西川善司の3Dゲームファンのための「東京ゲームショウ2011」グラフィックス講座

 西川善司の3Dゲームファンのためのグラフィックス講座「東京ゲームショウ」編です。

 毎年、E3やTGSなどのショーイベント編は、半ば強引にテーマを括って書くわけですが、今年は、たまたま、アニメーション(モーション)に凝った作品の公開が集中していたので、その括りで書きました。

 モーションは、3Dゲームグラフィックスにとって時間方向のコンテクストになるので、それをうけて、タイトルにはキャッチーな「四次元」というキーワードをあしらいました(笑)

 この連載は、毎回、ぶっ飛んだサブタイトルがウリみたいなところもあるので。


西川善司の3Dゲームファンのための「東京ゲームショウ2011」グラフィックス講座
ついに“4次元方向”に進化し始めた3Dゲームグラフィックス達

http://game.watch.impress.co.jp/docs/series/3dcg/20110926_479487.html

 もうトップレベルのシェーダグラフィックスは、技術的な違いが殆ど無くなってきてしまったのですが、逆に言うと「見た目だけが美しい」タイトルが増えてきていて、先進スタジオは、そのアンバランスさに気がついて、モーションを次世代へ進化させようとしてきています。

 モーションキャプチャは、静的なシーンに対しては究極ですが、動的なシーンに対しては、そのままでは無力です。

 動的なシーンで自然なモーション(アクション)を表現するには、何らかのプロシージャル的手法支援やシミュレーション的手法の支援が欠かせません。さらに、取り扱うモーションが「人体」ということになると、人間の意志の変移にも気を配らなければならず、いわば、AI的なノウハウも無関係ではなくなってきます。

 ここで取り上げた「ドラゴンズドグマ」「バイナリードメイン」「FIFA12」「アスラーズラース」などは、特にそういった傾向の進化がホットなタイトルです。

 なお、見た目が特に流麗なタイトルとしては「BATTLEFILED3」「FORZA MOTORSPORT4」を取り上げています。

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西川善司の3Dゲームファンのための「Luminous Studio」講座

 ここしばらくは、ブログで紹介できていない、ちょっと前の寄稿記事を紹介していこうと思います。

 何かと話題のスクウェア・エニックスの新ゲームエンジン「Lumious Studio」

 8月末日掲載のGAMEWATCHでのお馴染みの連載はこれを取り上げたのですが、は図らずも世界初の独占取材となってしまい、各方面に大きな話題を振りまくことになりました。


西川善司の3Dゲームファンのための「Luminous Studio」講座
スクウェア・エニックスが開発中の次世代ゲームエンジンの秘密に迫る!

http://game.watch.impress.co.jp/docs/series/3dcg/20110826_473138.html

 Luminous Studioのアーキテクト的な立場であられる橋本善久氏の粋な計らいで実現した独占取材でしたが、実は、スクウェア・エニックスとしても、業界に対してLuminousプロジェクトへの参加の呼びかけを広く行いたかった狙いと、後に行われることになる「スクウェア・エニックス・オープンカンファレンス」の開催告知の思惑もあったと思われます。

 こちらとしても、こうした面白い技術ネタは全くの好都合なので、結果的にはWin-Winの企画記事になったかと思います。

 そして、独占取材だったことから、勝手に翻訳された(笑)バージョンの記事が海外サイトでも紹介されました。

 EDGEとかEUROGAMERのような大手サイトにZenji Nishikawaの名前が出るとは思いませんでした。あらためてスクエニと橋本さん達には感謝ですね(笑)

Luminous Studio: Square Enix's next-gen engine
http://www.next-gen.biz/news/luminous-studio-square-enixs-next-gen-engine

New Square Enix engine next-gen ready
http://www.eurogamer.net/articles/2011-08-26-new-square-enix-engine-next-gen-ready

Square Enix Details Luminous Studio
http://n4g.com/news/831718/square-enix-details-luminous-studio

Square Enix Details Luminous Studio
An early glimpse at the engine that will power Square Enix's next generation games.

