西川善司のCEDEC2012レポート(1)

 だいぶ報告が遅れましたが、今年もパシフィコ横浜で開催されたCEDEC2012に参加いたしました。CEDECは日本では最大規模のゲーム開発者会議です。

 例年、マイナビ(毎日コミュニケーションズ)でレポートしていましたが、今年は4gamer.netの取材チームとして参加しました。

 会期中に書き上げたレポートを何回かに分けて紹介したいと思います。


 スクウェアエニックスは、新世代ゲームエンジン「Luminous Studio」上で動作するテクニカルデモ「AGNI'S PHILOSOPHY」のメイキングセッションを幾つか執り行っていました。

 自分がレポートしたのは、制作プロセスと技術解説を凝縮した内容のセッション「メイキングオブ『Agni's Philosophy - FINAL FANTASY REALTIME TECH DEMO』-リアルタイムCG映像の未来」です。

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[CEDEC 2012]メイキングオブ「Agni’s Philosophy」。スクエニの次世代ゲームエンジン「Luminous Studio」を使った技術デモ,その開発秘話
http://www.4gamer.net/games/032/G003263/20120821014/

 このマネキンの写真に驚いた人もいるでしょうけど、これは、本編の主役の少女AGNIの髪型をプロのヘアメイクアップアーティストに作り込んでもらっているときのシーンです。

 こういった一端から想像できるように、このAGNI'S PHILOSOPHYっていうデモ…実質的な制作期間もすごいですが、制作コストが半端なく掛けられています。色んな意味でスクエニしか出来ない取り組みだと言えます。

 なお、この記事以上に、深く深く切り込んだ総12ページの特集記事がCGWORLD誌の11月号が掲載されます。この特集において8ページほど自分が執筆していまして、リアルタイムレンダリング技術の部分だけでなく、プリレンダーからリアルタイムへのコンバート部分や制作環境などについても触れた記事になっており、取材した自分にとっても興味深いものになっています。既にGAMEWATCHの連載で執筆した内容とは少し切り口が違うのも特徴です。

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西川善司の大画面☆マニア第165回 ソニー「VPL-BW120S」

 今回取り上げたソニーの新プロジェクタは、もう、なんというか、「ゲームに使って下さい」と言わんばかりのモデルです。

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西川善司の大画面☆マニア第165回 6畳部屋で100インチライフはいかが?
~約7万円の超短焦点シアター機 ソニー「VPL-BW120S」~

http://av.watch.impress.co.jp/docs/series/dg/20120925_561392.html

 まず、100インチを僅か1.3mの投射距離で映し出せます。これは一般的なホームシアタープロジェクタの半分以下、あるいは1/3と言ってもいいくらいの超短焦点性能です。

 そして明るさが2600ルーメン。これも一般的なホームシアターの2~3倍の輝度値です。

 しかも表示遅延性能は約1フレーム程度。ソニー製品としてはかなり早い部類です。
 
 価格はAmazonですでに6万円台と、100インチ大画面が得られる価格としては悪くない値段です。



 この超短焦点性能により、プロジェクタをユーザーの前に設置しても大画面が得られるので、WiiやKinect,Playstation Moveのような立って遊ぶゲームでも、自分の頭や姿の影を画面に落とさずプレイ出来ます。

 絶対的な輝度で部屋が明るくても結構使えますんで、ゲーム指向なプロジェクタ入門機としては結構オススメできる製品かと思います。

 飲食店、スタジオなんかの店舗用のレクリエーション機材としてもいいかもですね。



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西川善司の「NISSAN GT-R」ライフ第9回:日産のカーウィングスをスマートフォンから利用する方法

 今回は、GT-Rの話題というよりは、カーナビがスマフォに対応していない状況を改善するという話題です。

 今回の記事で紹介しているテクニックは、日産の「カーウイングス」だけでなく、カロッツェリア「スマートループ」、トヨタ「G-BOOK」、ホンダ「インターナビ」でも同様に活用できます。

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【連載】西川善司の「NISSAN GT-R」ライフ
第9回:日産のカーウィングスをスマートフォンから利用する方法

http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20120924_560752.html

 記事の内容を少し補足しますと、もしもうまくいかない場合は、Bluetoothでカーナビとスマートフォンをペアリングする際に、キャリア名を選択せずに「新規登録」でユーザー設定するとうまくいくことがあります。

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新規登録画面では、たぶん「なにこれ?」的なパラメータがあるかと思いますが、基本、そういうパラメータは空欄でOKです。

