6月某日 GeForce3の話

 GeForce3セミナーなるものに行ってきた。

 GeForce3のプログラマブル・シェーダーで出来ることの勉強会みたいな感じで,なかなか興味深い内容だった。

 詳しい内容については下記のリンクをどうぞ。

GeForce3料理の鉄人セミナーレポート,ベールを脱ぐnForceのMCPのサウンド機能 NVIDIAの統合チップセットnForceはサウンド機能が凄い
徹底研究 GeForce3 目で見るGeForce3の特殊機能 GeForce3はどこが凄いのか。実際になにが出来るのかを映像とムービーで解説

6月某日 Libretto L1の気に入らない点の話

 1996年に劇的なデビューを果たした初代Libretto 20は「ミニノートPC」というジャンルを開拓したが,その後出てきた個性的な他社製ライバル機達の中に埋もれ,本家であるはずのLibrettoシリーズは1999年に登場したLibretto ff 1000Vを最後に新モデルの投入が止まってしまったという経緯がある。約2年弱のブランクのあと,装いも新たに見事復活したのがこのLibretto L1ということになる。

 私は銀河系でも1,2を争うほどのミニ・ノートPCファンなので,このLibretto L1に注目しないはずがない。実際に,某編集部より一台借り受け,気ままに使える機会を得たので,使ってみた。おおむね,いい感じなのだが,気にくわない点もかなりあることが分かった。

 次期製品で改善してもらうため,「気に入らない点(気になる点)」だけをここで挙げさせてもらう。誉めるべき部分は各メディアのレビュー記事に書かれているので全く触れない。ここではレビューではクローズアップされないような細かい点にツッコミを入れていくので実際に購入しようとしている人へのアドバイスにはなるかな。

 さてさて。まず,手にして戸惑うのが液晶パネルの開け方。スライドスイッチはないし,なんか掘り出しの滑り止めみたいなギミックはあるが…。正解は両手で左右を持ち,親指でこの掘り出しの滑り止めを押し上げる。

 片側の滑り止めだけを持ち上げてあけようとすると液晶パネル反対側の方のロックはかかったままになるのでパネル全体がねじれるような形で半開きになる(写真1)。このまま無理矢理力を入れると,さらにねじれたあとにバキっという乾いた音を立てて反対側のロックも外れる。まあ,「両手で持って両手であけてくれ」ということのようだ。

 ライバル機ソニーVAIO C1は液晶パネルの端に手をかけた状態でも,パネルがねじれることなくパチンを開くことができる。これと比べるとLibretto L1のパネルは開けにくい。(C1の方も,パネル中央部に力を掛けて開けようとするとCCDカメラをぐるりんと回転させてしまうだけで,一瞬どうやって開けていいのか戸惑うのだが)

写真1…片側に力かけて無理矢理開けようとするとかなり反対側に負担がかかりそうな感じ

 そして液晶パネルの付け根,ヒンジの部分がクタクタでパネルの角度調整がまともにできないという点も不満。パネルをある角度で止めて使っていると,ヒンジがパネルの自重に耐えきれなくてパネル全体が徐々に動きだし最後には完全に開ききってしまうのだ(写真2,3)。私は,無線LANカードを挿したC1VJをベッドに仰向けになりながら本のように手で掲げてWebページを見たりすることがあるのだが,これをLibretto L1でやるとパネルがダラーンと落ちてきてしまうのだ。また,Libretto L1ではパネルが180°に開ききらないのも,私のような使い方をする人には不便となる。

そして,液晶パネルそのものにも気になる点がある。パネル下部のデッドスペースだ。そう,ロゴのある部分。ここは無駄。このデッドスペースを,表示部で利用したとすれば大体縦解像度を720ドットにできる計算になる。1280x720は16:9という,気の利いた数値の組み合わせにもなるし,悪くない。

 逆にこの液晶パネルをそのままに,デッドスペースをなくすとどうだろうか。これは大体本体の奥行きを約20mm縮めることかできる計算となる。C1よりも大部大きい感じのするLibretto L1だが,奥行き167.2mmをもし20mm縮められると,C1にかなり近いサイズにできるのだ。

 

写真2…このくらいで使っていると…

 

写真3…じわじわと開いていき最後には開ききってしまう。C1のように180°まで開けないのもなんか気に入らない

 

  キーボードサイズをそのままに奥行きを縮めるとなると,必然的にパームレストの部分が削られることになるだろう。「パームレストがなくなるのはダメでしょう」という反論が来そうだが,実は,この中途半端な大きさのパームレストは個人的にはLibretto L1の操作性を下げていると思っている。実際長時間Libretto L1を使ってみると分かるが,このパームレストのエッジ部分は切り出し角度が直角に近く,手の平に食い込んで来て不快なのだ(写真4)。デスクトップPCのキーボードを見てみよう。キーボードの手前部分は斜面になっているだろう。これはキーボードにかかる手を自然な形で受け止めるためにこうなっているのだ。C1はパームレストサイズは小さいが,このエッジ部分が曲面処理して,手に負担や刺激を与えない工夫をしている(写真5)。

と,まあ,そういうわけで,この中途半端で使いやすさに貢献しないパームレストならば,パネルのアソコ同様デッドスペースなので,これも要らない。使い勝手がそのままで本体サイズが小さくできて軽くできるならばそっちの方をユーザーは望むはずだ。今のLibretto L1の巨大化ぶりは全て液晶のデッドスペースが起点となっているような気がする。

 パームレストが20mmも消滅すると,「あの左右に列んだスクロールボタンの行方は?」ということになる。このスクロールボタンも見た目は目立つが全然使いでのないボタンだったりする。ホイールマウスのスクロール機能が好評を博したのはその操作レスポンスの良さだ。早く回せば素早く画面をスクロールでき,遅く回せば画面をゆっくり1行ずつスクロールさせられる,アナログコントローラチックな操作系がよかったのだ。Libretto L1のスクロールボタンは「ただのボタン」で,押すと画面がズッズッとスクロールするだけ。これではカーソルキーを押すのと大差ないではないか。このボタンの存在価値はないに等しいのでいらない。その代わりにホイールのようなデバイスを付けて欲しいと思う。

 

写真4…カクカクしていて不快なリブレットのパームレスト

 

写真5…C1はのパームレストは丸みを帯びているためか,広さはないが手に不快感がない

次期Libretto L1想像図その1。1280x720の16:9ワイド液晶パネル採用。さらに横スクロールホイールと縦スクロールホイールを実装

次期Libretto L1想像図その2。液晶パネル下部のデッドスペースをなくすことで,キーボードサイズはそのままに奥行きを20mm縮めることに成功

 


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