http://andriasang.com/comxrx/

 まぁ、でも、日本のスタジオもこうして技術自慢をしていくことはいいことだと思います。

 日本のスタジオも、技術を囲い込んで「いやあ、うちは大したことしてませんて」と謙遜するよりも、こうしてアピールしていったほうが、業界活性化に繋がると思いますしね。

 任天堂にもこうした取材が出来る日が来たらいいんですけどねぇ。
 なかなか難しいんです。いつか行きたい…。

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西川善司のCEDEC2011レポート

 ちょっと前の話になってしまいますが、日本最大級のゲーム開発者会議のCEDECが今年もパシフィコ横浜で開催されました。

 今年は昨年にも増してソーシャルゲーム関連の話題が増えましたね。ゲームエンジン系の話題としてはUnityがその存在感を強めているという感じです。

 今年のCEDECレポートはシリコンスタジオでの連載コラム、テクニカルインサイトの方でやらせて頂きました。

Dragons_Dogma_Rendering_page_13.jpg
シリコンスタジオ・テクニカルインサイト第十回:CEDEC2011レポート
http://www.siliconstudio.co.jp/techin/index19_CEDEC2011.html

 基調講演、CEDEC AWARDの模様、技術セッションの内容などを抜粋してレポートしていますが、当日メディア聴講禁止だったはずの「ドラゴンズドグマ」セッションがレポートされていることに驚いた人もいるかも知れません(上の画面)。

 このセッション、確かにセッション当日は取材出来ず写真も撮れなかったのですが、実は、「取材禁止」はカプコン担当者とCEDEC事務局との連絡の行き違いや誤解で起こった間違いだったことが後で判明しました。

 カプコンはロストプラネット発売前に「MTフレームワーク」の全貌をCEDEC2006で明らかにしたくらいな技術開示に関してオープンなスタジオなので「取材禁止はおかしいな」と思って、CEDEC閉幕後に問い合わせてみたら、そういうことが判明したのです。

 また、当日のプレゼンの資料の記事への使用についても快く許可をしてくれました。

 ということで、日本メディアとしてはほぼ唯一(?)のドラゴンズ・ドグマのセッションをレポート記事になっています(笑)

 MTフレームワーク2.3で製作されているこの作品、CEDECで発表された内容以外にも技術的に見どころが一杯ありそうなので、後日、改めて取材したいと思っています。

 そうそう。CEDEC2011について、さらにエッセンスを要約した記事をCG WORLD 11月号に寄稿しております。こちらもあわせてどうぞ。



 さて、今年のCEDECでも、「西川善司のゲーム開発マニアックス」と題されたパネルディスカッションの司会をやらせて頂きました。

 その模様は2セッションとも米田さんが4gamerで丁寧な記事にしてくれています。とてもよくまとまっているので是非見てみて下さい。

007.jpg
[CEDEC 2011]物理シミュレーションは非現実的な方向に進む? 「ゲーム開発マニアックス~物理シミュレーション編」レポート
http://www.4gamer.net/games/131/G013104/20110907059/


007.jpg
[CEDEC 2011]やがて据え置き型コンシューマ機はなくなり,すべてモバイル機になってしまうのか。「ゲーム開発マニアックス~グラフィックス編」レポート
http://www.4gamer.net/games/131/G013104/20110908039/

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工学院大学で講演しました

 最近は、講演の仕事もたまにやらせて貰っておりまして、今年も工学院大学で新入生向けの特別カリキュラムみたいな枠でやらせて貰いました。

 もともとは4月にやる予定だったのですが、震災の影響で延期になっていたんですよね。

kogaku.jpg
工学院大学・西川善司先生特別講義
http://www.info.kogakuin.ac.jp/life/events/nishikawa.html

 "先生"ってのはちょっと照れますけどね(笑)

 今のテクニカルジャーナリストという仕事は、言ってみれば、サラリーマン・プログラマのなれの果ての姿ですから、未来溢れる大学一年生にとっては、全く目標にすべき人生ではないのですが(笑)、逆に「よくもまあ生き残っているよな」といわれるくらいの、しぶとい生き方をするためのお話をしました。

 誰もがそうだと思いますが、ある程度の年を取ってから自分の大学生時代を振り返ると、若かった頃の、無知ならば無知なりに色々な分野に手を出していけた、チャレンジング精神の強さに半ば感動しますよね。

