9月某日 初Athlonの話

▼ゲームマシン不調!

 自分のマシンで常に一番高い性能を与えられているゲーム用マシンは,CoppermineコアのPentiumV550EのFSB133MHz→733MHzオーバークロックマシンで,8ヶ月近くそのままの構成で使っていた。世の中はGeForce2GTSだ,DDRだ,Voodoo5だ,RADEONだと騒がしいがビデオカードはGeForce256のまま。全然この構成でも現在のゲームを動かすにはそれほど不満がなかったのだが,ちょっと困った自体が起こってきたのだ。

 CPUか,チップセットか,どちらかは分からないが,オーバークロックの影響のためだろうか,ちょっとガタが来たようで,ゲーム中,デスクトップ画面に強制帰還してしまうことが多くなってきたのだ。定格動作では問題がないので…まぁ…そういうことだろう。

 定格動作だと550MHz。まぁこれでも大半のゲームは大丈夫だとは思うが,それでもこれからで出てくる最新3Dゲームを動かすにはもうちょっとパワーマージンが欲しいところ。

 じゃあ,マザーボードとCPUを変えてみるか…でもなんにするかね。

 Pentium4が控えている今,場つなぎ的に登場したi815Eシステムに手を出す気はないし,かといってi820EシステムはRIMMが未だにバカ高なので予算的に無理。そもそもPentiumVを買い直すというのも新鮮味がない。

 ってことはやはりタイミング的におあつらえ向きなのが出て日も浅い最新Thunderbirdコア(以下TB)のAthlonになりますかね。

 ちなみに,うちにある私用マシンは,しばらくAMDのプロセッサ搭載のものはK6-III/400MHz止まりだった。なにしろK6-IIIは450MHz止まりで後続が消えたし,初代Athlonも登場時はセンセーショナルだったが,その直後にいきなりマザーボードの相性問題が発覚したりして,安定にしばらくかかるような手応えで,(私的には)魅力が半減してしまったためだ。うちでは新しいAMDシステム導入は先送り先送りされて今日に至ったのであった。

 まあ今年の夏出たTB-AthlonはL2キャッシュもフルスピードで性能的にも文句はないし,世代的にも二世代目になるので信頼度も向上しているはず。そろそろお試し時かもなぁ…というわけでほぼ確定。

 CPUが決まればマザーボードも決まってくる。VIA Apollo KT133搭載のもので最も人気があるのはやはりASUSTeKの「A7V」。上面の「L1」と記載されたところの4組のパターンがショートされているTB-Athlon/Duronと組み合わせることで,A7V上でCPUクロックの倍率設定が変更できてしまうという特殊機能がその人気の秘密。

 大体,マトも絞れたし秋葉原にいざ出陣。

 行きつけの店であるOVERTOPで物色。OVERTOPではガラスケースの中に展示された一部のAthlonに「切れてナーイ」という,意味深なポップシールを貼っており,分かる人には分かる売り方をしていた。なははは。

 「切れてナーイ」シールが付いていたのは700MHzと900MHzで,予算的に900MHzには手が出なかったので700MHzを購入。もちろん,A7Vも同時購入。

▼A7VでThunderBirdをいじめる

 定格での動作を確認したあとは,例によってオーバークロッキングを試す。

 A7VはCPUのコア電圧やFSB,MSBのクロック設定はBIOS設定画面で行えるが,CPUのクロック倍率背設定はボード上に設置されたディップスイッチで行う。全てのAthlon/Dualで利用可能な機能だけでないためか,マニュアルにこの機能のことは一切触れられていない。しかし,ボード上には各スイッチのON/OFFの組み合わせと設定倍率の対応表がシルク印刷されているのでいわゆるその筋系の人間ならば特に迷うことはないはず。

 ボード上のディップスイッチには1〜4の数字が振られたものと1〜6の数字が振られたものがあるが,クロック倍率設定は後者の方で行う。

 倍率設定に使用するのはスイッチ1〜6のうち1〜4だが,スイッチ5,6をあらかじめ両方ともONにして「DISABLE CPU FID」と設定していないとスイッチ1〜4の設定は生きてこない。この点には注意しよう。

 さて,買ってきたTB-Athlonでオーバークロック実験を実施。

 まずはFSB100MHz,MSB133MHzの各クロックを定格にして倍率設定を変化させて実験。

 こちらのパターンでは9.0倍の900MHzまでBIOS画面までの起動には成功。安定動作は850MHzまでだった。

 FSB(MSB)のクロックアップにも挑戦したが設定してWindows98SE起動にまで行けたのはFSB=110MHzまで。ただ,ベンチマーク等を実行させるとそのCPUクロックによらずクラッシュしがちなので常用に絶えず。

 結局,今回導入システムでは850MHz(FSB=100MHz,MSB=133MHz)が安定動作限界と認定。

 このセッティングで3DMark2000無限ループ実行によるバーニングテスト(連続運用耐久テスト)を実施。8時間,暴走なしで動作し続けたのでとりあえずこの状態でしばらく常用して見るつもり。

          ↑A7Vの秘密機能はここに隠されている

ベンチマーク結果

動作 クロック(MHz) VCORE(V) 3DwinMark2000 CPUmark99 FPU WinMark Business Graphics WinMark99 High-End Graphics WinMark99
700 1.7 3033 66.9 3850 306 971
750 1.8 3075 70.9 4120 328 1020
800 1.85 3108 74.8 4400 346 1090
850 1.85 3134 78.7 4670 355 1140
900 1.85 Windows98SEの 起動中 にハングアップ

9月13日〜9月14日 DirectX8.0の話

 Meltdown Tokyo 2000に行ってきた。

 DirectX8.0はなかなかすごいものになっている。とくにDirect3D。…とはいっても全てのフィーチャーに対応したビデオカードが出てくるのはまだちょっと先のことになりそう。

 一番乗りはまたnVIDIAなのか?

