5月10日 E3 2006の話

 5月、6月とめちゃくちゃ忙しかったので約2ヶ月ぶりにWebサイトを更新。

 今もそこそこに忙しいのでちょっとずつ更新していきます。

 今年のE3の衝撃はやはりなんといってもPS3の価格発表でしょうな。6万円ちょっとの方の低価格モデルはHDMIもないしHDDも20GBなので、久夛良木氏の考えるPS3のスタイルと違う。つぅことは、PSPの時の本体のみ商品がほとんど出荷されなかったと同じで、発売直後は下手すると7万越えの上位モデルしか流通しこない可能性もありか、と。PSPのときと同じで10:1とかの割合とかね。

 マイクロソフトはXbox360の欧米での好調に完全な自信を持っていて、確かに、このまま行くと据え置き型ゲーム機とのしてのトップシェアを獲得するかも知れないよな。汎用型コンピュータとして訴求されるPS3に対してのカウンターパンチのアイディアも(NDAのために今は話せないが)、マイクロソフトが持っていることもどうやらあるみたいだし。そして、これは集めた情報からの確率の高い推測だがXbox360はライバルのPS3発売後に本体のリファインをやる可能性がある。まぁ、HDMIサポートとかは早急にやらないとまずいしね。HDMIサポートしたらなし崩し的にHD DVDドライブ搭載でしょう。

 Wiiはハイビジョン未対応、シェーダ未搭載で本体ハードウェアとしてはゲームキューブ2.0(1.5?)的なアプローチになったわけだが、ゲームプラットフォームとしてのナンバーワンは諦めて、任天堂プラットフォームとしてのシェア拡大を強めていくみたい。つまりサードパーティさんの扱いをお寒くするファミコン、スーファミ時代の再来。実際、サードパーティには「ゲームキューブのSDKで開発しておいて下さい」とかいってるらしいし、実際にサードパーティのWii開発者の方達は「もう開発進んでるのに、コントローラのスピーカ機能をE3の発表で知ったよ(笑)」とかいってたし。

 というわけで、今年のE3はPCではなくコンソールの方が熱くて、私の記事の割合もそっち方面が多くなりました。

ビル・ゲイツ氏がE3初登場で訴えたLive Anywhereとはなにか
〜ハードウェアの垣根にとらわれないネットワーク&ユーザー本意のゲームプラットフォーム戦略

 携帯型ゲーム機、Xboxポータブルについての発表はなし。

 マイクロソフトのXboxコア関係者が誰1人強く否定しないXboxポータブルだが、たぶんInternation CES 2007あたりで発表なのかな。

 E3ではその伏線とも言える「Live Anywhere」を発表。

 Xbox360、PC、ハンドヘルド機をXbox Liveインフラで接続してネットワーク環境では統合化を図って統一プラットフォームにしてしまおうという構想。今「ハンドヘルド機」は実質「Windows Mobile携帯電話」を指しているけど、来年のE3ではXboxポータブルに置き換わっていたり?

3DゲームファンのためのPS3の“真意”講座
「PS3は“ゲーム機”ではなくコンピュータとして訴求されるべきである」

 久夛良木氏とのインタビューが諸事情でキャンセルとなったので変わりにソニーのPS3ソフトウェアプラットフォームのトップの川西氏と会談できることになって。

 やはりPS3の最大の課題は、あの6〜7万という本体価格が 「実は高くないんだ」 と一般の人に思わせるところにあって、そもそもソニーもPS3をゲーム機として捉えていないというそんなあたりをまとめてみた。

 汎用コンピュータとして訴求するのには賛成だけど名前が「Play」stationというのがネックになりそうだよね。ははは。

Vivendi Games/Blizzard Entertainment/Sierra Entertainmentブースレポート

 普通のブースレポート。

 相変わらず、欧米ではGTA3系のクローン・ゲーム(というと怒られそうだけど)が大ブーム。いつまで続くのか。すげえ古い話でたとえるとファルコム全盛時代にイース・クローンが流行ったみたいな状況と似ている(古すぎ!)

