5月某日 ジンバルロックの話

 BASIC STUDIOでザ・プレ連載用の3Dシューティングゲームを作っていてはまった。

 4方向スティックで自機をX軸回転,Y軸回転させて,360度全方位に向けさせる方式にしたのだが,X軸回転をある程度の角度まで持っていくとY軸回転とZ軸回転が合成されてしまう現象に見舞われた。最初,わけが分からなかったのだが,3Dゲーム製作初心者がハマリがちなジンバルロックと呼ばれる現象らしい。

 これはオイラー角でモデルを管理していると起こる現象で,これを解決するためにはオイラー角管理をやめて,クォータニオン(4元数)を用いて管理をしなくちゃならないらしい。こういった話題はここが詳しいのだが,結構作り込んでしまったから今更変えるのもなんだしなぁ。

 X軸,Y軸,Z軸の回転角が分かっているときにジンバルロックしないで最適なXYZ回転角を求めてくれるような小プログラムどこかにないかなぁ。

 もしくは,XYZの移動ベクトルが分かっているときに,ジンバルロックしない最適な(最短な)XYZ回転角を求めてくれるのでもいいけど。

 全方位をやめてSION方式にしちゃうかなぁ。つまり,上昇,下降を伴う旋回運動は出来ないようにしちゃうわけ。

5月某日 パラッパ3の話

パラッパ3がでるらしい。

ラミー出したあとに,「似たようなゲームは続けて出さない」「ひとまずチームは解散」といってたわけだけど,今度の「3」はどんなのになるんだろう。また新参の主人公キャラが登場するのかな。

ところで,フジテレビで土曜にやってるアニメ版パラッパはみんな見てるだろうか。

この番組4月14日にスタートしてるんだが,毎週土曜日は野球中継と重なっているので,なんとまだ二回しか放送されてない。

今日も録画セットしておいて見てみたら「中日対巨人」だった。

とほほ。

放映スケジュールはここにあった。うげ,今月は二回しか放映されないのか。なんだかなぁ。

 このアニメ版パラッパ,なんで英語のオリジナルキャストにしなかったんだろう。英語でやれば世の中の教育ママも大歓迎の番組になるし,オリジナルのイメージは保たれるしいいことづくめなのに。

それとゲームでは純粋で元気いっぱい空回りボーイだったのに,アニメ版のパラッパはちょっと天然ボケキャラなのも気になる。

ストーリーもちょっとヘボイ。彼らの住む町が「パラッパタウン」というのもなんか変。これじゃサザエさん一家は「あさひが丘」じゃなくてサザエタウンに住んでいるみたいな感じ。

悪役にガスターという新キャラを設定したのはいいが,なんか必然性が感じられない。絵もロドニーというよりはさくらももこ系でなんかビジュアル的にも浮いている。マット,ポーラといったパラッパのお友達キャラも新しくでてくるんだが,なんのためにいるのかよくわかんない。こんなの出すんならばゲーム中にもいい味出していたジョー・チンとかラミーを出してあげればいいのに。

 あと,ゲーム中では平面+半立体ワールドの独特な世界観が面白かったのに,アニメ化に当たって,彼らは「厚み」を持ったキャラになってしまっている。ヒロインのサニー・ファニーの横顔の変さぶりには驚愕すること間違いなし。パラッパもゴン太くんみたいな横顔になってる。ケイティも髪の毛が立体的だと印象がちょっと違う。

「ま,いいや」 (番組を見た人だけがわかる決め台詞)

5月某日 E3に行ってきたの話

 今年もロサンゼルスで開催された世界最大級のゲーム系イベントElectronic Entertainment Expo(E3)に行ってきた。

 今年はインプレスGameWatchチームとして。

 去年は雑誌媒体だったので,記事起こしは帰国後だったのだが,今年はWeb媒体だったのでリアルタイムに記事を書かねばならず,非常に大変だった。インプレスのWatch系古株組はこのあたりには慣れているようで,合理的に休み,合理的に仕事をこなしていた。やるなあ。

 というわけで,掲載記事はGameWatchをどうぞ。今回はPCゲーム専門ウォッチャーとしていったので私が書いた記事はほぼ全てがPCゲーム関連。XBOXやゲームキューブも見るだけは見てきたけれど。

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〜超弩級PCアクションゲーム「MAX PAYNE」近日リリース予定

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5月16日 GAMECUBEの話

 今年もロサンゼルスで世界最大のコンピュータゲーム関連ショーである「E3:Electronic Entertainment Expo」が開催された。その前日となる16日は各大手ゲーム機メーカーがその年のE3でどんな展示を行うかを明らかにするプレイベントを開催する。このプレイベントに関しては何時にどのメーカーがどこで開催するかという情報が比較的間際になってからでないとでてこないため,マスコミ関係者は予定編成が結構大変だったりする。

 今年はニンテンドーが10時にLA市内の某所で発表会を行うことを間際に明らかにしたので,マスコミ関係者は「これが一番目に行くべきところ」と確信して予定を組み始めていたのだが,その矢先にマイクロソフトが朝8時から別の場所でXBOX関連情報の発表を行うという情報を流し始めた。「朝8時って…」朝に弱いゲーム関連マスコミ関連記者にはあまりうれしい仕打ちではないのだが,XBOXをひっさげた今年のマイクロソフトにとって「来たいもんだけ来い」的な売り手市場&強気姿勢はもう朝飯前である。実際多くの記者が朝飯前に出かけたわけだが…。

