5月某日ノートPCを買う話
世界最大のゲームショー「E3(Electronic Entertainment Expo)」の取材に行くにあたりノートPCが必要になった。DOS/V magazine編集部から一台借りる約束はしていたのだが,ソフトバンクの引っ越しのドタバタと重なったこともあって,間際になってもマシンが届かず,もう,こうなれば自分で買ってしまうかないか…という結論に達することに。
さて,何を買うか…だが,「んもう,ボクちゃんはチミしか見えないのーん」クラスの魅力的なカワイコチャン(死語)マッシーンが今は全く存在していないことに気づいて途方に暮れるのであった。しかも4月後半から5月にかけてはパソコンを買うには最もデンジャラスなシーズンである。そう,夏のボーナス直前に新機種がドカンと発表になるため,今買うと「買った途端に買った機種の後継機が発表される」と言う屈辱を味わうことになる可能性が高いのだ。新機種のカタログは,これからパソコンを買おうという人にとって魅惑の夢の世界へのご招待券に見えるかもしれないが,前の機種を買ったばかりの人にとってはただのイヤミペーパーである。そんなわけでこの時期の購入には結構勇気が必要なのだ。
さて,私には「もし自分がノートPCを買うならばこの条件は満たしていないとだめ」というのがある。まぁ多かれ少なかれ誰にもそうした「絶対譲れない自分だけの鉄則」というのはあるもんだ。
中学時代の友人に「うんこは絶対に自分の家のトイレでする」という鉄則を義務教育期間中守り通した男がいた。5日間の修学旅行の帰りの電車の中で「さっき小便してたら大便も出そうになった」と力のない笑顔で微笑んでいた彼は,今では「学校で絶対うんこをしない男の伝説」となって母校で語り継がれている。人間,これと決めたことはやはり頑固に守り通したいものだ。
話がずれたが,私の「ノートPCに求める譲れない条件」とは以下のようなものだ。
1.液晶ディスプレイは最低でも1024x768(XGA)
2.本体重量は1.5kg以下
3.バッテリー駆動時間は3時間以上
4.ポインティングデバイスはスティックタイプかトラックボール
5.[Home][End][PgUp][PgDn]は独立キー
今回,DVカメラを持っていくので動画取り込みのためにDV端子(IEEE1394)が必要になる。動画を取り込むとなればHDDは10GB以上は欲しい。よって,これらも条件に加わることになる。
メインマシンは普段使っているデスクトップPCだし,今後もこのスタイルを変更するつもりはないので,買うノートPCはいわゆるモバイル・コンピューティング用途専門になる。ということでオールインワンタイプのA4重戦車要塞タイプは却下だ。薄型A4もやはり持ち運ぶにはでかい。やはりB5サイズ,あるいはA5サイズのものがいい。
こうして機種選定をしていくうちに,今現在,いわゆるA5ノートPCやミニノートPCがことごとく姿を消している事実に気づかされた。
A5サイズはほとんどジャンル自体が死滅しており,松下Let's note mini,三菱Amityはもうないし,A5ノートの代名詞にまでなった名機「チャンドラ」ことIBM ThinkPad235の系譜は事実上断ち切れている(ThinkPad240は別もの)。
ミニノートPCはというと,NECのmobio-NXはラインナップから抹殺されてはいるものの,東芝リブレットは細々とシリーズは続いている。
B5サイズはモバイル・ノートPCの名を欲しいままにしており,製品の種類も多い。
B5サイズで候補に挙がったのは
・IBM ThinkPad240
・富士通 FM-BIBLO MC3
・東芝 Dynabook SS 3440
ThinkPad240とFM-BIBLO MC3は液晶ディスプレイが800x600なのがマイナスポイント。DynabookSS3440はIEEE1394端子も持っているしほとんど満点。B5サイズ代表として保留。
さて,B5サイズ以下の,ジャンル自体が死滅しているこのクラスの候補としては
・東芝リブレットff1100V
・VAIO PCG-C1XF
がある。リブレットff1100Vは,あのパネル端っこに取り付けられたリブポイントが私にはとても使えそうにないので却下。リブレット100までの640x480液晶パネル時は右にスペースがあったのであのレイアウトはいい感じだが,800x480モデルのリブポイントはユーザビリティを無視してもはや意地で付けている感じだ。VAIO PCG-C1XFは縦解像度が480でウルトラワイド「ニセ」XGAだが,それ以外はまぁ合格。このクラス代表はPCG-C1XFということになる。
で,この2機種を念頭において秋葉原を歩き回ったのだが…Dynabook SS 3440が26-27万,PCG-C1XFが21-22万と,Dynabook SS 3440の方が高い。5万円の差は大きい…。また,両者共にメインメモリが64MB。もう64MB増設して128MBにするのは,今や当然の助動詞「べし」だし,ポータブルCDROM/DVDROMドライブは結局必要になるのでこれも買わなければならない。こうした拡張機器分の予算/出費まで考えるとやはり安い方に目がいってしまう。…というわけで,PCG-C1XFを選択することになった。
帰ってきて起動してまず確認したのがPCG-C1XFのプリインストールソフトのHDD占有量。12GB分のうち3GB以上が占有されていた。す,すごい…ネスケ4.7とIE5が両方フルインストールされている…。
・メーカー製パソコンを買ってまずすべきこと→プリインストールソフトをアンインストールする
今度はこれを自分の鉄則に付け加えることにした。
5月10〜16日 E3の話
世界最大級のコンピュータ・エンターテインメントのエキスポであるE3(Electronic Entertainment Expo)に行ってきた。場所はアメリカ合衆国はロサンゼルス(海外は久々なものでパスポートの有効期限がぎりぎりだった)。
レポートはVWALKER,ケータイウォッチなどで発表しているのでそちらをどうぞ。