12月10日 TH-AE2000の話

西川善司の大画面☆マニア第91回
マニアックな調整機能が凄いフルHD機
〜 D7世代で進化した映像表現「松下 TH-AE2000」 〜

エプソンのEMP-TW2000が先代のEMP-TW1000から大分よくなっていたし、サンヨーもフルHDプロジェクタとしては処女作ながら完成度高かったのでTH-AE2000も期待していたんですけど。

残念ながら期待よりは下のできばえでした。

まず、投射レンズのフォーカス性能がよくなさ過ぎる。
画面真ん中で合わせると外周で滲むし、全体的に合うか合わないかあたりのフォーカスにすると、格子筋低減機構のスムーススクリーンとよいぼかし合いになって、なんというか、CRT三管プロジェクタライクな「ぬったり」とした画調になるという感じ。

次期モデルはこのあたりを改善すべき。多少レンズシフトを犠牲にしても光学性能を高めて欲しいですね。

西川善司的、2007年の透過型液晶フルHDプロジェクタのベストバイはエプソンのEMP-TW2000ということにしておきます。

12月12日 コール・オブ・デューティ4の話

マイコミジャーナル【レビュー】この冬一番の期待作!

 『コール オブ デューティ4 モダン・ウォーフェア』

「CALL OF DUTY」(COD)シリーズは第二次世界大戦上の史実モチーフにした3Dシューティングゲームでしたが、最新作のこのCOD4では21世紀の現代戦をテーマにするというフルモデルチェンジ?を行いました

 ロシアの悪徳武器商人、中東の国際テロリストという二大社会悪を悪役に設定して、タブーの多い現代戦を、うまーく回避して描いています。

 とにかく敵と味方が賢くて、シングルプレイでもネット対戦みたいな雰囲気になっているのは立派。
 あとステージ構成も凝っていて、似たような展開が続きがちな3Dシューティングゲームの中にあってよく工夫されていると思います

 まぁ、今冬商戦、PCゲームでこのタイプのゲームというと「CRYSIS」が飛び抜けて人気なんでしょうけど、あっちが飽きたらこれもやってみては?

12月21日 3Way-SLIとnForce700チップセットの話

NVIDIA,PCIe 2.0&3-way SLI対応の「nForce 700」チップセットを発表

NVIDIAがnForce700チップセットと3Way-SLIをほぼ同時に発表しました。

だれがやるんだか分からないソリューションですが、スーパーカーと同じでテクノロジーリーダーとしての地位確立の意味合いはなくはないですからね。

NVIDIAは1月には新しいSLIのスタイルを発表する予定といわれていますが、DirectX10.1対応のGPUはGDCの頃まで先延ばしになる可能性が高いです。

CRYSISはGeForce8800GTXでもパフォーマンスがぎりぎりですが、次のでまぁなんとか、そこそこにはいけるのかな?

一足早くDirectX10.1対応GPUを投入したATIはマルチGPU on 1ボードをハイエンドのスタンダードに据える戦略に移ります。

DirectX10.1に戦場が移ると、もう一悶着あって楽しくなりそうですが、NVIDIAはDirectX10.1には行かないという説も有力なので…どうなるやら

12月27日 CRYSISチューニングの話

4Gamer.net 西川善司の3Dゲームエクスタシー
PCゲーマーに捧ぐ「クライシス」グラフィックスを120%楽しむ方法

2007年末、ドイツから登場した超弩級・話題作の「CRYSIS」が発売されました。
なんか日本語化も丁寧になされていて発売元のEAジャパンもかなり本気なご様子。

フルオプションのグラフィックスを楽しむためには相当なハイスペックが必要なのは前評判通りで、ボクも

CPU:Athlon X2 6000+
MEMORY:DDR2-800 3GB
GPU:GeForce8800GTX

のマシンを組み上げてプレイしてみたものの、フルHD解像度では30fpsの維持すら難しいという状況。

ロストプラネットライクな極寒シーンと空母甲板上での最終決戦が特に重いです。
CRYSISは、ほんとうにSLIがあると嬉しいかもしれません(笑)

ゲームの内容は予想していたよりも楽しかったです。
FARCRYの突き放した感じも残しつつ適度に親切な組み立てになっているし、今現在の人類の共通の敵と思われる北朝鮮と宇宙人を悪役とする舞台設定も日本では触れづらいテーマだけに爽快です。

北朝鮮相手に地道にミリタリーした後に、後半からSFコンバットという、ゲーム展開としてのダイナミズムもなかなかよくできているし、テーブルから家、戦車、ヘリまで何でもかんでも壊せる上に、敵をズガンズガンとやっつけていくカタルシスのばらまき方も上手です。

日本人のゲーム展開の文法である「雑魚戦→ボス戦」という流れを踏襲していないことは、ゲームクリエイター的な立場の人にとってはいろいろと言いたいことはあるかもしれません。

グラフィックス表現も「あー、これにこの表現か」というテクノロジーデモライクな使い方は気にならなくはないですけど、2007年の3Dゲームグラフィックスってこうなんだなー、というふうに博覧会を体験しているような気分で見ればそれほど嫌気もせず、むしろ感心します。
特に人物表現はハーフライフ2よりも完成度が高く感じます。欧米もののPCゲームにしてはアニメーションシステムがしっかりしているのにも感心しました。

総じて、「なるほど、ドイツ人の作り上げたゲームだなぁ」という感想を抱きました(実際のスタッフは全世界からかき集められていますけど)

年末年始、なにゲームしたいならばこれしかないってところでしょうね。

お勧めです。
少なくとも業界関係者は避けて通れないでしょう。

誉めるにしてもけなすにしても。

12月29日 私の愛したシェーダの話

西川善司の3Dゲームファンのための「2007年の3Dゲームグラフィックス」講座
私が2007年に愛したシェーダーグラフィックスたち

担当編集者から「連載の体裁をしているのに、9月のTGS以来記事があがってないのはちょっと問題ですよ」…的なおしかりを受けて、そんなこんなで2007年の総括を書きました。

いろいろと好き勝手に書いてます。

2007年は、影、HDRレンダリング、法線マップという今世代のの3Dゲームグラフィックスの三種の神器が定着し、次なる表現へ進化を模索しているような感じだったと思います。

2008年はもっとモーションやアニメーションの部分で進化が欲しいですね。

記事が掲載されたあと、「なんで○○のグラフィックスを紹介しないの?
」みたいなご意見をいただいているんですけど、「なかなか全部網羅が難しいんです」とか言いようがないです

ごめんなさい。

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