 ちなみにレポートはVwalkerの方に書いているのでそちらを参照してください。

VWalker.COM DirectX8.0全般,Direct3D関係
VWalker.COM DirectMusic,DirectSound,DirectPlay,DirectInput,DirectShow関係

DirectMusicはMIDIとオーディオの統合をやってのけた。効果音処理はスクリプトも書ける。

DirectMusicがサポートするDLS2のサウンドメイキング機能は2オペレータのFM音源相当のことができる。しかもユーザー波形入力可能。タイニーSY77ってかんじかな。

9月某日 DC用通信対戦ゲームの話

▼KDDマッチングサービスの話

 去る9月6日,ドリームキャスト(以下DC)用の格闘ゲーム「CAPCOM VS SNK(以下CVSS)」が発売された。CVSSはカプコンのストリートファイターUシリーズのキャラクターとSNKのTHE KING OF FIGHTERS,飢狼伝説,竜虎の拳のキャラクターがメーカーの枠を超えて1つのゲームに登場する,まさに「夢の共演」的タイトル。NAOMI基板で既にゲームセンターで稼働しており,人気も上々。アーケード登場からほとんど間をあけないで発売されたこともあって格闘ゲームファンの中にはこのゲームのためにDCを購入するものまで出てくるほど。

 そしてCVSSは通信対戦機能にも対応する。

 DCは登場時期がPlaystation2(以下PS2)よりも早いこともあって,世間的には「通信対戦に早くから積極的に取り組んでいる」というイメージがあるが,DCが持つ通信機能の制限や,通信インフラの問題もあって,通信対戦対応タイトルははっきりいって少ない。「え,このゲームも対応していなかったの?」というのが正直なところで,実際,DCの看板タイトルともいうべき「バーチャファイター3」が対応していなかったときのショックは未だ記憶に新しい。

 結局,格闘ゲームやレーシングゲームのような1/60の次元での正確さを競うリアルタイムゲームにおいては,インターネットを使った通信対戦では各ユーザーの通信速度がまちまちになってしまうため,実現不可能という判断のもとに見送られてきたようだ。

 この問題を解消すべく,KDDとカプコンが1つの実験的な試みを,今年の3月から開始した。それが「KDDマッチングサービス」だ。

 これは簡単にいえば「インターネットを使わずに,2人のプレイヤーを直接回線で結び通信対戦を行わせるサービス」ということができる。実際の対戦時には,丁度,自分のDCのモデムで相手のDCのモデムに直接接続する…感じになる。なお,このサービスに対応した第一弾ソフトは対戦格闘ゲーム「MARVEL VS CAPCOM2」(2000年3月23日発売)だった。

 今回発売されたCVSSの通信対戦もこのサービスを利用したものになる。私はCVSSで初めてこれを利用することとなった…というか私が買った初めてのDC用通信対戦対応型ゲームでもある。ゲームセンターでの対戦の感覚にどの程度近いものが実現できているのか,非常に興味があったのだが…。

 

 このケースでは電話をかけるのがユーザーBになるのだが,通信費は双方に不公平なくかかる。

 

▼ドリームキャストの通信対戦機能はまだまだ問題山積み?の話

 KDDのマッチングサービスは入会費用や基本料金は一切なく,基本料金もなし。純粋にゲーム中の通信費だけでプレイできる。料金も全国一律になっているのも魅力だ。

 ただ,ゲームを始めるにはインターネット経由でカプコンサーバーに接続する必要があるため,ドリームパスポート(あるいはその他のインターネットプロバイダ)を利用しなければならない。実際の対戦までは以下のようなフローになる。

1.インターネット経由でカプコンサーバーに接続して,対戦相手を見つける。

2.見つかったら回線を一度切断。

3.KDDのマッチングサービス回線で対戦相手に電話をかける(あるいはかかってくる)。

もちろん一連の動作は自動で行われるのだが,1ゲームを開始するまでにカップラーメンができてしまうほど待たされるのであった。

 そしてゲームが終了すると,KDD回線を切断,対戦結果をサーバーに報告するために再びインターネット経由でカプコンサーバーに接続するのであった。1連の動作で回線切断は2回,電話をかけ直す工程は3回もあることになる。