 携帯電話機器メーカーやカーナビメーカーが、スマートフォン向けのDUNアプリを提供すればいいんでしょうけど、検証コストを考えると難しいんでしょうかね。

 将来的にはカーナビがWiFi(無線LAN)に対応して、テザリングさせた携帯電話を通してネットにアクセスする方式になるんでしょうか。

 ただ、「携帯電話とBluetooth接続」というのはハンズフリー通話を行わせる手段としては有効なので、Bluetoothサポートをなくすというわけにもいかなそうですから難しい問題です。

 そうそう、「GT-Rとカーナビ」という話題では、tsk-R35さんという方が、凄いことに挑戦し、成功させています。

 なんと、彼はエアコン操作パネルを天井に移設して、その場所に、カロッツェリアのサイバーナビ(AR-HUD対応モデル)を搭載してしまったんです。

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 改造のいきさつや経緯はtsk-R35さんのブログをご覧下さい。

 いやぁ、この発想はなかったわ…。すごい。

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東京ゲームショウのAVerMediaブースで西川善司と握手!?

 ついに今週、木曜日、9月20日から東京ゲームショウ2012が開幕します。

 今年も例年通り取材をするつもりですが、今年は、一般公開日の22日と23日の両日、簡単な15分ほどのショートセッションを1日2回、合計4回ほどAVerMedia(アバーメディア)ブースにて行う事になりました。

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 AVerMediaは、ハードウェアH.264エンコーダを内蔵した、PCなしで720p,1080iのHD映像がキャプチャできる「AVT-C281」のメーカーです。今年のゴールデンウィークに期間限定で値下げしてバカ売れした製品で、「ああ!、あそこか」と思い出す人も多いことでしょう。

 ボクは、このAVT-C281を、春先に4Gamer編集部から「レビューしておいてね」と言われたものの、そのまま忙しさに追われてしばらく放置することになり、結局、レビュー記事として掲載されたのは5月過ぎ。レピューとしてはだいぶ後発になってしまったのですが、記事がメーカーの担当者さんの目にとまったらしく、「東京ゲームショウで何かしゃべって下さい」と依頼された…というのが今回のいきさつです。

 きっかけとなったのは以下の2つの記事です。

PCいらずでお手軽HDキャプチャ。ゲーム特化のキャプチャデバイス「AVT-C281」レビュー
http://www.4gamer.net/games/017/G001762/20120424095/

【(善)後不覚】キャプチャデバイス「AVT-C281」を使った「実況プレイ動画」作成法
http://www.4gamer.net/games/095/G009575/20120601078/

 当日、ブースで行われるボクのセッションは、わずか15分のミニセッションとなりますんで、基本的には、AVT-C281の使い方や活用を話すだけの内容になると思います。

 ボクのミニセッションはおまけみたいな感じで、実は、メインは、来場者が世界クラスのプロゲーマーと「スーパーストリートファイターIV」で対戦できるという乱取りイベントの方なんです。是非ともそっち目当てでも遊びに来てみて下さい。

 運と実力がともなえばAVT-C281が貰えるらしいですよ。自分もバルログで挑戦してみるかなぁ(笑)。詳細はこちらをどうぞ

 AVerMediaブースはコーエーテクモゲームスブースの近くにあるゲーム関連デバイスの展示セクションの一角にあり、RazorとかMadCatzとかが近くにあります。

 当日は物販もやるようで、AVT-C281が、あのゴールデンウィークの時の価格9980円で販売されるようです。また、HDMIも録れる後継のAVT-C985も発売されるようですね。

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実車での走行を「GT5」内で再現

 SIGGRAPHのレポートは入稿済みの原稿がまだ掲載されていないんですが、CEDECのレポートはボクの入稿分は全部上がったので、そちらのリンク集をやるべきなんですが、単発のこっちを先に紹介しておきます。

 先週、富士スピードウェイを走ってきたんです。

 といっても、GT-Rではなくて、トヨタ86でです。

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 トヨタ86は、ディーラーで試乗したことはありましたが、全開走行は初めてだったので何度かレブに当てましたが、結構楽しく回れました。
 実は、トヨタ86ってプリウスの純正タイヤを履いているのでどんな走りになるか不安だったんですが、結構、食いついてました。

 トヨタ86って公称200馬力になっていますが、各メディアによる実測では180馬力程度しかないらしいんで、パワー感モリモリって言う感じの車ではないんですが、目線の低い乗り味で相当楽しい車でした。

