9月末日 RADEON9800XT/9600XTの話

発表会が行われたアルカトラズ島刑務所施設跡内。なんとなくHDRレンダリング風3D-CGな写真。ニコンD100+SIGMA15-30mmレンズで撮影

 新RADEON9800XT/9600XTの発表会でサンフランシスコにいってきた。わざわざサンフランシスコまで行ったのはこの発表会イベントがATI、DELLそしてHalfLife2の開発元VALVE社の3社協賛で開催されるというから。

 アルカトラズ島貸し切りという、なんだか、とんでもなくお金をかけていたイベントで、今のATIの調子の良さを物語っている。

 NVIDIA GeForceFXシリーズは鳴り物入りで登場したはいいが、世界中のゲーム開発社からまともにDirectX9の新フィーチャーが動かないという指摘が湧いて出ており、「パッケージにはNVIDIAの"The way it's meant to be played."ロゴを付けているけど開発はRADEONでやっている」というゲームスタジオは実は少なくないのだ。

 発表会でのVALVEのGabe Newell氏の「ATIとのパートナーシップはプロパガンダ・キーワードを訳も分からず繰り返し言わされるのとは違う。」という壇上でのNVIDIA批判発言ともとれる爆弾宣言は、もしかすると現在のPC-3Dゲーム開発者の総意を代弁していたのかも?

NVIDIAは10月中旬以降、GeForceFXのリファイン版を発表予定なので、巻き返しを期待したいところ。

 今回のレポートはGameWatchに寄稿した。

ATI、新RADEONをアルカトラズ島で正式発表
両モデルに次世代FPS「Half-Life 2」フルバージョンをバンドル
新RADEONシリーズの本質は結局のところは高クロック動作のリファイン版といった感じ。

ATI OVERDRIVE機能によりオーバークロック動作がサポートされるのはユニーク。

 

写真はASUS製RADEON9800XT。

長らくNVIDIA製GPU搭載ビデオカードベンダだったASUSは、今回の新RADEONシリーズからATI製GPU搭載ビデオカードのベンダとなる。

 

新RADEON発表会でValveのGabe Newell氏が講演
「『Half-Life 2』はRADEON 9800XTでGeForceFX 5900Ultraの2.5倍高速に動く」
写真はHalfLife2開発元VALVE社の社長Gabe Newell氏。

新RADEONにはHalfLife2がバンドルされることが明かとなった。

 

さらに、HalfLife2のDirectX9レンダリングパスはRADEON9800XTでGeForceFX5900Ultraの2.5倍も高速という衝撃の事実が明らかにされる。

 

 

実際、GeForceFXシリーズの浮動小数点実数シェーダーパフォーマンスは芳しくないことは、世界中の開発者から指摘されてきたが、これだけの立場の人が、オフィシャルな場所でここまではっきり言ってしまうのはちょっと衝撃的。

ATIとNVIDIA、MPEGエンコーダ搭載TVキャプチャカード
−Media Center Edition 2004搭載PC用に供給
滞在中、市内のホテルでATIとミーティングしていたら、たまたまその場所でNVIDIAとATIがWindowsXP Media Center Edition 2004システム向けのMPEGエンコーダ搭載TVチューナーキャプチャカードを発表していた。

…せっかくのネタなのでAV WATCHにレポートしたという次第。

一般ユーザー向け製品ではなくOEM供給専用となるが、バルク品として出てくる可能性はあり。

10月某日 SplinterCell2の話

Ubi Softのプレスキットに「SplinterCell2」の画像が含まれていたのだが、どうしても謎なのが下の一枚。

他の画像はゲームからのキャプチャだし、コンセプトアートもいわゆるデザイナが描いたかっちょいい画なのだが、なぜかこの一枚だけがこのタッチ。

何かのジョークなのだろうか…。コンセプトアートにしてはイメージが違いすぎる気が…。

じゃあ、何かの手違いで別のゲームのアートが入ってしまった?…とも考えられるのだが、手前にいるのは確かに主人公サム・フィッシャー。なにやら山から掠め見える太陽はHDRレンダリング風で、たしかにSplinterCellシリーズのやりたそうな表現ではある…。

ま、まさか…SplinterCell2は新技術ヘタウマシェーダー搭載!?

