製品も 登場する可能性が高いので、そうなると現在のプロのような2次キャッシュ内蔵構造でこれを実現すると かなり高価なものになってしまう。インテルとしてはペンティアムの後継を「プロ」ではなく、 この「U」にして、今後は主流をこちらにしていく方針のようなので、そのために単価を下げる努力を することは至極当然の成り行きともいえる。とはいえ製造コストが下がればいずれ2次キャッシュ内蔵タイプ も出てきそう。

 さて、2次キャッシュを外に出したことが原因かどうかはわからないが、秋葉原のパーツショップの 店員の話だと普通のプログラムを実行させた場合は同クロックのペンティアム・プロとの性能向上比は たかだか10%程度とのこと。もちろんMMX対応プログラムではそれ以上の力を発揮するだろうが、なんとなく 拍子抜け。そろそろx86系CPUは速度性能に関しては頭打ちか?

 そんなわけで秋葉原の大手ショップでは早速もうペンティアムU対応のマザーボード(メインボード)が 展示されるようになってきた。秋葉原のショップ「フリップフラップ」ではTekrAm製のU対応マザーP6F40K-A5 の展示、そして予約販売の受付を開始していた。これは現行のペンティアム・プロにも、そしてUへの対応も 保証するマザーだ。DOS/V magazine 3/1号にもカラー広告が出ている。ペンティアムUはソケットに CPUを挿すのではなく、CPUを搭載したサブ基板をメインボードに差し込むような形でセットするため、 このP6F40K-A5もボード上にはCPUソケットはない。そのため現行のプロをこのマザーに挿す場合も サブ基板経由となる。これまで白いソケットがドバーンとでかい顔してのさばっていたものを見慣れた 人にとっては見た目にもめずらしい。

 そろそろ、ペンティアム・プロに手を出したいと考えていたので、このマザーを私もかなり興味を持って 眺めていた。しかし、Uが出たとしても出たばかりのころはきっと10万円は軽く超えるだろうから、 とても手が出そうもない。ならば、このマザーとペンティアム・プロで現時点では妥協しておいて、 いずれはUに...。とはいえ、CPUが市場に出回っていないので、いくら「対応」とはいえベストチューニング されているとは思えないし、いきなりこういうものに手を出すのもなんかなぁ。うーむ。やはり 枯れたペンティアム・プロ対応マザーにしておくのが無難な選択かなぁ。でも、最近登場し始めたMMX対応 (専用)ソフトを動かしたい気もするし...。

 ちなみに現在使用しているマシンはWindows95登場以前のペンティアム133MHzマシンなので、 マザーボード(Micronics製M54Hi)はMMX ペンティアムどころか150MHz以上のクロックにも対応していない。 現時点でアップグレードを考えた場合、私の選べる選択肢はマザーボードの新調しかないので、 そうなると、コストパフォーマンスのよくないMMX ペンティアム&対応マザーなぞに今更買い換えるのは、 やや気が引けるのだ。

 もう少し待つか...。金もないのに葛藤だけは一人前な私...。


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Music : "SMART BOMBER 2/GS" By Z.Nishikawa