8月1日 ニセ・ガンプラの話
なお,紹介製品はニセ・ガンプラだけでなく,「宇宙戦艦ヤマト」ブームと同時期に販売されていたニセ・宇宙戦艦ヤマトプラモにまで及んでいる。あの「レッドホーク・ヤマト」シリーズの奇抜なデザインはもはや「ニセ」とか「便乗」とかいう次元を超えており,「ヤマト」というキーワードが持つイメージすら超越してしまっている。きっとこのデザインを見たらシド・ミードも泣いて逃げ出すに違いない。 巻末の資料コーナーには,現在ではもう絶対に手に入らないけど,だからといって別にそれほど欲しくもないレッドホーク・ヤマトの活躍を綴った設定まんがのダイジェスト編が付属する。これもしゃくり上げるほど笑えるのでもう絶対見るべし。 80年代に少年時代を迎えていた男子ならば一度は手にとって頂きたい本である。 ところで,こうした,おかしなニセ・ガンプラなどを集めたWebも存在する。代表的なのがここ,「HARDCORE GUNDAM」。 ここはプラモ以外のおかしなグッズも取りあげているのも特徴で,私はここで紹介されている「ガンダムおめん」で泣きそうになりました。みんなも見て泣いてください。こりゃーどー見てもガンツ先生です。
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追加情報:この本のオフィシャルWebはここです。 | 一体500円で,4号機まで揃えると写真のような戦艦ヤマトとロボット武蔵が完成する。当時お小遣い500円の私は4ヶ月かけてこれを揃えた。艦橋がロボットという設定と艦底のキャタピラには子供心ながら「そりゃないぜ」とツッコミを入れたものだ。 |
▼呪われた「PowerDVD Station NV-DV2300」
DOS/V magazine7月1日号の「TESTER'S GO ON LIVE!」(p.208-209)で紹介した「VAIO PCG-C1XFをポータブルDVDプレイヤーとして活用する」編だが,これについて後日談を絡めたフォローをしてみたいと思う。 この記事の中で,PCG-C1XFとノバックの「PowerDVD Station NV-DV2300」を組み合わせてDVDビデオを再生した場合に途中ディスクの読み込みに失敗する…という症状を報告しているが,これはどのDVDビデオソフトで試しても同じだった。 NV-DV2300は実はこの他にも,二世代ドライブ(CD-R,CD-R/W読み込み対応世代)なのにCD-RやCD-R/Wメディアの読み込みが苦手(再読込,再シークの嵐でえらく時間がかかる),マルチセッションのCDROM,CD-R,CD-R/Wが読み込めないという,けっこうやばめな問題も露呈した。 安物買いのなんとやらになりつつあったのだが,とにかくNV-DV2300はその後も使い続けることに。 ところが,8月になってその読み込み失敗が頻繁に発生するようになり,ついに購入後3ヶ月で完全に死んでしまったのだった。当然保証期間内なのですぐにノバックに修理に出したのだが,数日後にまた死亡。どうも呪われたドライブを手にしてしまったようだ。現在,再修理を依頼しているが…。ポータブル系ドライブとしては最近では数少ないPhase2リージョンなしのドライブだっただけになんとかちゃんと使えるようになって欲しいものだ…。とほほほ。
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これがじゃじゃ馬DVDROMドライブ「NV-DV2300」。現在はその後継機種である「NV-DV2400」がリリースされているがCardBus未対応だ。 | |
▼なぜコマ落ちするのかを考えてみる
さて,修理から帰ってきたその日のNV-DV2300は怪しげな再読み込み動作はなかったのだが,それでもDVDビデオ再生時はコマ落ちが頻発。 コマ落ちはそれじゃVAIO側のせいなのか?…こう思えてこないこともない。 しかし,PCG-C1XFはCPUとしてPentiumU400MHzを搭載しているし,さらにビデオチップのNeoMagic MagicMedia256AVで,PowerDVDはこいつのMPEGデコード・アクセラレーション(動き補償)に対応しているため,全画面がギコガコするほどのコマ落ちはやっぱり不自然だ。 じゃあNV-DV2300が2倍速DVDROMドライブだから? これも違うだろう。市販の家電DVDプレイヤーなんか1倍速なわけだし。実際,1倍速DVDROMドライブのスペック上のデータ転送速度は約1.4MB/sec,DVDビデオの必要データ転送速度は(DVDビデオのMPEG2映像は可変ビットレートなのでおおよそだが)約0.5〜1.0MB/sec前後なので,ドライブ性能が2倍速ならば十分すぎるほどだ。 …ということは接続インターフェース? これは可能性が高い。ドライブ性能に余裕があるのだから,ボトルネックになっているのはその先と考えるのはごく自然の成り行きだ。
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▼DVDビデオ再生するならCardBus対応が必須!
こうしたノートPC用外付けドライブ製品はPCカード・インターフェースを採用しているものがほとんどだが,その多くがレガシーな16bitPCカードインターフェースを使ったもの。最新高速の32bit/33MHz,CardBusインターフェース対応の製品も最近は多くなっているようだが,もしかしてこの差なのだろうか…。 調べてみると,NV-DV2300は「FastPCMCIA Card」なる怪しい独自ネーミングのインターフェースを採用しているらしいが,その正体についてはマニュアルやパッケージには記載されていない。「PC側がCardBusに対応していなければならない」等の注意書きがないことからおそらくはレガシー・インターフェース接続なのだろう。 そんじゃ同じPCと同じDVDROMドライブの組み合わせで,レガシーインターフェースとCardBusインターフェースで繋いだ場合とで,どの程度DVDビデオの再生品質に影響を及ぼすかを調べたくなってくる。1つの製品で2つの接続形態をサポートした製品なんてあるのか?…ありました。アイ・オー・データ機器「DVDP-AX5TP」(定価\36,000)がそれ。ちょっと痛い出費だったけど買ってきました。 さてさて,このDVDP-AX5TPは,PCカード側に設けられたモード切替スイッチでレガシー接続かCardBus接続かを切り換えられるようになっているのだ。ドライブ性能は4.8倍速。 実際に再生をしてみると驚くほどコマ落ちの頻度が違う。レガシーモードでは全体的にカクカクしているのだが,CardBusモードでは全くそれがない。PCG-C1XFで見るDVDビデオの映像は,これまでNV-DV2300のカクカク映像オンリーだっただけに,その衝撃は大きかった。 「じゃあ,これからはPCG-C1XFをポータブルDVDプレイヤーとして使う場合にはDVDP-AX5TPで決まりだねっ」と思いきや,そう万事うまくいかないのであった。 なんと,この,DVDP-AX5TP,CardBus対応モードで動かすにはACアダプタによる電源供給がないとだめという仕様になっているのだった。PCカード経由での電源供給ではたとえPC側がCardBus対応であってもレガシー接続になってしまうのである。とほほほ。 …にしても,ノートPCユーザーのみなさん,安定したDVDビデオ再生を望むならばCardBus接続対応製品のDVDROMドライブを選びましょう。 |
DVDP-AX5TPはレガシーモードでは「DVDビデオの再生には対応しない」とパッケージに記載されている。とはいえ,実際には再生は可能なので「その再生品質を保証しない」ということのようだ。 |