SIGGRAP2014レポート集(2)

 東京ゲームショウおわりでなぜかインドに来ています。
 仕事です。
 日本では通報ものの荒っぽい運転とCRY ENGINEみたいな視界に痺れています(下動画)。ボクの横にいるのは後藤さんです(笑)。



 このブログではしばらくはSIGGRAPH2014レポートのフォローをしていきます。


 今年のComputer Animation Festival(CAF)では、ゲーム系の映像が何点かElectronic Theaterで入選を果たしています。


[SIGGRAPH 2014]ゲームからは「The Crew」と「Ryse」が部門賞を受賞。優れた映像作品が集う「Electronic Theater」レポート(前編)

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http://www.4gamer.net/games/999/G999902/20140813092/

 ちょっと不思議なのは「The Crew」が最優秀ゲーム映像賞【Best Game Award】を獲得しているんですが(上動画)、この映像ってゲームのリアルタイム映像じゃなくて、オフラインレンダリングによる予告映像なんですよね。映像自体は非の打ち所のないパーフェクトなまでの予告編映像に仕上がっているんですけどね。この賞部門の位置づけが曖昧になって気がします。

 本当の最優秀ゲーム映像賞ともいうべき最優秀リアルタイムグラフィックス賞【Best Real-Time Graphics Award】は、Xbox One用のアクションゲーム「Ryse: Son of Rome」が獲得しています。
 セールス的には苦労しているこの作品ですが、ゲームはそれなりに面白いですし、物理ベースレンダリングのグラフィックスはたしかに圧巻です(下動画)。



 それにしても、このゲームの主人公モデルって、絶対にCRYTEK創設者のYerli三兄弟をモチーフにしていますよね。そっくりですもん(笑)

 SIGGRAPH2014のCAFレポート前編はゲーム関連作品を中心にまとめましたが、後編では、その他の受賞作をレポートしています。

 最優秀作品賞を獲った「BOX」はCAFでの最優秀作品賞としては初めてのプロジェクションマッピング作品です。

 この作品は、撮影軌道をプログラミングされたロボティックカメラと、ロボットアーム制御で動くCG投射先のホワイトボードの双方が目まぐるしく動くプロジェクションマッピングが特徴で、これまでの建物などの静物に対して投射されたCGをある程度想定されたスイートスポットで見る事になるこれまでのプロジェクションマッピングとはかなり異なっています。

 とにかくまずは見てみてください(下動画)。

Box from Bot & Dolly on Vimeo.


[SIGGRAPH 2014]ひと味違うプロジェクションマッピングなど「技術とアイデア」が光る作品が集う「Electronic Theater」レポート(後編)
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http://www.4gamer.net/games/999/G999902/20140818065/

 多分このブログの読者には説明は不要でしょうが、作品名こそ「BOX」ですが、登場するのは二枚の「平面」のホワイトボードです。立体に見えているのはプロジェクションマッピングによる錯覚です。

 「CG合成および編集無し」の一発生録り映像なワケですが、カメラの起動と投射するCGの関係性は緻密に計算されており、投射されるCGの運動視差が、このカメラ軌道にまで配慮されているため、投射先のホワイトボードの奥に深い奥行きがあるようにしか見えなくなってきます(笑)

 演者の男性も白々しく演技していますが、実は彼の存在は動きどころか服装までもが計算尽くで仕組まれているものだということは作品の後半で分かってきます。

 プロジェクションマッピングの可能性の高さを再確認できる作品という意味でも大賞の受賞は納得…といったところです。
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SIGGRAP2014レポート集(1)

 夏から秋にかけてはカンファレンスやコンベンションが集中していて我々の業種は大忙しです。
 全部の全部に行く人はほとんどいないですが、幾つかいくだけでも基本的には連続スケジュールです。

 自分はというと、8月はカナダ・バンクーバーのSIGGRAPH2014、9月は横浜CEDEC2014、続いて2連ちゃんで海外での某GPUメーカーの発表会、幕張東京ゲームショウ2014という流れです。

 ここ数年はあまり忙しくないようにしていた自分も昨年から週刊連載を2本持ってしまったので、この8月9月はキツキツでやってます。ちなみに、このブログもサンフランシスコ空港の搭乗ゲートでの飛行機待ち時間に書いています。ちなみにボクよりも忙しい人が数人いますので、彼らからは「お前はマシな方だ」と言われるかもしれません。

 というわけで、まずは、カナダ・バンクーバーのSIGGRAPH2014のレポートが一段落したので寄稿レポート集としてフォローしていきたいと思います。


 NVIDIAもHMD関連技術の開発に積極的で、昨年はライトフィールド再現型のHMDの試作モデルを発表していました。

 今年も同様で、今年は二枚の映像パネルで高解像度映像表現を行う時空間超解像技術と、ピンホールカメラの原理を応用した網膜投写型AR技術を発表していました。

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[SIGGRAPH 2014]HMD向け技術開発に積極的なNVIDIA。“半ピクセルずらし”による高解像度化や広い視野に表示できるAR技術をアピール
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http://www.4gamer.net/games/999/G999902/20140811060/

 ところで、このNVIDIAの一連のHMD関連技術の研究開発をしていた中心的メンバーのDouglas Lanman氏(Research Scientist,NVIDIA)が今年、Oculus VR社に移籍してしまいました。

 John Carmack氏も、id softwareをやめてOculus VR社に完全移籍してしまいましたし、なんかOculus VR社はほんと、VR/HMDのドリームチームと化してきていますね。