 さてさて,その実際のゲームのパフォーマンスだが…ドシーン…お世辞にもいいとは言えないのであった。

 ゲーム中,カクカクっと止まることが多く,また,技コマンドを入力している間にこの現象に見舞われると,正しいマンド入力として受け付けられないことがあるようで,変な技が暴発する。ストレスたまりまくりで,とてもじゃないがゲームセンターの感覚ではプレイできないのであった。

 インターネットを利用しない1対1直結の通信対戦でありながら,これだけ動きが悪いということは,やはり33.6kbpsアナログ回線の通信速度では対戦格闘ゲームは無理…ということなのだろうか。

 格安常時接続定額サービスであるNTT「フレッツISDN」が登場している今,コンシューマゲーム機でもこれを利用し,今一度インターネット経由での対戦サービスを考え直した方がいいのではないだろうか。

 はたして,後発となるPS2はどのようなスタイルで通信対戦を実現してくるか見物である。

 

ゲームセンターならばうまいプレイヤーならば100円でプレイし続けられるが,このシステムでは遊んでいる間は常に課金されるため,コストパフォーマンスはあまり良くない(決して高くはないが安くもない)。

9月22日 東京ゲームショー2000の話

 千葉,幕張東京メッセまで東京ゲームショーに行って来た。ニンテンドー,セガという大御所が実質的に参加しなかったこともあり,去年のと比べると大部地味な印象を受けた。出展内容はPlaystation2(PS2)関連に集中しており,これをお目当てに来た来場者の立場であれば,印象も変わるのだろうが…。

 このコーナーらしく,会場で見つけたちょっと変わったものを紹介するとしよう。
●サン電子 オンラインステーション

 サン電子のブース。簡単に言ってしまうとPS2版ドリームパスポートみたいなかんじ。PCユーザーは??かな。PS2でインターネット接続を実現する製品というばなるほどと思うはず。PS2に繋がるUSBモデムとWebブラウザがワンパッケージになっており,別売りの同社製のUSBキーボードを繋げば,ほとんどPC感覚でインターネットが楽しめる。

 担当者の説明によればUSBモデムであれば基本的にPS2には繋がってしまうらしく,ソフトウェアのサポートさえなんとかすればTAなんかもOKらしい。現在はモデムとWebブラウザはセットになっているが,近い将来,他社製モデムやTAと組み合わせてもPS2でインターネット接続ができるように,Webブラウザ単品の販売も予定しているとのこと。 

「PCカード型のモデムなんかもサポートする予定は?」と質問したところ,「次期マイナーチェンジ版国内仕様PS2では米国仕様PS2同様にPCカードスロットが省略される可能性が強いため,行わない」とのことだった。

 そういえば米国版PS2は0.18μm版のEmotionEngineを搭載して,しかもPCカードスロットに変わる大型の拡張ベイを搭載したものになるんだよなぁ。国内版も年末にはマイナーチェンジの噂もあるし,PS2を買うのはもうちょっと後にしようかな(実はPS2持ってない)…などと思考は全然関係のないところへ飛ぶのであった。

●BestSoft BDD

 韓国ブースで見かけたすごいゲームコントローラ。その名は「Body Diet Dancing(BDD)」。「なんだ,ダンスゲームのフロアコントローラでしょ」と思ったら大間違い。なんとこれ,名称にDancingとあるが実は格闘ゲーム向けコントローラなのである。

 両手両足を伸ばしたあたりにモーションセンサーが仕掛けてあり,それぞれがパッドのボタンにアサインされているので,例えば右パンチを出そうとしたら実際にシャドウボクシングみたいな感じで右パンチを前方に向かって繰り出さなければいけないのだ。キックも同様。両足キックなどは,手すりに捕まって実際に両足を前に出す必要があるという凝りよう。なお,キャラクターの移動は床に設置されたフロア十字キーで行う。

 当日,会場では,BDDはPS2と繋がっており,「鉄拳TAG TOURNAMENT」の対戦プレイができるようになっていた。

 なかなかのアイディアだが,必殺技のコマンドなどはフロア十字キーで入力する必要があるので,このコントローラで既存のゲームをうまくプレイするためには独特の訓練が必要になってくる。これが新しいゲーム性としてプレイヤーに受け止められればいいのだが…。

 いずれにせよ,お笑い系グッズとしてはこの上ない出来映え。ダンスゲームなどとは違って,全くリズム相関ゼロのランダムな2人のプレイヤーの動きは爆笑物で,ショー当日は来場者の注目をかなり集めていた。

●コナミ 等身大リアルフィギュア

 こうしたショーでは物販コーナーも設置されるのが常で,会場限定グッズやなかなか一般のゲームショップで果てに入らないレアなアイテムが販売されることがある。

 コナミの物販ブースで見つけたすごいアイテムがこれ。人気恋愛シミュレーションゲーム「ときめきメモリアル2」の等身大フィギュア。

 びっくりなのが販売価格で,なんと50万円。可動タイプと固定タイプって言うのは手足の関節なんかが動くか動かないかの違いだと思われる。

 泣かせるのは「衣装・付属品は製品に含まれません」という看板のコメント。メイドさんのキャラクターを買っても箱空けると素っ裸のが出て来るんだろうな。ちゃんと箱入りならいいけど,そのまんま送られてきたら近所で噂になるぞ。


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