 もともとGTA3ってのは、アルパチーノ主演映画「スカーフェイス」が元ネタだったんだけど、Vivendiはその元ネタの版権を抑えることに成功して、そのものずばり「スカーフェイス」というゲームを今回のE3で発表しちゃったというわけ。

 ちなみに、去年、帝国EAは、同じようなGTA3クローンで「ゴッドファーザー」を発表。今年初旬、発売していて中ヒットを記録。

MIDWAYブースレポート
ジョン・ウー三昧のMIDWAYブース。ザ・ロック主演の映画ゲーム
チョウ・ユンファ主演のアクションゲームが登場!

 ジョン・ウー監督がチョウ・ユンファ主演でゲームをプロデュースしちゃいました。

 フレームシティが無き今、ハードボイルドファンはこれしかないよね。

 このマジメにお馬鹿するテイストはアクション映画ファンには溜まりません。

 あらゆるアクションが、ジャッキー・チェンではなくてジョン・ウーのテイストなのです。

 PS3にも登場予定だがファーストリリースはXbox360用に。

 ゲームエンジンがUnreal Engine3.0というのが期待要素でもあり不安材料でもあり…。

AGEIA PhysXブースレポート
PhysX物理シミュレーションアクセレータの実力を目視せよ!

 徐々に盛んになりつつある物理シミュレーションをハードウェア・アクセラレーションしようとするムーブメント。いつか、この物理シミュレーションを標準化する動きが出てくるだろうから、そのときはまた面白いことになりそう。

 ちなみに、この記事の末尾付近のCELLFACTORのムービーはこの業界関係者であれば絶対に見ておいて損はないかと。

 AGEIA PhysX-PPUは一応「ゲームプレイ物理」の方もアクセラレーションされるポテンシャルを持つのだが残念ながら、付属ソフトの「CELLFACTOR」以外は「効果物理」の方しかアクセラレーションに対応していない模様。ゲームプレイ物理のアクセラレーションは素晴らしいことは間違いないが、やっぱ、ゲームメーカーとしてはゲームのプレイ感覚にまで影響を及ぼす対応っていうのは消極的になってしまうみたいだね。

ATARIブースレポート
ATARIは今年もハズレなし? 究極のRPG「Neverwinter Nights2」と
リアル系カーライフゲーム「TESTDRIVE UNLIMITED」が登場!

 ノーマークだったんだけど、なにげに「TESTDRIVE UNLIMITED」がとってもよくできている。車の動きもいい感じだし、ドライバのアバター作ってヒッチハイクできたり、二輪と四輪でツーリングしたりコースじゃないところも走れて民家の庭に突っ込んで身動き取れなくなるってのも笑えた。

 これぞ、カーライフシミュレータ。

 あと、グラフィックスがすごいねぇ。やっぱヨーロッパのスタジオってシェーダ・ギークぱっかだからこのあたり強いよねぇ。車ゲー開発している人は、とりあえず見ておいて損はないかと。記事最後にはムービーも入れておいたんでどーぞ。

 あと、Neverwinter Nightsは相変わらず凄いね。 欧米のRPGが「よーやる」と思うのは、そこまでやんなくてもいいだろう、っていう細部にまでこだわるパワーだよね。こちらはRPG作っている人間にとってはベンチマークになると思って。

 TESTDRIVEにしろNEVERWINTER NIGHTSにしろ誰も見ないようなところにも「え、ここまでやってたん?」っていう情熱を注ぎ込むパワーってのは、SCE久夛良木さんのやりたいっつうゲーム機上での地球再現に適合しそうだよね

ピーター・ムーア氏インタビュー
日本での成功なくしてXbox 360の成功あり!?