 で、これ、走行会ってわけじゃなくて、トヨタが86向けのオプションとして発売する予定のグッズの発表会だったんです。

 その様子をまとめたのが下の記事です。


実車での走行を「GT5」内で再現。トヨタ,デンソー,ポリフォニー・デジタルのコラボから生まれた「CAN-Gateway ECU」発表会レポート
http://www.4gamer.net/games/098/G009884/20120905031/

 CAN-Gateway ECUと名付けられたこの製品は、86の走行をECU内の車両情報とGPS情報とともにデータ記録するものです。

 データはただのデータなので、それをどう料理するかはアプリに依存するわけですが、第一弾アプリとして対応予定なのが「グランツーリスモ5」なんですね。

 上の映像は、CAN-Gateway ECUのプロトタイプからのデータを、グランツーリスモ5上で表示させたものです。

 左が実車映像、右がグランツーリスモ5の映像です。



 GT-Rオーナーズクラブの会長さんがいうには、「もともと、このコンセプトはGT-Rに予定されていたもの」らしいんですが、GT-Rに内蔵されているGPSは取得データの分解能がカーナビレベルなんで、スポーツ走行のロギングには向かないようで、見送られたようですね。

 トヨタとしては、このCAN-Gateway ECUのアプリ制作会社を広く募集していくそうで、盛り上がりに期待したいですね。

 デジスパイスとか、最近はGPS系のスポーツ走行に対応したドライブデータロガーが流行ってますんで、CAN-Gateway ECUも単体で購入したときに、そういう使い方が出来るアプリを最初から同梱してくれるといいと思いますね。



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西川善司の「NISSAN GT-R」ライフ 第8回:GT-Rの車両保証について紹介

 8月は色んな手違いがあって一回も掲載されませんでしたが、連載はちゃんとまだ続いてます(笑)

 今回は、みんな大好き、GT-Rの車両保証問題の話題ですよ。

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【連載】西川善司の「NISSAN GT-R」ライフ
第8回:GT-Rの車両保証について紹介

http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20120904_557256.html

 色々騒がれてしまったこと…ポイントは2つあると思います。

 1つは、今まで曖昧になっていたチューニングとその結果による車両の不具合に対するメーカーとしての姿勢を明確化したことですね。

 これまで、無謀なブーストアップしたことを棚に上げてぶっ壊れた車両をメーカー保証で直せ…みたいなやりとりはメーカーとオーナーの多々あったんですよね。

 R35 GT-Rの場合は、上げようと思えば1000馬力くらいまでは上がっちゃうので、事前にそうした無謀なチューニングに対しての防護策を打ち出したと言うことでしょう。

 国産車で、オーナーズマニュアルに、チューニング例とそれらにまつわる保証規定を明文化した車種は他にはないと思いますね。そうした部分が「面倒だ…」と叩かれてしまったんだと思います。

 ここは、正直、日産側がよかれと思ってやったことがネガに捉えられてしまって不幸だったと思います。

 発売当初だいぶヤジられた「サーキット走行を行うと保証がなくなる」というのも今では「走行後の点検で車両保証は維持される」とまで明文化されています。レブリミット当てて、縁石乗り上げまくった車両を保証できないというのはメーカーの立場としては理解できますからね。

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 もう一つのポイントは、実際に、ちょっと面倒臭い部分があるにはあるということですね。

 例えば、純正タイヤも細かくリビジョンが区分けされていて、自分の年式に適合しないリビジョンのタイヤは、たとえ純正タイヤであっても履くと保証が切れるんです。そのあたりも詳細は記事の方をどうぞ。

 ホイールも前期型と後期型で厳しくリビジョン規定がなされています。

 このあたりはもう少し緩和してもよい気がします。

 今回の記事では、実際に、さっそく車両保証をボクが実際に活用した事例も紹介しています。

 新車で購入したのに、ドアが走行2000kmでこんな風になってしまったからです。

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 詳しくは、記事の方をどうぞ。

 実は、今、新たにステアリング周りで初期不良が発覚してきまして、今度また修理に入庫予定です。

 新車で購入して半年足らずで修理のために入庫を繰り返すのは寂しいですが、対応はスムーズで丁寧なので粛々と事は進んでいます(笑)。

 まぁ、ただ、私見ですが、GT-Rをこれから買う人は、新車の場合は、車両保証の有効期間は、保証規定の範囲内で楽しむようにして、車両保証制度は活用出来る状態にしておいたほうがよいと思います。