 自分は、高校時代にはソフトバンクのパソコン誌「Oh!X」で記事やプログラムを書いてましたし、それからさらに大学時代はOh!Xと並行して、ウルフチームとか工画堂(KGD)ソフトとかでプログラマのバイトもしてました。今はもう、体力的にも精神的にも、そこまでの仕事の掛け持ちは無理ですからね(笑)。

 なんか閉塞感ただよう昨今ですが、今の大学一年生にも、眠っているはずのそうしたパワーを活かして、いろんなことに手を出して欲しいと思います。

 そうそう、今年で3年目になりますが、今年も東京工芸大学のゲーム学科で、後期授業を「CGプログラム概論」という授業を3年製向けに1コマ受け持たせてもらっています。(来年は、学校側のゲーム学科の校舎移動に伴って、お休みとなる予定)

 もともとおしゃべりなので、こうしたしゃべる仕事はやってて楽しいもんです。

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SIGGRAPH2011レポート、その他編

 4gamerに寄稿したSIGGRAPH2011レポートは以上ですが、これ以外にも、寄稿先があったので紹介しておきます。

 1つは、シリコンスタジオでの連載コラム、テクニカルインサイトです

slide37.jpg
シリコンスタジオ・テクニカルインサイト第九回:SIGGRAPH2011レポート
http://www.siliconstudio.co.jp/techin/index17_ACMSIG2011.html

 こちらは、SIGGRAPH2011のポイントを押さえた総括編的なまとめになっています。

 内容的には4gamerに寄稿したものとダブる部分もありますが、一部、4gamerには寄稿していないネタもあります。

 スライド画像などは、4gamer掲載記事ではリアルタイム撮影したものを使用しているのに対し、テクニカルインサイトでは、SIGGRAPH2011閉幕後に入手した正規版のキャプチャを用いているので見やすくなっています(例:上のスライド)。

 それともう一つ、CGWORLD 10月号のSIGGRAPH特集に6ページほどの寄稿をしています。

 

 こちらでは、倉地紀子さんなどと分担して、ボクの方は主にEMERGING TECHNOLOGIESやELECTRONIC THEATERなどのネタを担当しました。

 そうそう、倉地さんは、英語版のCG関連書籍「The Magic of Computer Graphics 」を6月に出版されたばかりで、SIGGRAPH会場ではサイン会のようなこともされていました。



 この本は、日本語版もでています。


 
 倉地さんに、ボクの書籍も「英語版を出さないのですか」と聞かれましたが、ボクの本は海外版を出すのはとても難しいんですよね。電子書籍版も同様です。

 というのは、ボクの本は、掲載している画面素材を各ゲームスタジオさんから個別に許諾をとって掲載していますので、英語版や電子書籍版を出すとなると600点に及ぶ画面素材の許諾を取り直さなければならず、コスト的に大変と言うことで実現していません。

 これまでに中国、韓国などをはじめとして幾つかの海外出版社から「他言語版をださせてもらえませんか」の打診はあったのですが、この話をすると、みんな音信不通になります(笑)

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西川善司のSIGGRAPH2011レポート集(9)

 4gamerでのSIGGRAPH関連のレポートはこれが最後になります。

 iPhone/iPad系のGPUとして、そして最近ではインテルATOMのGPUとして一世を風靡しているPowerVRでお馴染みのImagination Technolofiesが、密かに面白いプロジェクトをぶち上げました。

 それが、レイトレーシングアクセラレーションの仕組みをPowerVRに統合していくというプロジェクトです。


PowerVRのImaginationが“ハイエンドGPU”の設計に着手。ハイブリッドレンダリングハードウェア,そして新API「OpenRL」とは?
http://www.4gamer.net/games/017/G001762/20110920023/

 レイトレーシングのアクセラレーションは、新機能として組み込むというよりは、プログラマブルシェーダに新しいポテンシャルを与える…という形で実現されます。

 具体的にどういう仕様になるかは記事の方を参照してください。

 レイトレーシングのアクセラレーションの機能は、衝突判定や物理シミュレーションなどにも応用が利くため、ゲームへの応用も期待できます。

 ただ、独自仕様でやっても誰も付いてこないため、Imagination Technologiesは、このプログラマブルレイトレーシングの仕組みをクロスプラットフォームソリューションの「OpenRL」という形で発表しました。