 「日本での成功なくしてXbox360の成功はなし」

と先代の日本Xboxのトップの丸山さんはいってましたけどいつの間にか、あの宣言はなかったことになっています。 でも、本当にそんなこと気にしていられないくらい北米ってXbox360好調だから。

 全長5メートルくらいの棚にXbox360のコントローラや周辺機器がびっしりとずらーって列んでる売り場って日本にはないでしょ。北米や欧州では普通。

 Xbox360の試遊台をちびっ子がとりかこんで、その真ん中でおっきなお友達が技を披露している光景って日本でみたことないでしょ。北米や欧州では普通。

 ピーターの「日本なんてもうどーだっていいじゃーん、いいじゃぁん」という
オーラも無理はないです。本当に好調だから。

 インタビューの時、我々日本勢よりも次に控えている欧州取材陣の開始時間をしきりに気にしているあたりが(はははは)、にんともかんとも。

3Dゲームファンのための“Wiiの秘密”講座
〜ハイデフ未対応でシェーダ未搭載で勝ちを狙うWiiのアンチ・ハイスペック戦略

 ハイデフでもないし、シェーダもない。

 たぶんその代わり価格は次世代機の中では一番安い。

 それとポインティング+ジェスチャー入力が可能なあのコントローラで、なにやら楽しそうなことができそう。

 本体発売同時タイトルが「ゼルダの伝説」で間髪を容れずに「スーパーマリオ」や「スマブラ」も来る。

 しかもPS3よりも前に出そう。なんだかとってもつよそうなwii。

 日本人の据え置き型ゲーム機離れを打開できるのか。

 お手並み拝見。

5月17日 RISE OF LEGENDSの話

【西川善司のPCゲームレビュー】
魔法とテクノロジー、3つの異文明間の激突 グラフィックも完全3D化を達成した新作RTS
「Rise of Nations : Rise of Legends」

 AGE OF EMPIRES IIIを出したばかりのマイクロソフトから新しいPC向け新作RTSがリリースされた。

 その名も「RISE OF NATIONS:RISE OF LEGENDS」。

 この広告企画レビューをさせて頂いたんで、よかったらどーぞ。

 RISE OF NATIONSのフランチャイズを利用するも、実質的には完全新作。

 登場文明は3種類だが、内容的にはかなり熱くてお勧め。

 3DグラフィックスはかなりヘビーだがAGE OF EMPIRES IIIが動かせていた環境ならば問題なし。

5月25日 WinHEC2006の話

 2年ぶりにWinHEC取材を敢行。来年発売されるWindows VistaのDirectX回りについてはチェックしておかないとだろう、ということで。

 今回はエアラインを4Gamer.netにサポートして貰い、ホテルを自腹でという旅。シアトルはイメージ通りの雨のぱらつきの多い気候でした。

ビル・ゲイツ基調講演でWindows Vista β2のリリースがアナウンスされる

 「WinHEC2006ではXboxポータブルが発表になるかも知れない」

 みたいな噂が流れたが、蓋を開けてみれば実質、基調講演はWindows Vistaのプロモに終始した感じだった。結果論としてみれば、まぁ、そらそうか、ってところなんだけど。

 新しい発表としては、プリペイド携帯電話のビジネスモデルでプリペイドPCをやっちゃいましょう、という「Microsoft FlexGo」くらいか。

 これは発展途上国でPCを普及させようというもくろみのもの。

 日本とかはちょっと関係ないかな。

Windows Vistaの動作条件が明らかに

 Windows Vistaの動作条件最終仕様が発表となった。

 最低ラインは無視するとして、推奨環境が1GHzクラスCPU、メインメモリ1GB、ビデオメモリ128MBって感じで発表された。

 まぁ、皆さんご存じのように、経験則的に「快適に使えるのは推奨環境の2倍」なので、2GHzクラスCPU、メインメモリ2GB、ビデオメモリ256MBってのがリアルな奨励値って感じかな。

 ビデオメモリに関しては、ほんと、大容量が必要で、帯域も重要になってくる。小型タイプのノートPCとか、結構たいへんそうだよね。

 ちなみに、私が愛用している富士通の2スピンドル小型ノートのLOOX-T90Dは奨励環境満たせてません。

DirectX 10の全容判明

 DirectX10の仕様が公開…といってもまぁ、あまりこれまでの情報と代わり映えはしないんだけど、とりあえず、マイクロソフトが「最終仕様」として言及したことには意義があるかと。

 テッセレータの搭載はオプション扱いから完全に、来世代以降に持ち越されることが決定した。

 このあとでレポートしているが、DirectX10世代以降のGPUではテッセレータなんかよりも重要だと判断された要素があって、それの実装のために見送られたと見るのが正しい。

 それはGPUの仮想化フィーチャー。

次の次のDirectXはDirectX 10.1だ!