 冗談はさておき,ここではあまり具体的な情報がでてこなかったニンテンドーの次世代機「GAMECUBE」の話をしてみたいと思う。

ここ最近,毎年E3の会場となっているロサンゼルス・コンベンションセンター

 

 その日の10時からのニンテンドーのプレイベントのメインの話題はやはりGAMECUBEだった。去年のE3では「N64とGBCだけで2000年はライバル機に対抗できる」というB29に竹槍的な話を展開していたニンテンドーだったが(Vwalkerの記事参照),今年はやはりGAMECUBEで対抗していく姿勢を明らかにした。

 とはいっても今回もハードウェア的なスペックや性能数値に関しての自慢はいっさいなし。簡単に今年の新世代ゲーム機の予定(予想)スペックを表にするとこんな(表1)感じになるが…。なるほど,まぁGAMECUBEはPS2よりは上なイメージはあるがXBOXを上回っているイメージはない…というのが一般的な見方じゃないだろうか。これに関してニンテンドーはこれまでに「条件を限定したピーク性能が高くてもゲームにおける実効パフォーマンスを推し量るデータにはならない」という主張をし続けてきたわけだが,今回の発表でも同じことを言っていた。徐々に発表スペックを上げてきたXBOXとは対照的である。

 

  GAMECUBE XBOX
CPU IBM Power PC 405MHz PentiumIII 733MHz
SYSTEM MEMORY 40MB 64MB
GPU ATI/ARTX Flipper 202.5MHz NVIDIA X-CHIP 250MHz
VIDEO MEMORY 3MB UMA 方式 ホウシキ
SOUND 64CH 256CH
MEDIA 1.5GB-DVDROM(8cm) 4.7GB-DVDROM(12cm)

表1.GAMECUBEとXBOXの予想スペック

 

 「今ある新世代機はテクノロジーのデモ機にすぎず,革新的なゲーム機とは少し違う」…こう言い切るのはニンテンドーのセカンドパーティHAL研岩田聡氏。ニンテンドーとしてはおもしろいゲーム,楽しめるゲームが制作できればハードウェアは「その時点での最新技術の塊」である必要はないという主張だ。これは意地悪な見方をすればXBOXなどの最新鋭機のスペックを越えるのをあきらめた言い訳のように聞こえなくもないが,「ニンテンドーが作りたいゲームが作れる性能があれば最高性能は必要ない」という論理に限定して考えると言っていることは間違いではない。

 ところが,ユーザー側の理想が「その時点での最高のコンピュータテクノロジーで実現されたエンターテインメントを楽しみたい」というものだったらどうだろう? こうした考えの下ではニンテンドーの論理はゲーム提供者側のエゴに思えてこなくもない。

アップルの売り文句ににてます

 

 「ゲームに利用されるテクノロジーは決してハードやその技術革新を越えることはない」これも岩田氏のコメントだ。もうちょっと詳しく解説するとこの言葉には以下のような意味が含まれている。ゲームは常に開発されたハードウェアの中で動くものだから,そのプラットフォームの最高性能を実現したゲーム作品の登場はどうしても遅れる。だから登場時のスペックがこれくらいだからこれくらいのゲームがプレイできるという単純なものではない。GAMECUBEのゲームはニンテンドー自身,関連会社であるセカンドパーティ,そして技術力のあるサードパーティのGAMECUBEを知り尽くした陣営がゲーム開発行うので新ハード登場直後からその品質は最高レベルのものである。…というわけだ。

 この論理も正しい。

 しかし,これがユーザー獲得成功の必要十分条件とならないのはセガのドリームキャスト生産中止への顛末をみても明らかだ。この論理にしがみついているだけではGAMECUBEはN64と同じ道をたどるだろう。もっともN64を「成功」と見ているニンテンドーなのであまり方向転換は考えられないわけだが。

GAMECUBEと無線パッドWAVEBIRDを掲げる宮本茂氏。「ゼルダの伝説」シリーズ等,ニンテンドー機におけるメガヒットはいつも彼の手から生まれている

 

 次世代機のわりにはなんか否定的な見方ばかりがされてしまうがGAMECUBEだが,ゲームシステムやビジネスモデルの完成度は高い。無線接続のコントローラパッドを採用しているのはやはりプレイアビリティを最優先に考えるニンテンドーらしいアイディアだし,ゲーム専用機(8cmメディア機)とDVD再生可能機(12cmメディア機)の二種類を市場投入する方針はユーザー本意のマシン選びができるので画期的だと思う。

 今回のプレイベントではついにGAMECUBEの発売日が明らかになった。日本でのGAMECUBEの発売日は9月14日。プレイベントをニンテンドーに先行して行ったマイクロソフトだがXBOXの発売日は「未定」のまま発表されなかったとなった。しかし北米の発売日は11月8日に決定した。GAMECUBEの北米での発売日は11月5日でXBOX先行する形となる。

 本体発売と同時にでるソフトはGAMECUBEが5本前後,XBOXが10本前後果たしてこの勝負の行方は…?


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