10月某日 CEATEC2003の話

あえて、背面写真など。クリックで拡大

 CEATEC2003に行って来た。

 ソニーのPSXはなかなか楽しげなマシンだが、気になる点もある。心配事項を適当にリストアップしてみると

・DVDビデオ再生→プログレッシブ化ロジックは現行PS2(SCPH-50000)相当。「AV機器画質になるようにパワーアップ検討中」(担当者)

・コーデック追加機能→インターネット経由でファームウェアアップデートの形で対応。いつ、何をサポートするかは未定。

・書き込みをサポートするDVDメディア→最初はDVD-R,DVD-RWのみ。DVD+R,DVD+RWについてはファームウェアアップデートで対応。時期は未定。

・電子番組表機能→どういう形式にするか未定。インターネット経由のiEPGサポート予定。コクーンのお好み自動録画相当の機能は無し

といった感じ。

これは「未定」事項じゃないけど、PSXがDVDメディアに直接テレビ録画をサポートしていないというのは意外だった。

デジカメの写真を溜め込んでおく、PC要らずのデータストレージデバイス的な活用も想定していてメモリスティックやUSB端子から静止画、音楽、動画も取り込めるとのことだが、動画についてはどんな形式で取り込めるのかは未定らしい。パイオニアのレコーダ機みたいに、IEEE1394端子経由でDVカメラ接続して、リアルタイムMPEG2キャプチャできたりすると嬉しかったのだが、PSXにはIEEE1394端子自体がない。

なんというか、発表時は衝撃的なイメージがあったけど、出てみると今のところはHDDレコーダにPS2を足しただけのツインファミコン的な合わせ技的なイメージの方が強い。

上記の心配事項が解決され、先の見えない未定事項が実際に実現されたときに、あらためてPSXの再評価をすべきという感じかな。

逆に言えば、焦って買うほどのものではないという感じ。

10月21日 NVIDIAがGeForceFXシリーズに対する誤解を払拭したい話

 NVIDIAは最近のマスコミとユーザーがGeForceFXシリーズに対する懐疑心を払拭するための「NVIDIA EDITOR'S DAY」をサンフランシスコで開催した。

 これまでひた隠しにされてきたGeForceFXシリーズの内部仕様が明かされたのだが、こういうの去年、GeForeceFX5900Ultraが発表時にやるべきだったと思う。

レポートはこんな感じ。

NVIDIA EDITOR'S DAY開催〜新GeForce FXシリーズ,2機種を公開

 日本よりも一足早くGeForceFX5700UltraとGeForceFX5950Ultraが公開された。

 GeForceFX5950Ultraはまあ、単なるマイナーチェンジ版だが、GeForceFX5700UltraはFabも変更し、内部アーキテクチャにもビッグマイナーチェンジが施されている。NVIDIAも、やっとメインストリーム層が重要であることに気が付いたのかな。

 GeForceFX5600シリーズはとにかく、存在自体が謎(GeForceFX5200Ultraに対してあまりアドバンテージがない)で、罪作り(値段に見合わない性能と機能)だったので、GeForceFX5700シリーズこそが、GeForceFXシリーズの本命だろう(コストパフォーマンス的な見地で)。

 

NVIDIA、「GeForce FXに対する懐疑心」を払拭するイベントを開催

GeForceFXシリーズ用ドライバの最適化問題に対する疑惑に対する公式見解と、NVIDIAの最適化思想の説明が行われた。

GeForce FXシリーズの優位点と弱点の真相〜大いなる誤解と、大いなる反省と(1) 「GeForceの父」ことDavid Kirk博士自らが壇上に立ち、GeForceFXシリーズ・アーキテクチャ・デザインのコンセプト、優位点、弱点などを解説。

パネルディスカッション形式で進行し、途中、各国の記者とKirk博士とが口論になる場面も。いやはや。

 

GeForce FXシリーズの優位点と弱点の真相〜大いなる誤解と、大いなる反省と(2)  RADEONシリーズとGeForceFXシリーズとではやろうとしていることが違うことも力説。両者を同じ土俵では比べられないと説明。

 情報量の多いセミナーだったが、あと1年早く開催して欲しかった。

 「NVIDIA洗脳会」とも噂された今回のセミナー。接待的な意味合いも強かったのかも。

 まず、ホテルの部屋に着いてみると写真のようなゴルフバッグが送り届けられていた。私はゴルフバッグなんて知らないぞ、誰かの忘れ物か? と思ってよく見ればNVIDIAロゴ。

 もしやと思って、中を開けると…ゲゲ。ビデオカードとゲームとTシャツの詰め合わせが。

 ビデオカードは2枚。

 なにかなぁ、と型番を見てみると、明日発表のGeForceFX5700UltraとGeForceFX5950Ultra。

 うへぇ。やるね。

 

 