 こうしたマイナートラブルが頻発する感じから察するに、切り込んだチューニングやカスタマイズに走るのは、保証期間が切れてからの方がいいでしょう。

 GT-Rという車は、実際とても高性能ぶりを実感できます。
 しかし、エンジン単価が400万円、トランスミッション単価が250万円となっており《まぁ、パーツ単価の合算650万円と、そのまま車体価格の870万円と比較することに意味はないとは思いますが》ただ、それ以外の部分は徹底したコストダウンによって実現されている車だということをオーナーは忘れてはいけないと思うんですよね。

 R35 GT-Rは、エンジンなどの根幹メカはクリーンルームで専任スタッフが組み上げていますが(だから高い)、それ以外の車体の組み立て自体は実はスカイラインなどと同じ生産ラインで混流ラインによる製造がされているんですよね。逆に言うと、エンジンなどの根幹メカ以外の部分は日産の他の量産車となんら変わらないワケなんです。

 だから、今回、自分の車両に起きたようなことが起こりうる…とまでは言いませんが、せっかくのメーカー保証は、優位に利用すべきだろうと言うことです。

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直接的、間接的に関わった書籍の紹介(3)

 インプレスジャパンから発売される「ゲーム制作者のための物理シミュレーション」という書籍の監修を担当させて頂きました。

 具体的には著者の選出を初めとするプロジェクト立ち上げマネージメント、書籍内容のディレクション、あがってきた原稿の内容で難しい部分をさらに噛み砕いてもらうように指示したりしました。いわゆるプロデューサの役割ですね。


ゲーム制作者のための物理シミュレーション 剛体編
http://www.impressjapan.jp/books/3282

 著者は、凄いですよ。

 一人は東大-HAVOK-AMDと華麗なキャリアを誇る原田隆宏氏です。
 彼はGPGPUのプロで、物理はもちろん、今はAMDで技術デモつくったり、レンダラーまで設計している一流のGPU野郎です。彼の頭の中では、絶えず数千スレッドが並列動作していると噂されています。

 もう一人は、話題の「パペッティア」や「大鷲のトリコ」など、Playstation3用の一流タイトルの物理シミュレーションエンジンの開発に携わったSCEの松生 裕史氏です。彼には、実際にSCEプロジェクトで正式採用されている物理エンジンの簡易版をオープンソースで公開してもらいました。

 だいぶ分かりやすくなったとは思いますが、もし難解な部分があったら、改訂時に修正を掛けますので、編集部までご意見下さればと思います。

 ミンコフスキーとミノフスキーの区別が付けば読める内容になっていると思います(笑)

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直接的、間接的に関わった書籍の紹介(2)

 毎年、年刊発行されているCGWORLD特別版の「ゲームグラフィックス2012」が発売されています。

 ボクの記事は2ページが再掲、もう2ページが書き下ろしになっています。


ゲームグラフィックス 2012 ―CGWORLD特別編集版―
http://www.wgn.co.jp/store/dat/3267/

 分厚いので読み応えありますね。

 表紙のチョイスが「GRAVITY DAZE」というのも2012年ぽい感じがでてますね。
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直接的、間接的に関わった書籍の紹介(1)

 直接的、間接的に関わった書籍の紹介をしておきます。

 帯にコメントを書かせて頂いた書籍がこちら。


Computer Graphics Gems JP 2012 -コンピュータグラフィックス技術の最前線-
http://www.borndigital.co.jp/book/detail.php?id=257

帯には、凄い人たちの推薦コメントが入るとのことだったので、なんとか目立とうと思って

読んでから叫べ。「その発想はなかったわ」と。
―トライゼット テクニカルジャーナリスト 西川 善司 氏


という、ややお調子気味のコメントを書かせていただきました。
周りの方のマジメなコメントの中でいいバランスになったかなと思います(笑)

 この本には、先日のCEDEC2012でスクエニの徳吉さんが講演されていたVirtual Point Lightベースのグローバルイルミネーション(大局照明)技術の詳細が掲載されています。

 また、個人的に目から鱗だったのは、アニメーション(モーション)データを、MPEG4で圧縮するテクニックです。圧縮率もさることながら、ゲーム機やGPUの場合、展開時にはハードウェアデコーダが使えるので高速に展開が出来ると言うわけです。

 実際の日本の現場で開発されている方々が執筆されているので、純国産のグラフィックステクニック本という意味でも、結構、お勧めな一冊かと思います。
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