7月31日〜8月3日 SIGGRAPH2006の話
初日のGPU SHADINGのチュートリアルセッションでは「DirectX10の基本情報整理」が行われた。 開示された情報はほほ、3月のGDC2006と5月のWinHEC2006と同じだが、より整理されて系統立って求められており分かりやすくはなっていた。 DX10の新シェーダ「ジオメトリシェーダ」は、開発者からは歓迎されていてATIもNVIDIAも同時にサポートしてくるのでその普及は意外に早そうだ。 |
|
NVIDIAがSIGGRAPH期間中に、重大な製品発表をするといってきたので「まさか、G80(次期D3D10世代GeForce)が先行発表!?」とおもって期待していって見たら、レンダファームのハードウェアだった。ははは。 PCI-Expressバスを外出しにして接続するGPUボックスで、外付けのQUAD-SLIも可能ということで面白い製品ではあるが、プロフェッショナル向きで価格が200万円から300万円と、どう考えても個人では手が出せなそう。 |
|
Teddyで著名な五十嵐健夫東大助教授がSIGGRAPHでAWARDを受賞。 昨年に引き続き、日本人の業界著名人が受賞したことは、嬉しいニュース。 普段RPGはあまりプレイしない自分だけど、五十嵐氏の基礎研究が活かされたPS2用の「ガラクタ名作劇場 ラクガキ王国」はプレイしたっけ。 |
|
SIGGRAPH看板イベントで毎年恒例のコンピュータ・アニメーションフェスティバルが今年も開催。 今年はゲーム関係作品が少なくて、日本人作家の活躍が目立たない感じでちょっと寂しい。 グランプリ作品は、例によって今年も暗い照明のサッドストーリーが受賞。 私的なナンバーワンは「Racing Beats」という作品。西川善司賞を与えるとしたらこれだなぁ。 |
|
今年のEMERGING
TECHNOLOGIESで一番脚光を浴びていたのは人間とコンピュータのインターフェースの新しい形「U-TSU-SHI-OMI」だったと思う。 これは簡単に言えばロボット内蔵の緑色の人形に3D-CGを合成してインタラクションが楽しめるというシステム。 基礎技術に先進性はないけどアイディアがユニークだ。 今年も、EMERGING TECHNOLOGIESの展示セクションは日本勢が強かったね。 |
|
ミニ万博感覚の一般展示セクション。 SIGGRAPHの展示セクションは1ブース1ブースが小さいけど見どころは結構多い。 PCI-Expressバス接続のPC用CELL搭載アクセラレーションカードとか、ABSプラスチックを使用した立体プリンタとか、今年も「こんなものが製品化されているのか」という驚きに満ちていた。 |
|
まだ、民生向け実用化にはちょっと時間が掛かりそうなハプティックス系技術だけど、今年はちょっと面白い研究が増えていたね。 NTTの引っ張られる携帯電話の振動モジュールなんていうのは頑張れば数年内に製品に組み込まれるかも…とそう思わせさてくれた。 あと、裸眼立体視の新たなる動向が見えてきた。それはボクセル表示ディスプレイという形。 複数の視点から、なおかつ同時に異なる視界を提供するボリュームディスプレイはこれからちょっと面白いことになるかも? 意外にローテクで強引なアプローチなんだけども。 |
|
一般展示で一番人気があって一番商売っ気があったのはInSoeck社の立体プリクラだったと思う。 その名を「3D PHOTO CRYSTALS」というこのシステムは、ガラス柱に立体スキャンした自分の顔をレーザーで立体的に書き込んでしまうもの。1個10ドルで約4分間で作れちゃうお手軽なところもいい。 会場では、実際に、テスト体験販売が行われ、ブースを取り巻くほどの長蛇の列が連日出来てしまっていた。 担当者は日本からも問い合わせがあった…とのことなので、近いうちゲームセンターとかでその姿を見かけることがあるかも…。 |
|
今年も頑張っていたのは、日本発のグラフィックスプロセッサテクノロジーを世界に発信していたDMP社のブース。 プログラマブルシェーダを用いて実現される汎用シェーダをハードウェア化してしまうという逆転の発想を実現した同社のGPU「PICA200」が今年のイチオシプロダクトらしい。 ちょっと驚かされたのは、そのデモソフト製作に、あの業界標準ベンチマークソフト「3DMark」の制作元、Futuremark社を巻き込んでいるところ。 来年のSIGGRAPHではPICA200採用民生機を見られる事を祈っています。 |
|
ピクサーのCGアニメ映画「Cars」の制作秘話セッションのレポート。 なぜ、車を擬人化した際に、目を窓ガラスに配置したのか、自動車物理がどこにどういう形で利用されているか…などなど、Carsの舞台裏を隠すことなく全公開する内容で、非常に興味深い内容であった。 このセッションを見て、映画本編を見たくなったが、日本で公開中のは吹き替え版ばかりで、英語版はごく一部でしかやっていない。 たぶん、このままだとDVDで見ることになりそう…。 |
ATI,世界初のGDDR4対応GPU「Radeon X1950 XTX」を発表 |
ATIが新GPUを発表! …とおもったら、こっちはこっちで完全マイナーチェンジだった。 ハイエンドのRADEON X1950XTXは2GHzデータレートのGDDR4を採用していたり、RADEON X1300XTはRADEON X1600Proそのものだったり…と細かく見ていくとホットトピックはそれなりにある。 とはいえ、みんなの期待はDX10世代GPUにあるのは間違いない。 ATIもNVIDIAも、10月頃に、先行発表会を行うのではないかという見方が広がっているが…果たして…。 |