 上のムービーはその実動デモの様子です(Caustic Graphicsは、Imagination Technologiesの子会社です)。

 Imagination Technologiesは、OpenGLなどを統括する、KHRONOSのメンバーですので、OpenRLは高確率でオープンスタンダード化されるはずです。

 DirectXでも、こうした仕組みが採用されると面白くなりそうですが、どうでしょうかね。NVIDIAやAMDが対応してこないと、腰は重いかも知れません。

 まぁ、AMDはKHRONOS大好きっ子になっているので比較的、高い確率でサポートをするかも知れません。NVIDIAは、自社のプログラマブルレイトレーシングのソリューションとしてOptiXを展開中なので、様子見って感じですかね。

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西川善司のSIGGRAPH2011レポート集(8)

 これでEMERGING TECHNOLOGIESネタは最後です。

 最後は、ちょっと楽しげなネタを集めています。

 中でも1つピックアップするとすれば、SIGGRAPH 2011の「Best Emerging Technology」に選ばれた、フランスのDigiteyezerが発表した「iFace3D」ですかね。

 これは、iPhoneやiPadを使って顔面の3Dスキャニングが出来るアプリです。


[SIGGRAPH]「Emerging Technologies」展示セクションレポート(4) iOS対応の3Dスキャナや“未来のベイブレード!?”などが登場
http://www.4gamer.net/games/017/G001762/20110830001/

 iPhoneやiPadでやるのは、スキャンしたい対象の顔をテンプレートに従って動画として撮影するだけです(上)。

 この動画をクラウドに転送すると、クラウド側で動画から対象物の顔の3Dモデルを生成して、iPhoneやiPadに3Dモデルを返す…という仕組みです。

 一度、取り込んだ顔面は、完全な3Dモデルなので、アクセサリを付けたり、アニメーションをさせたり出来ます。



 このiFace3D、クラウド使用料込みで1ドル(85円)は安いので、興味がある人は試してみるといいかも。

 この顔面モデルで「トモダチコレクション」をやったら面白そうですね(笑)

 なお、iFace3Dは顔に限定したアプリになっていますが、彼らは、汎用物をスキャンして3Dモデル化するiScan3Dという技術をBtoB展開しています。

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西川善司のSIGGRAPH2011レポート集(7)

 EMERGING TECHNOLOGIESレポートの第3回目は、ディスプレイ関連の話題を集めています。

 シャープはQUATTRONとして量産化して定着した感もある4原色液晶パネルよりも1色多い、5原色パネルのデモを、今年は少々見せ方を変えて展示していました。

 それとディズニーリサーチ関連の発表も目立っていました。
 もしかしたら近いうちにディズニーランドの新アトラクションで、今回展示されていたような技術が実用化されるのかも知れません。


[SIGGRAPH]「Emerging Technologies」展示セクションレポート(3) 液晶や有機ELの先にある「未来のディスプレイ」とは?
http://www.4gamer.net/games/038/G003884/20110825004/

 上の映像はBurton社と慶應義塾大学が研究開発している空中結像型ディスプレイです。

 詳しいことは記事の方を参照して欲しいのですが、簡単に言うと、スクリーンも何もないところに映像を浮かび上がらせる技術です。

 しかも、画素に用いるのは、そこにある空気分子!!

 もともと位相を収束させた光であるレーザーをさらに集光させて起こるレーザーブレークダウン現象を応用して、空間中の任意の空気分子をイオン化させます。そして、イオン化した分子が再び平常分子に戻ったときに発光する現象を利用して画素描画を行います。

 なんともSFチックな原理が痺れますよね。

 展示では緑色レーザーを用いていましたが、赤色レーザーや青色レーザーでも同様なことが可能だというので、将来的にはフルカラーで空中に映像を浮かび上がらせることが出来るようになるかも知れません。

 ちなみに、空中結像している映像に触ると、手が焼け焦げますので、お触り厳禁です(笑)

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西川善司のSIGGRAPH2011レポート集(6)

 9月にDirectX11.1の情報がやっと開示されましたが、これに先行してOpenGL4.2がSIGGRAPH会期中に発表されています。

 SIGGRAPHレポートではこのOpenGL4.2の機能について紹介しています。

 機能の詳細については、記事の方を参照して欲しいのですが、1つだけ面白い機能をピックアップするとすれば、「Transform Feedback Instanced Example」でしょうか。