 DirectX10の仕様が公開されたと思ったら、その次のDirectX10.1の仕様までが公開されてしまった。

 DirectX10対応GPUは2007年のWindows Vista発売と同時に登場予定だが、DirectX10.1対応GPUはその翌年の2008年になる見込み。

 DirectX10.1世代ではFP32テクスチャのフィルタリングとか、細かい仕様拡張はあるものの、グラフィックス表現的な部分での仕様拡張はあまり行われない予定。「.1」という数値が表しているようにマイナーチェンジなのだ。

 ただ、「.1」には大きな意味が持たされている。それがGPUの仮想化計画の完遂だ。

ゲーマーにも無関係ではない,Windows Vista時代のPCストレージ高速化機能

 Windows Vistaではストレージデバイスについても大きな技術的ステップアップが予定されている。

 それがReadyBoostとReadyDriveという技術。

 ReadyBoostは手持ちのUSBメモリとかのフラッシュメモリをPCに差し込んでおくと、これをハードディスクキャッシュ的に活用してHDDアクセスを低減させて高速化と省電力性能を向上させちゃおうというもの。

 ReadyDriveはハードディスクドライブにフラッシュメモリを内蔵させちゃってこれまたキャッシュとして利用しちゃおうというもの。

 フラッシュメモリのキャッシュは「電源を落としても消えない」というのが利点。

Direct3D 10.1世代のグラフィックスチップでは仮想化とマルチスレッド化がメインテーマに

 Windows VistaではGPUが仮想化の道を歩み出すというお話。

 DirectX9世代以前のGPUではWDDM V1.0にてプリエンプティブなマルチスレッディングで対応。

 ところがDirectX10世代以降のGPUではノンプリエンプティブなマルチスレッディングに対応して、全てのアプリケーション自身がGPUを占有しているような感覚で扱えるようになる。

 DirectX10ではその第一段階でWDDM V2.0。本命は次のDirectX10.1のWDDM V2.1。

 ビデオメモリも仮想化されてメインメモリやハードディスクにスワッピングされたりするようになる。

 こうなってくると、UMAみたいなアーキテクチャの方がシンプルでいいように思えてくる。

Windows Vista環境下のビデオ再生&著作権保護機構

 Windows Vistaではビデオアクセラレーションの仕組みにテコ入れが行われて、アクセラレーションの共通仕様化が図られる。それが、DXVA2.0というもの。

 これまでのようなプレイヤーソフトの個別対応を待たずとも、DXVA2.0の範囲でアクセラレーションに対応していればすぐにその心ハードウェアのアクセラレーションの恩恵を授かれるというわけ。

 著作権保護についても言及。

 OS側がドライバの正当性をチェックしたり、バスを流れるデータまでを暗号化したりとかなり徹底されている。

 DVDビデオのリッピングのようなカジュアルコピーは許さない…といわんばかりだ。

5月30日 三菱電機REALの話

西川善司の大画面☆マニア「三菱REAL LCD-H37MX60」

 美しい画質の再現よりも面白機能で売っている製品という感じ。

 リモコンで画面が回転したり、 目に優しい子供向け画質とか、目が疲れにくい老人向け画質とかなんか家庭で使うことを意識した製品でユニークという意味ではユニーク。

 画質はもうちょっと上を目指して欲しいけど、画質よりもそうしたユニーク機能を重要視する人もファミリーユーザーにはいると思うので、そういう訴求もありなのかな、と。

 

5月31日 今さらながらQUAD-SLIの話

「QUAD-SLIの詳細」
 

 5月頭に入稿していましたが、担当者が急病で倒れて本日の掲載となりました。

 QUAD-SLIってのはグラフィックスチップを4基並列動作させるというかなり豪気なシステムです。

 グラフィックスサブシステムだけで400W喰います。

 QUAD-SLIは当面はシステム売り(パソコン単位での販売)となる予定のようですが、この1枚に2基のGeForce7900GTXを搭載したカードはCOMPUTEXで発表されました。

 ただ、それでも、QUAD-SLI動作は単体売りカードでは当面は許可しないとか。

 


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