 ゲームソフトは倉庫に眠っていたガラクタ在庫処分かなぁ、とチェックしてみたが…

 STAR WARS GALAXIES、MADDEN NFL 2004、COMMAND& CONQUERS GENERALS、COMMAND&CONQUERS ZERO HOUR、FREEDOM FIGHTERS、BATTLE FIELD 1942(EXPANSION PACK)、NASCAR THUNDER2004、TIGER WOODS PGA TOUR2004、SIMCITY4(DELUXE EDITION)、HALO PC、TRON2.0、SAVAGE

の12本。ほぼ全てが現役の最新タイトルでした。やるなぁ。ちなみに、私の人生の中で、ここまで贈り物を受けたことはないです。たとえクリスマスや誕生日にでも。

 ATIのALCATRAZでのイベントは金がかかってはいたが、「飲めや歌え」のバカ騒ぎ系だったため何も残らず。それと比べると、貧乏な我々のような家業にはこういうのはありがたい。次の仕事に繋がるかもしれないから。

 とりあえず兼ねてからやりたかったFREEDOM FIGHTERSとHALO PCをGeForceFX5950Ultraでプレイしてみるとしますか。

10月28日 新GeForceのダイサイズの話

 NVIDIAが死にチップをくれたので、せっかくだから物差しを当ててダイサイズを測ってみた。

 ちなみにこれ、デジカメではなくスキャナでの撮影。

GeForceFX5700Ultra(開発コードネームNV36)

12mm×12mmといったところか

ちなみに、総トランジスタ数8200万。

10月某日 NVIDIAとHalfLife2、DOOM3の関係の話

 NVIDIA EDITOR'S DAYのお話の続き。以下はForGamer.Netにて掲載。

Half-Life 2はGeForceFXでなぜ遅い? ATIが新RADEON発表時に行った共同声明的「HalfLife2はRADEON9500以上でないとダメ」宣言に、対応せざるを得なくなったNVIDIA。

HalfLife2は発売が伸びたこともあって、現在、鋭利GeForceFXへの対応を実行中の模様。

DOOM3とGeForceFXの蜜月関係 ATIがHalfLife2開発元のVALVE社の社長Gabe Newell氏呼んだのならばNVIDIAは当然DOOM3開発元のid software社の社長Todd Hollenshead氏呼んで来ちゃうわけで。

私は今日、ここにギャラを積まれて来た訳じゃない。自分の意志で来た」(Todd氏)

 

10月31日 TOMBRAIDER最新作の話

 「TOMBRAIDER美しき逃亡者」をプレイしてレビューを書いた。

全方位的な強化を果たした新生トゥームレイダー

トゥームレイダー 美しき逃亡者

 3Dfx Voodoo1時代のゲームエンジンで5作も頑張ってきたCORE DESIGN社だったが、さすがに直方体ブロックベースのゲーム世界では「これ以上無理!」と言うことで、今回の「TOMBRAIDER6 美しき逃亡者」でゲームエンジンを一新させた。

 この作品も2002年のうちに出ていたらそれなりの評価を得られたと思うのだが、1年遅れた上に、新しく設けたゲーム要素が消火しきれておらず、しかもバグだらけってことで、海外のゲームメディアではとんでもなく叩かれまくった。 

 それこそ「TR1やってる方がマシ」「時間の無駄。ちっとも面白くない」という歯に衣着せぬ評価が誌面をにぎわせたのだった。

 さて。どんなにひどい出来なんだと思いつつ今回プレイしてみたのだが、過去のTOMBRAIDERシリーズと比べればグラフィックスは近代化されているし、ゲーム内容もそんなにひどいってことはない。

 ステルスモード? ララ成長システム?  いやぁ、新しいゲーム要素追加するたびに「意味ねー」といわれているのってTOMBRAIDERシリーズでは恒例のことだし、旧来作からのファンはもう慣れっこだろう。

 操作感のもっさり感をどーにかしてほしいのと、武器は一杯取れるのに、敵が全然出てこなくて、溜まりまくった武器をいつどう使っていいかわからないゲーム展開には改善を望みたいが。

 まぁ、トータル的に見てクソゲー谷底に首の皮一枚で繋がって落ちずにいるギリギリセーフ作品て感じでしょうか。特にTOMBRAIDERファンには文句言われずにプレイしてもらえるんじゃないかな、と思う。

 今回発売された日本語版はテキスト、台詞音声の全てが日本語訳されてるし、バグフィクスもされて安定性も向上しているので、買うならば英語版よりも日本語版がお勧め。

 

 そうそう。このTR6、叩かれている割には売れ行きは上々なのだとか。

 でも、あまりにも各メディアに酷評されまくったので配給元のEIDOSは次回作はCORE DESIGNに作らせないとか、CORE DESIGNはサブに回すとか、そんな情報が聞こえてくる。

 ま、とにかく、いずれにせよ、次回作(続編)はあるらしいってことだ。


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