 DirectX11(OpenGL 4.x)世代のGPUには、「Tessellation Stage」(テッセレーションステージ)が用意されていますが、1つ大きな問題点が指摘されるようになってきました。

007.jpg
[SIGGRAPH]ついにDirectX 11を凌駕した!? Khronosに聞く「OpenGL 4.2」の正体
http://www.4gamer.net/games/107/G010729/20110821001/

 それは「ゲームのランタイムでテッセレーションを活用するのは結構重い」という問題です。ウルトラハイエンドGPUになれば別ですが、現実的なミドルレンジでは負荷が高すぎて現実的な活用が難しいと言うのです。これに関してはCRYTEKがCRYSIS2のDirectX11対応化パッチをリリースした際にも同様のことを述べていたので、開発現場からの生の意見として捉えていいでしょう。

 重くなる原因は「ほとんど視点位置が変わらない場合でも、無意味に何度もテッセレーションが行われてしまう」と言ったことに起因します。

 たとえば毎秒60コマのゲームで、視点から10m離れたところに100ポリゴンの低ポリゴンモデルを配置したとします。

 これをテッセレーションステージを活用して10倍の1000ポリゴンモデルとして描画するとしますと、次のフレームを1/60秒後に描画することになりますが、この間のプレイヤーキャラクターの移動距離なんてものは微々たるものです(飛行機や車を題材にしたゲームの場合は別ですが)。

 仮に30cm進んだとすると、次のフレームでは9.7m先に再び100ポリゴンの低ポリゴンモデルを配置することになります。

 この場合、テッセレーションステージが再度ポリゴンモデルを1000ポリゴンに分割するのですが、分割結果は、前フレームのものと完全同一ではないものの、ほとんど違わないものとなるはずです。

 つまり、この2フレームの間で(ほぼ)同じ結果にしかならないポリゴン分割を2回繰り返したことになるわけです。

 この無駄を解消すべく、OpenGL4.2では、テッセレーションステージによって分割・変形された3Dモデルを、そのままキャプチャして再利用できる仕組みが実装されました。

 これによってテッセレーションステージの起動頻度を下げることに繋がり、テッセレーションステージの無意味な負荷を下げることができます。

 ただ、こういう制御はインテリジェントにGPU側がオートマチックにやってくれるといいんですけどねぇ。

 「LODの面倒をGPU側で自動的に見てもらえる」というのがテッセレーションステージのウリの機能の1つだったはずですから。これでは結局LODをゲームエンジン側で面倒を見ないといけなくなってしまいます。



 なお、この記事では、この他、ついに現実味を帯びてきたOpenCLのWeb版である「WebCL」の話題なども取り扱っています。

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西川善司のSIGGRAPH2011レポート集(5)

 E-TECHレポートのパート2です。

 神奈川工科大学情報学部情報メディア学科小坂研究室が展示していた「妊娠シミュレータ」は、混雑時は列が出来るほどの人気ぶりでした。


[SIGGRAPH]「Emerging Technologies」展示セクションレポート(2) 男性でも妊娠体験ができるシミュレータが登場
http://www.4gamer.net/games/017/G001762/20110818023/

 女性の妊娠がいかに大変か…ということを実際に体験できるシミュレータで、被験者はバーチャル妊娠スーツを着用して体験することになります。

 胎内の赤ちゃんが成長して行くに従ってお腹も大きくなって重くなり、さらには「お腹を蹴る」の体験も出来るようになっていました。

 また、ゲーム的な仕掛けも盛り込まれていて、出産間近のお腹がパンパンの時に「胎内の赤ちゃんに負担を掛けないように床に落ちている物を取れ」といったミッションが課せられることもあります。

 一人称視点で妊婦の生活がいかに大変かを知ることで、妊婦に優しくできる社会にしていこう…というのがこのシミュレータのコンセプトだそうです。

 SIGGRAPHでの人気をうけてか、この妊娠シミュレーターは、9月に行われた東京ゲームショーにも出展されていました。

 ちなみに、この妊娠シミュレーターのプロモーション映像が面白いです。
 ものすごいサディスティックなダンナが妊婦をいじめます(笑)



 この映像に出演している演者達は、研究室の学生さん達のようです。ブースには、そのサディスティックなダンナ役の男性も居ましたので(笑)

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