 で、このVRブームですが、一般ユーザーにはどの程度響くのかは未知数ですが、ゲーム開発者やVR研究者にとっては凄い盛り上がりで、今年のSIGGRAPH2014では、EMERGING TECHNOLOGIES展示セクションでも、VR関連の展示が目立っていました。

 なかでも来場者の注目の的だったのは、鳥になれてしまう「鳥シミュレータ」です。下の動画を見れば、どんなものか一発でわかるでしょう(笑)


[SIGGRAPH 2014]Oculus Riftと一緒に装着して鳥になる「鳥人間スーツ」が大ウケ。先端技術展示会「Emerging Technologies」レポート Part1
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http://www.4gamer.net/games/999/G999902/20140816005/

 これまで飛行機に乗れるフライトシミュレーターはいくつかありましたが、実際に両腕をばたつかせて羽ばたいて飛ぶ鳥シミュレータはこれが初めてかもしれません(笑)

 3DOFで姿勢が傾くだけでなく、速度が増すと送風機から全身に風が送られる仕組みまで実装されています。

 女子校生の家庭教師になれるVRも楽しそうですが、鳥になる…という分かりやすいVRも相当楽しそうですよね

 この他にも、面白いVR体験が展示されていたので是非記事の方を見てみて下さい。
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ハリウッドのゲームローカライズスタジオを見学してきた話~外伝

 ちょっと前の話ですが、ハリウッドでゲームサウンド関連の制作を担当している「ROCKET SOUND」を見学させてもらいました。

 実は、このROCKET SOUNDは、以前(善)後不覚コラムで紹介したテクニカラーのゲームサウンド部門のスピンアウトメンバーで構成されたスタジオなんです。

 たまたま訪れたのが休日だったので代表のTom Haysさん(写真左)と、日本向けフロントのAmi Loganさん(写真中央)、エンジニアのDaniel Khimさんしかいませんでしたが、スタジオの内部を見学させてもらえました。

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 なんでも2013年、以前取材したテクニカラーがゲームサウンド部門を閉鎖してしまったようで、それをうけて、今回の新スタジオ設立となったとのことです。

 このサウンド&音響チームは、HALOシリーズ、Gears of Warシリーズ、アンチャーテッドシリーズなどの名だたる北米スタジオ開発タイトルの他、ファイナルファンタジーシリーズ、ドラゴンズドグマのような日本スタジオの大作ゲームの音響を担当してきた実績があるので、バラバラになるのはもったいないと言うことで、当時のメンバーが新スタジオに集結したようです。

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 何でも、歴史ある古いスタジオ用の建物を改装して使っているそうで、古き良き伝統とテクノロジーが融合している感じでいい雰囲気でした。ハリウッド近郊なので、こうした建物はお土地柄、結構あるんでしょうか。

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 もう既にビッグタイトルのプロジェクトを担当しているようで、また、廊下に額縁が増えるかも知れませんね。

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今年もCEDEC2014でパネルディスカッションをやります

 今年もCEDEC2014でパネルディスカッションをやります。

 9月4日(木)の16:30から、メインホールで行われます。

西川善司のゲーム開発マニアックス「グラフィックス編」2014
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http://cedec.cesa.or.jp/2014/session/ENG/2084.html

 当日のセッションで用いるスライドは完成しだい下記のリンクをアクティブに致します。

http://z-z-z.jp/zenji/gp2014.zip
https://dl.dropboxusercontent.com/u/42507872/gp2014.zip

 今年のトークテーマは、パネリストの方達と相談した結果、以下の3つになりました。

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 「物理ベースレンダリング」は昨年のアンケート結果で取り扱って欲しいテーマとしてトップにあったものです。

 「仮想現実(と拡張現実)」「レイトレーシング」は未来の話題に思えて、意外に直近の未来っぽいテーマっぽいよ…ということで決定しました。

 「仮想現実(と拡張現実)」はHMDに強く関連したテーマですが、HMD向けのレンダリングテクニックが3D立体視でのテクニックが使えないね、どうしようか…という話題を取り扱います。

 「レイトレーシング」はUnity5がレイトレーシングに対応しちゃったので、見ておかないとまずいよね…という感じでテーマとして決定しました。

 パネリストは以下の方々です。

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 高橋さんは、バンダイナムコスタジオのトップエンジニアで、世界の技術動向を広く深く見ていらっしゃる方です。なんでもかんでもオールマイティに詳しい方で、聞けば何でもわかる人(笑)。ボクにとっての先生みたいな人です。

 横川さんは、SCEのエンジニアです。「Gravity Daze」を手がけたことで有名な方ですが、PS4 CAMERA対応ARアプリ「THE PLAY ROOM」を手がけ、最近ではVR型HMDの「Project Morpheus」関連の研究もされているようです。

 川瀬さんは、日本のプログラマブルシェーダ技術の夜明けを作り出したエンジニアとして知られ、ボクは「CG界の坂本龍馬」と勝手に呼ばせてもらっていますが(笑)、今回は物理ベースレンダリングのご意見番としておよびしました。

 竹重さんは、NVIDIAのエンジニアですが、実はバックグラウンドはバリバリのゲームプログラマで、ハードウェア(GPU)アーキテクチャとゲームグラフィックスの双方に詳しく、現在は日本のNVIDIAの技術的な窓口を務めてらっしゃいます。

 原田さんは、AMDのエンジニアです。元々HAVOKのエンジニアで、CGも物理的な視点で捉えている方です。最近はレイトレーシングの研究をされていて、この夏、SIGGRAPH2014で新レイトレーシングエンジンを発表されました。

 今回は、パネリストの人数が多いので、例年よりもテーマを絞ってみました。

 このセッションは生中継も行われるので興味がある方は是非ご覧下さい。
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